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分かりやすい謎が多すぎるフェリーニ

いっときツイッターで、世界中の映画関係者が好きな映画を10本あげると言うアカウントをフォローしていたんです。
日本人の映画では小津、成瀬の圧勝で、現代映画はもちろん「世界のクロサワ」もミゾケンさんも出て来ないと言う始末。

なぜか世界は広いと言うのに、ほとんどの人がフェリーニの「81/2」をマイフェイバリットと答えていたのは意外でした。

え?
なんで「甘い生活」じゃダメなの?

どっちも似たような作品じゃないですか。
マルチェロマストロヤンニとアヌークエーメがいて、全編がパーティーのようなどんちゃん騒ぎの作品で。

1つだけ違うのは「甘い生活」には監督自らハリウッドから連れて来た水爆女優(と、当時の日本では呼ばれていました)のアニタエクバーグが出ていたんですよね。
あれが俗っぽいとして、より内向的な「81/2」の方が人気があるのかな。

みんなそんなにエクバーグがきらいなの?
私は好きなんだけどな。
トレヴィの泉のシーンなんか素直に美しいじゃないですか。

もっとも、その頃はお世辞にもエクバーグの演技力がいまいっちょだったのは否めません。
その数年後のオムニバス映画「ボッカチオ’70」では充分褒められるだけのお芝居をしていると思うんですけれど。

生涯添い遂げた奥さんが、小柄なジュリエッタマシーナだったのにも関わらず、フェリーニの巨漢フェチは一体なんなんだと思います。

これ、既視感がないですか?
寺山修司は恐山を舞台にフェリーニの世界観を表現したかったんじゃないかって思うんです。
私は知りませんよ、寺山修司がフェリーニをリスペクトしていたかどうかまでは。
けど、実際空気人形役の春川ますみがいい味をdしていましたよね。

私が30代だった頃、プラザハウスのロージャーズで「フェデリコフェリーニ」って書かれた文房具が大量にセールになっていたことがあるんです。
ノートやペンケースみたいなものです。
「色彩の魔術師」フェリーニらしいカラフルなものだったら欲しかったんですが、なぜかどれもこれも「道」の頃のような荒涼としたモノクロ背景にフェリーニの名前が入っているんです。

さすがの私もこれには物欲を搔き立てられませんでした。
それよりも仕入れて来た子、相当上からお目玉喰らったはず。
ものには限度があります。
当時の沖縄でフェリーニが何をしている人かって知っていたのは300人いるかいないか程度だったはずです。










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