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音楽とことば〜根を同じくするもの

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音楽についてのnoteを集めます。ことばについてのnoteも集めます。どちらも、人間の鳴き声、歌声であるという点で、本質的に同じなので、分離するのが不可能です。
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#エンタメ

「僕らは奇跡でできている」第7話 いい内容だったので、ひさびさにクラウドワークスで感想を書きまくって小銭をもうけました。書いてる間ずっと、耳の中ではクラリネットで奏でられる一輝のテーマが流れていました。 いいドラマは、本質をとらえたいい音楽に支えられている……とつくづく思います。

アナとエルサが歌ったように 其之一【さらば、わが愛〜覇王別姫】《140字の感想文+ (今回は字数超過) 》

陳凱歌「さらば、わが愛〜覇王別姫」    続きにしばらく取りかかれないままになっていました。  本来ならこれまでに書いていた「エグいシンメトリー」について書くのが先なのですが、あまりにも対象が大きすぎて、まだ着手できません。  なので、別のことを先に書いてしまいたいと思います。    毎度のことですが、ネタバレ当然!、で書いています。 それどころか、「なぜ程蝶衣は死ぬことを選んだのか?」ということにまで踏み込む予定です。  初見の感動を大事にしたい人は、ここで読むのを

ソナタ形式はシンメトリーのたくらみ 其之一【さらば、わが愛〜覇王別姫】《140字の感想文+ 30(今回は字数超過) 》

陳凱歌「さらば、わが愛〜覇王別姫」    うれしいことに、これのひとつ前の記事がコンテンツ会議で紹介してもらえました。  よろしかったらご覧くださいませ。    さて、こんどこそ、この映画「覇王別姫」が「ソナタ形式で作られていること」についての話になります。  このしょっぱなの記事↓で、そもそも「ソナタ形式」という言葉を出したんですけど、  ここまできてやっと、「ソナタ形式」をかたるところにたどり着きましたわよ!    そして、これを読んでいるみなさんは、すで

すべては患者のために《140字の感想文+ 27 》

日曜劇場「ブラックペアン」最終回   ネタバレ注意。       すぐれたテーマ音楽は物語の真髄を過不足なく結晶化させている。異常事態に陥りながらもぎりぎりまで生きようとする心臓、それを生かす神の手、緊迫、拍動、成功の安堵……だが、ずっとなにかが足りなかった。それは、佐伯を信じて現場を去った渡海の父の後ろ姿。足りなかった最後のピースが、やっと。   ブラックペアン 人物相関図 最終回   《140字感想文集》のマガジンもあります。   #感想 #感想文 #日

三声の対位法 其之二【さらば、わが愛〜覇王別姫】《140字の感想文+ 26(今回は字数超過) 》

陳凱歌「さらば、わが愛〜覇王別姫」    前回の記事では、この映画は3つの旋律からなっている、と書きました。  そして、その旋律は、  ①主人公たちの人間のドラマ  ②映画の中で演じられる、京劇の「覇王別姫」  ③軍閥の時代から文化大革命後までの中国の歴史  であって、②の視点からは、この映画は京劇による映画「アマデウス」である、と例えることができ、③の視点からは、京劇の「ワイルド・スワン」である、ということができる、というところまで述べました。    歴史は、主

三声の対位法 其之一【さらば、わが愛〜覇王別姫】《140字の感想文+ 25(今回は字数超過) 》

陳凱歌「さらば、わが愛〜覇王別姫」    ありがたいことに、「おっさんずラブ」のおかげで「GYAO!」というサービスに目が行き、ちょうど折悪しく、この映画が無料で見られて、しかも、1回だけでは世界が把握できず、計3回見てやっと飲み込めてきた、というくらい、複雑な、たくらみに満ちた映画でした。  「おっさんずラブ」は結局1回も見てないけど、「覇王別姫」を1週間で3回も見ることができたのは、ていうか、無料の期間が1週間しか残ってなかったので、突貫工事で3回かろうじて見ること