家に引きこもっているのにアニメが見れない

 いつからだろうか、アニメが見れなくなったのは。少なくとも24歳の頃はまだ今期のアニメをチェックしようという気があった。実家を出たのがそれくらいだったからというのもある。精神科に通院して、精神の緊張をアニメや音楽に集中することでごまかして生きなくて済むようになったのもある。

 アニメは集中できる時に見たいから、見るなら映像を見逃したくないからというのもあって、スマホやPCをアニメの画面で専有する気になれない時は見なかったし、テレビにプライム・ビデオの挿すやつを挿してやっと少しだけって感じで、やっぱアニメってテレビで見ると楽しいなぁってなったのだけど、引っ越してからは賃貸なので延々と何時間もアニメを流しては、壁が薄いので怖いだろうなと夜は控えるようになったり、PCで見ようにもTwitterやイラストを描いたりするとテレビのようにはいかない。じゃあモニター増やせばいいじゃんって話なんだけど、なんかやだ。ノートPCだし。テレビでアニメ見るの楽しいなって思っていたけれど、PCで引きこもっていた時に聞いていた音を聞き逃すことが増えて、やっぱヘッドホンしてアニメが見たいってなって意味のないループを続けている。

 要は我儘なんだけど、どのやりたいことも優先したくて最終的にアニメが見れてない。優先順位が自分の中で変わったのだ。

 アニメは5年見ないとキャストが一気に変わってついていけなくなる。リメイク作品とかが出て軽率にそれを見てしまうと自分の中で大切に育てていたアニメ観が崩れてしばらく立ち直れない。なんというか、ダサい大人ってこうやって生まれるんだなぁって……。新しいもの受け入れられずって状態。子供の頃は何も怖くなかった。何だって初見で何だってなんだかんだ楽しかった。リメイクされたところでケチなんてつけない。リメイクが自分の初めて見る作品だったりするから。子供の頃はどうして懐古厨なんかになっちゃうんだろうって思ってたけど、今の自分が懐古厨だ。何もかもが受け入れられない。

 一般のアニメを見ない大人、精神科とか市役所の人とかからすると私はまだアニメを見ている方である。相手の言うアニメはドラえもんやクレヨンしんちゃんを見ていれば、アニメであって、自分の今期のアニメを何もチェックできていないという焦燥感とは違う。
 私は焦るのだ。世界に置いていかれてしまうから。カレンダー、曜日感覚、流行、時事ネタ、全ての基準となるものが人にはあって、自分の場合アニメの放映日と漫画の発売日なのだ。今も世界が端からどんどん崩れている。新人声優が中堅声優になっていく。中学の頃、新人だった少女漫画家はもう表紙を何度も飾るベテランだ。アニメは私にとって現実の風を入れるための窓と言っても良い。なのにここ数年は閉まったままだ。淀んでいく。

この感覚は公共機関、相談先にはわからないものだ。

とてもつらい。

サポートするとヒキニート生活が少しだけマシになる。