空黒

空高く飛んだカナリアは、いつの間にか方角を見失っていた。

ひたすらもがいて、諦めを知って、悶々と苛々を繰り返して、消化できないまま今日を生きる。

「描いていた航路通り飛ぶことはできたかい?」

答えは明白だとしても、飛び続けるしかない。

答えが空白だとしても、飛び続けるしかない。

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