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カテコールアミンのCOMTによる代謝

前回、前々回と、メチル化のメチル基を出す方の説明をしましたが、今度は、メチル基を受け取る方の説明をします。
受け取る方は何か所かありますが、一番、MCSさんが縁があるのが、カテコールアミンの代謝だと思います。
カテコールアミンは交感神経を刺激する物質で、内因性としてはアドレナリン等が、外因性としてはイソプロテレノール等があります。
病院では、心臓が止まりそうになったら、注射しているアレです。



カテコールとはベンゼン環の2つのヒドロキシ基がオルトの位置についたものです。
生体内で必要に応じて産生されたカテコールアミンも必要がなくなれば、どんどん代謝して不活性にして行かなければなりません。
そのためには、カテコールのヒドロキシ基をメトキシ基にしたり、スルホン化したりしないと不活性になりません。
心臓が疲れ果てて死んでしまいますよね。
その代謝酵素が働きが弱いと常に交感神経優位のままで、体調が悪いままだと思います。
エイミーヤスコプロトコールが統合失調症に効果的だと言われるのも、このメチル化によるカテコールアミンの速やかな代謝を促進するためだと考えられます。
図は薬物代謝学医療薬学・医薬品開発の基礎として第3版からお借りし、少し、変更して書かせて頂きました。
メチル供与体としてのSAMのメチル基がカテコールアミンのメタ位のヒドロキシ基をメトキシ基に変えています。
ただ、エイミーヤスコプロトコールは主眼を統合失調症や自閉症に置いているため、化学物質過敏症患者が知りたい遺伝子情報全般は考えていません。例えば、農薬や煙草の副流煙等、そういったものに暴露された時の代謝はまた別に考えねばならないです。
エネルギー産生と、内因性の物質の代謝には強くとも、外因性の物質の代謝には、殆ど触れていないと思います。
統合失調症患者さんからは、俯瞰して見ていると思われるかもしれませんが、化学物質過敏症患者にとっては参考程度と考えています。
代謝の一部が、統合失調症の患者さんの目的と合致した訳です。
エネルギー産生を促すという点では、慢性疲労症候群の患者さんにも効果はあるかもしれません。
ただし、なるべく保険で治療したい方にはお勧めできません。

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