金柑ジャム
先日、誕生日に合わせて親友から贈り物が届きました。
紅茶やチョコレートなど、彼女の選んでくれた素敵なものの詰め合わせになっていました。
その中に、小さな小瓶がひとつ、可愛らしいリボンが結ばれたものがありました。
中には黄色いミカンの皮のようなもの。ザクザクと細かく切られ、しっとり艶やかな照りがありました。
金柑のジャムでした。
可愛らしくラッピングされてはいましたが、再利用かな?と思うような瓶だったので、「手作り」のものだなとすぐわかりました。
この時期、果物売り場にも並んでいる旬な金柑。実は私はあまり好んでは食べない果物なのです。売られているものを手に取ってみることさえこれまでしてきませんでした。
「うーん金柑か。どんな感じだろう?」
すぐには味をみてみることはせず、翌日の朝食でパンにのせてみました。
それは黄金色で、ドロッとはしてなくて、店で売られているジャムとは見た目が違ってさっぱりした感じでした。
大きめにパクリとパンと一緒に食べてみました。
鼻に香りが届き、広がり、甘さは控えめなので独特の味はしっかり感じるのですがイヤではなく、苦味がアクセントになってすごく美味しい。
個性がほどよく馴染んでいたそれは、私が苦手だと感じていた、想像していたものとは違っていました。
「え?金柑って、ジャムにするとおいしい!」
苦手なものだったのが、ひょんなきっかけでクセになり。気になるものとなりました。
そうなると、そのジャムはまだ少し残っているけれど、私も作ってみたくなりました。そして今日スーパーで買ってきました。
苦手で避けていたものが、今の私はそれを求めている。
これってすごいことだと思いませんか?
ここまで惹き付けられたのは、ひとつには「ギャップ」が大きく作用していると思います。
脳が軽いパニックを起こし、これまで記されていた脳の辞書の【金柑】という項目を書き換え作業するという強い衝撃が起こっているんだと思います。
苦手だったものが好きになる。眼中になかったものが【お気に入り】に保存されるんです。そこから私の人生にどう広がっていくか。考えただけでわくわくしてきます。
人生、何をきっかけに、真逆のことが起こるかわからないものです。
金柑ジャムを食べる前と、食べたあとの私の「中の人」は、本当に同じなのだろうか?思うくらいです。
ギャップのエネルギーは強力で、これはもう人生のなかでの「変化球な贈り物」といった感じです。
「好き」が増えることは、単純に嬉しいことです。
こんな小さなきっかけから、人生のまだ見ぬ可能性へと、壮大な想いに胸を膨らませる出来事となりました。
読んでくれてありがとう。