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労働環境ってどこまで整う?

もう何年も前の話です。まだ ヘルニアが悪化していなかったころ 座ってばかりの仕事が退屈になると 倉庫にフォークリフトで運ぶためのパレットと呼ばれる台に 荷物をきれいに積み上げるというバイトに行っていました。いわゆる日雇い仕事です。一日中 動き続けるのですけど ひとつの現場はだいたい同じメンバーで 役割分担からペース配分まで上手くいくと時間よりも早く仕事が終わります。後は休憩。身体も動かすしチームでの仕事も楽しいし 私はすごく好きだったんですね。

ある時 某有名企業の工場のラインに欠員が出て困っている。臨時で穴埋め頼めないか?という話がきました。工場のライン作業なんてやったことないし そもそも工場という場所に入ったことすらないわけです。しかも現場は隣の市の港湾地区のはずれもはずれ…。どうしてもっていうことで一日だけだよっていうことで引き受けました。ここで色々な物を目にして体験するわけです。人間ってこういう側面もあんのか?っていう闇の部分ですね。

ひとつの作業をしていくチームは決まっています。そこにいきなり穴埋めで入ること自体が面倒なわけですが 新参者はスゴイ勢いで罵倒されるわけですよ。熟練のおばちゃんとか めっちょ怖いわけです。そもそも現場が違えばルールも違う。そのルールの説明もないわけで 一日中 怒られっぱなし。休憩時間もフルシカト。まあ お話する話題もないわけですけど 持参したお弁当を見て そんなもの買えるやつがくるところじゃないんだけどねって難癖をつけられたのは 正直 人ってここまで荒めるものなの?っていう驚きでした。それって そこのある一人のことではなくて場の空気がそうなっているわけです。

お昼休みなのに班長だかなんだか偉い人の訓話があって 誰だかも知らんおじさんの話を みんながありがたく聞いていました。となりにいた弁当に難癖つけてきた人が 偉い人の話なんだから真面目に聞きなさいよ!とマジギレしてきたり。いや…聞いてますけど…?っていう不思議な空間なのでした。お昼休みもないんかい…っていう 刑務所の労務みたいな気持ちを味わいつつ午後の部に。

現場に戻る途中 さっきのうるさいおばちゃんが 訓話をしていた偉い人にかわいらしい声で 今週は土曜日も日曜日も入れるの。お願いしますねって話しかけている場面を目撃します。ここはシフト制で入れる日数で賃金が変わるのねと納得。そりゃあ自分の居場所を奪いにきたのか?って 新参者は排除したくもなるんでしょうね。でもね 時給に換算したらたぶん800円くらい。交通費も出ないしね。っていうことは そこでしか働けないって思っている人は ずっとこの環境サイコー!で 疑問を感じなくなっていくということなのねと思った次第です。

確かに日雇い派遣みたいなスタイルで働く選択をしているなら それなりの理由もあるのだろうし もっと待遇がいい場所を選べない理由もあるのでしょう。でもねえ…っていうのが私の感想でした。二度と行かねえし!とも思ったし。酷い言い方をしてしまうと 吹き溜まり のような荒んだ空気の労働環境なんです。偉い人には媚び 弱い者は蹴落とす。そうしないと居場所が作れない。たぶんですけど あれから改善されたとも思えないですしね。

みんなが何気なく手に取っている商品 どこでも売ってる商品は こんな環境から生まれてきているんですよ。私的には知っておいて良かった現実でした。
まあまあ どうでもいい私の回想でした。

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