見出し画像

読書初心者の読書ノート 1冊目 「河童・或阿呆の一生」


記念すべき一冊目は、芥川龍之介の『河童・或阿呆の一生』です。
この本には、『大導寺信輔の半生』『玄鶴山房』『蜃気楼』『河童』『或阿呆の一生』『歯車』の六編が収録されています。

いやあ、面白かった。ただね、最初はやっぱり難しかったです。小説を読むのがすんごいひさびさだったし、日本語が今とは若干違うし、単語むずいし。漢字読めないし。


最初の2つの作品は難しかったです。ただ、芥川龍之介の世界観に引き込むには充分な作品だった。生きづらさ、憂鬱さ、そんなのが満ちた文章でしたが、ほんとに引き込まれた、面白かった。注釈と本文を行ったりきたりしながら読みました。

舞台が海の『蜃気楼』は、読みやすかった。このあたりから芥川龍之介の文章に慣れてきたからかもしれませんが。海辺で展開されるたわいもない会話が繰り返されていく日記みたいな文章なんだけど、情景描写がほんとに、良くて、綺麗で良いんですねー。磯の香りがしてきそうなぐらい。

タイトルにもある『河童』は、ほんとに、面白かった。ある男が、河童の世界に迷い込んでしまい、その後そこで生活する話。

河童は我々人間の真面目に思うことを可笑しがる、同時に我々人間の可笑しがることを真面目に思う

河童の世界は、人間の世界よりも文明が発達していて、人間が考えもしないようなシステムで動いています。この、河童の世界を通して、欠陥だらけの人間世界を皮肉る手法がすごく面白いです。河童の世界の政治、家族、法律、恋愛、労働者、戦争、芸術、宗教などなど、日本と同じだったり違かったり、ちがくてもどっちが正しいかなんて分からない。ただ、河童の国は人間の変な道徳心とか取っ払った、すごく合理的な国として描かれたんだろうなと思いました

『或阿呆の一生』と『歯車』は、芥川龍之介の死後に発表された作品。「ただぼんやりとした不安」の解剖した文章、もしくはその「不安」の原因はどこから来てるんだっていう思索結果。世の中の生きにくさ、どうもすっきりしない暗く不安な感じ、そういうのが伝わってきました。自殺する人間の心境が少しわかった気がする。

本、全体の感想としては、本当に読んでよかったなぁと、すごく面白かった。何度も読み返したい本。


ここまで、読んでくれた方ありがとうございます。普段、感想も長文も書かないので、表現が幼稚だったり、読みにくかったりするかもしれませんがお許しください。こういうとここういう表現にした方がいいよとかいうアドバイスとかあったら教えて欲しい。

ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?