ベア・スマート・コミュニティ・プログラムの実務その3-『野生動物誘引物条例ツールキット』-
『ベア・スマート・コミュニティ・プログラム』に関わる実務に関する記事の最終回として、今回は『野生動物誘引物条例ツールキット』(Wildlife Attractant By-law Toolkit)を紹介します。
Wildlife Attractant By-law Toolkit は、カナダの自治体が野生動物の誘引要因となるゴミなどの取り扱いについての条例を定めるための手引となる資料で、Get Bear Smart Society のために Serratus Wildlife Services によって作られました。
原文のPDFファイルはこちらからダウンロードすることができます。
Bylaws and Ordinances — Get Bear Smart
https://www.bearsmart.com/s/GUIDE_-SAMPLE_WA_BYLAW.pdf
この資料を読むと、ベア・スマート・コミュニティ・プログラムにおいて、地方自治体による条例の制定と法執行機関による取り締まりが非常に重要視されていることがわかります。
クマとの共存を目指す取り組みを、人々の善意にのみ依存する市民運動として考えるのではなく、自治体が条例を定めて、時には強制力をもって取り組むべき行政課題だとする視点は、我が国の地方自治体にも是非とも取り入れていただきたいところです。
また、条例の制定についても、各自治体がそれぞれ試行錯誤するのに任せるのではなく、ある程度の雛形を用意することで、各地域の取り組みに共通性を持たせると共に、各自治体の負担を大きく減らすことを目指している点が、実に欧米らしい合理性だと思います。
この『野生動物誘引物条例ツールキット』の日本語訳をPDFファイルにして、以下に添付しました。
『ベア・スマート・コミュニティ・プログラム』に関わる実務について知りたい方々、特に自治体関係者の皆さまに強くおすすめします。
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