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オプトーバー8第二回公演「エンティティ・オブザ・デッド」が素晴らし過ぎた話


※以下全て個人の感想ですので間違ったことや思ったままを言っている可能性もありますが悪しからず。

文体も安定していませんがどうぞよしなに。


はじめに。

まあとりあえず何が言いたいかと言えば、
素晴らしすぎるって事だよ。

第一回も観に行ったけど成長度合いが半端じゃあない。



前回の反省点を踏まえてめちゃくちゃ努力して、協力し合って、いろんな人の力をもって作り上げた作品なんだと。

圧倒的な作品の前で立ち尽くすしかなかった私でさえもわからせられた。



脚本の面でも、演出の面でも、演技の面でも。
とにかく全てにおいて数段、いや数十段レベルアップしている。


これからどこまで成長するのだろうか。



第一回公演。ダモクレスの金塊。

荒削りながら初めての挑戦とは思えないほどの完成度。
期待値を大幅に乗り越えられた。


更にあれ以上進化するために彼らがどんな道を歩むのか。

そんな期待に胸を膨らませられた、オプトーバー8としての初めての公演。




そして第二回公演。エンティティ・オブザ・デッド。
こんな程度では言葉足らずになってしまうが、圧倒的な進化。

進化。

進化に次ぐ進化。

彼らはどこまでいけるのか。
果てしなく進化し続けるのではないか。

わずか126席の箱で行われているとは思えない目の前で広がる物語。


こんな小さい劇場では溢れて洪水を起こすほどの才能。

作品としてのレベル。


私がもし演劇に携わる人間なら、たかが芸人がと嘲笑しに行くつもりで見始めただろう。
しかしこの公演を最後まで見ればいくばくかの焦りと嫉妬でその晩眠れなかったのではないか。



ここからは本編の細かい感想などを書いて行く。


※ネタバレ含む可能性も大いにあるのでまだ観てない方はUターン推奨です。
観終わってまた気が向いたら私のクソデカ感情駄文を読みにきてくださいね。
私の素人雑魚立場とか一旦無視して言いたいこと言いまくるので嫌な人は無理せず自衛なりSNSブロックなりお好きにしてください。


まず司場才蔵という男。

底が知れない。

何を隠そう第一回公演・第二回公演共に脚本を担当したのは彼だ。

前回は定点計画を追い始めてすぐの頃だった。
まだラジオも数本しか聴いていなかったし、確か当時はYouTubeチャンネルの開設もされていなかった。

しかも私はコンティ大忘年会での演技に魅了されて箱ちゃんのファンになったので、
定点計画男性陣の事はまだそこまで深く知らなかった。


そんな状態で観に行った訳だが、司場さんの描く脚本には人を惹きつける力が大いに合った。

どうやら過去にも脚本を書いていたことはあるようだが、それらを私が現在見返す術などない。

店の自動ドアが開いた瞬間足を踏み出す間もなく口にステーキを突っ込まれたのかと思った。

いきなり傑作。


何を言っているんだ。


まあこんなおかしな表現をしてしまう程の衝撃だと伝わったのであればそれで良い。


前回も今回もそれだけ素晴らしいのだ。



更に進化した脚本力をいつまでも見守らせてもらえたら幸せだ。






そして演技。
うますぎる。




自ら嫌われ役を買って出て、自分の中の恐怖や葛藤には気付かない様に蓋をする。



特に終盤タバコを吸うシーンでの手の震えなんかには恐れ入った。


自分が数分後には別物に変化するという恐怖。

着実に、そして確実に自分ではない物に変質し制御できなくなってくる身体。

西に遠く置いてきた家族を想う心。

多くを語らず内に秘めるような男が弱っていく様を。

言葉では表さずとも、
勝手に不規則に揺れ動く手と、少しづつ歪む表情で見事に演じていた。



それでも尚、他人へかける言葉は紛れも無いオカダの物であった。



終盤の司場さんの表情、仕草、一つ一つの機微を皆さんにもよく見返してみて欲しい。

とてつもないこだわりが感じられた。



そしてゾンビ化しアナを襲うシーン。

グワッとその巨体をおかしな軌道で持ち上げる様はまさに、まさにの様相を呈していた。


(このまさにはわざと二回書いた訳だ。)




次に明賀さん。


彼は第一回公演でヤンチャな役柄で、怠惰で、直ぐ感情的になり騙されやすい様な男だった。

終盤催眠のシーンで叫びながらはけていくところで彼の振り切り方のうまさを改めて痛感した。

あのあと数日間あの張り裂ける様なイかれた叫びが耳に残っていた。





そして今回。
前回とは正反対の役柄で、丁寧で柔和。
しかし掴みどころのない絶妙に信用できないような雰囲気。


まさに「信仰宗教の教祖」だった。
あまりにも言い得て妙すぎて笑いが止まらなかった。

私はオフローズが一番好きな芸人なのでコント始め様々な媒体で様々な姿の彼を観てきているが、
本当に進化が止まらない。



以前多忙だった為に、本格的にライブに通える様になったのはここ四ヶ月ほどだ。

そのため過去の映像やファンの方々の感想からしか昔の状態はわからない。


それでも、ここ四ヶ月の中でも、多大な成長をしているのかが手に取るようにわかるし、
それこそオフローズのYouTubeチャンネルに上がっているネタ動画と比較して見れば一目瞭然だ。



明賀さんは演技の幅が本当に本当に広い。


普段から老若男女様々な役をこなす彼だからこそ様々な性格を演じられるのだろう。

その幅が広がっていっているのを感じたし、
一つ一つがより深められている。



中でも情熱的に激しく声を荒げる様な演技を求められることも少なくないと感じている。

以前は激しさ故、
命を削った演技ゆえに、
呼吸音が鳴りすぎたり仕草全てに気を配る余裕はなさそうであったり、
少しの粗はあった様に感じる。


しかし、あの頃のまだ磨かれていない荒削りな原石の様な演技も大好きだ。

まっすぐな竹のような演技。生えっぱなしで全く加工されていない竹林の雑然とした美しさと言ったところだろうか。



今回の演技では柔和な役柄ながら感情を昂らせるシーンがいくつかあった。



中でもオカダに銃を向けるシーン。

息遣い、
声の震え、
怯えながらも強い意志を持って燃えている目。



鳥肌が立った。

今まで見てきた中で一番心揺さぶられた演技だった。

開いた口が塞がらずただただ息を呑んで見守るしかなかった。


記憶を失った教祖の中で、
様々な感情が揺れ動く様。



こんなにも難しい役柄はそうないのではないか。

もしかすると将来とんでもない役者になっている可能性もあるのではないかとさえ思ってしまった。


記憶を取り戻してから、
それを起因としてすぐに儚く散ってしまったのも、
教祖を良い締めくくり方で終わらせられたのだと思う。

まあそんな結果論を言っても非検体にされて散々な目にあった教祖は救われないのだろうし、
いつまでも青白い顔であの世界を彷徨うのだろうけれど。



その後物陰からゆらゆらと出てきて司場さんに襲いかかるのも本当に恐ろしくて上手だった。

エンドロール後のゾンビ化したシーンでは立ち上がり方が普通の人間には再現できないような動きで、
いかにもウイルスに侵され人ではなくなってしまったモノの動きだった。

そして彼の運動神経の良さが垣間見えた。


大見得を切って出ていった直後、
タライが落ちた
SEがかかった時は本当にお腹が捩れるほど笑った。


あまり笑ったりするような役柄では無いので、
笑いを堪えて顔面がピクピクしている時が何度かあって流石に愛おしかった。(笑)



あとポイントさんの唾指摘シーンはシリアス展開が続き始める前に一回肩の力が解れて、本当にナイスアドリブだった。

免疫がある状態→撃たれて亡くなる→ウイルスが活性化してゾンビ化→撃たれる


という段階を踏んだのにも関わらずエンドロール後にまた復活してたのは親株だからなのか?

いや、レッドに撃たれたオカダも同時に復活していた。


という事はあの世界線のゾンビは一度頭を撃ち抜かれたくらいでは絶命しないのか?


それともあの二人の身体を巣食うウイルスが極めて親株に近いのが要因なのか?



考察は尽きない。






次に宮崎さん。


宮崎さんはどうやら演技っぽい演技には苦手意識があるようだが、
彼独特の型にはまっていない砕けたような淡白なような演技は、
オフローズのネタをやる上でとても重要だ。

それがオプトーバー8でも存分に活かされている。


前回の皮肉っぽい演技も、
今回の好きな物に目をキラキラと輝かせ期待に胸を膨らませる少年の様な演技も、
宮崎駿介自身の特徴を濃縮還元したような味わい深さがあった。

多かれ少なかれ、
どちらも宮崎さん本人の中にある一面なのだと思う。



そもそも独特な方なのでそれを演技に昇華したらそりゃあ最高な物になるよなという感じではあるが、
オプトーバー8で魅せる宮崎さんの姿はより一層際立って素晴らしかった。




映画監督という役自体とてもハマり役だと思うし、
中でもゾンビ映画にこだわり続けるオタク気質な所が宮崎さんの良さを引き立たせていたように感じる。


宮崎さんがちょける役なのも少し新鮮で楽しかった。

監督、本当に愛すべきキャラクターだったなぁ。




次に箱ちゃん。

箱ちゃんの演技の上手さは言うまでもない気がするが、
流石演技を学んでいただけあって、
様々な表現を場面毎に駆使していた印象が今回は特に強い。


ハツラツとした、光をみて生きている様な役柄

アイドル、九楽アナ(くらくあな)と言う名前の通りファンと苦楽を共にしたい、
光の分だけ広がる影にも目を向けてを差し伸べようとする。


無謀とも純粋とも言えるような若い力


それを見事に演じていた。


自分よりも何回りも大きな男性にも、
怯えながら勇気を出してハッキリと意見する姿。


会ったばかりの人間にも愛情深い言動


演技だと、あの人間は実在しないのだと分かっていても、
応援したくなるようなひたむきさがあった。

彼女の言動を心の支えにしたくなった。

9楽アナという存在を作りあげてくれたオプトーバー8の8人に心から感謝したい。

特技が大声の伏線回収した瞬間、
見ていてめちゃくちゃ気持ちよかった。

シンプルな作りでもあんなに気持ちが昂った。




あとシンプルに箱ちゃん可愛い!!!!
キャスト全員出てきてくれた時なんかほんと可愛かった!!!




次はポイントさん。


本当に演技が上手い。

やはり演劇の経験を積んでいるだけあって、
コント演技とは少し別の軸で必要になってくる間がとにかく上手い上手い。


他の人が話している瞬間でもふと村田さんを見るとちゃんと役入った反応をしているのが流石だと思った。


マッドサイエンティストと呼ばれるのを異常に嫌がっていたのは、
上司の言いなりになって罪のない人を犠牲にしてきた罪悪感だったんだろう。



それを唯一生き残った非検体から言われたものだからそれはそれはたまったものではないだろうな。



竹内さんと息ピッタリのシーンがあって、
最高のコンビ過ぎてそこに笑ってしまった。





ポイントさんは経験を沢山積んでるのを生かして稽古の時も沢山アドバイスとかしてくれてたのかな。

オプトーバー8、本当に全員が欠かせない存在なんだろうな。大好きだ。


マサくんにはマサくんなりの想いがあったんだろうな。確かにあの時あそこにマサくんという人間は存在していた。



つぎはカンノさん。


カンノさんの演技は本当にお笑いである事いつでも思い出させてくれて、
一般の演劇ではなくお笑い芸人がやっている演劇だと思い出させてくれる。


オプトーバー8にはなくてはならない存在だと思う。(全員そうなのは当たり前だが)


カンノさんの表情が素晴らしいと我が家では専ら話題なのだが、
これは本当に本当にそうで、
オフローズの中では表情のレパートリーが少ないと言われているもののその弄られているという事実まで含めて面白い。

カンノさんの弾けるような能天気な表情や仕草はそう簡単に真似できるものではないと思うし、
刑事役などで出るダンディーな演技もしっかりこなして実際似合っているのだからことさらすごい。



軍曹はズッコケで能天気な感じがあるが、
そんな存在が居たからこそBAR TKの中の雰囲気が和んだ瞬間も実は沢山あったんだろう。

良くあるゾンビものではああいうお調子者キャラが真っ先にやられがちだが、
最後まで生き残ったのもなんだか嬉しかった

今この瞬間もあの世界線で楽しく、
文句を言いつつわちゃわちゃやっていてほしい。


数多くいる若手芸人の中でもああいう役をやらせたらカンノさんがピカイチなのではないか。

そう思う程彼の演技が大好きだし応援してしまう。



猟銃を構えた軍曹と叫ぶレッドのやり取りがめちゃくちゃ面白かったし、
コンティ大忘年での骸骨を押し付け合うシーンを思い出して余計に面白かった。


あの二人、あのタイプのくだりをやらせたら天下一品かもしれない。






次に三部さん。


三部さんもふとした瞬間の仕草が完全にTKで素晴らしかった。


特に自分に話が振られていたりしないときに普通にコップから飲み物を飲んだり、
気まぐれにふらっと数歩立ち位置を変えてみたり、
完全にあそこにTKという人間が生きていた。存在していた。


どこにでも居るただのチャラいバーテンダー。


ただ偶然ゾンビパニックの渦中に位置したBAR TKの店主だっただけ。

当たり前に日々を生きて居る一人の人間として、
いつも通りの店主としてあの場に立って居るように見えた。


そんな風に観客に感じさせる演技をしているのは、
目立ちはしないしもしかしたら評価されづらいのかもしれない。

でもすごいことなんだ。
気付かれないほど自然なんだ。


さりげなく会話に口を挟んだり立ち方ひとつ
さえも完全にTKという人間だった。


三部さん自身がバーテンダーをしていたのもあってあそこまで板についていたのだろう。

しかし普段コントを見ていると彼の演技力は経験がない物にも適用されているように思う。

定点計画。どうなっていくのだろうか。本当に目が離せない。






次に竹内さん。


オタクの本気の戸惑いがあまりにもうますぎて衝撃だった。

おそらく私も推しとあの様な状況になれば支離滅裂な言動をするだろうし、よく観察しているんだなぁと感心した。

やり過ぎなくらいがちょうどいいという感じで見ていて本当に楽しかった。


必死にアナを守ろうとする仕草が哀れで愛おしい役柄だった。

ラストシーンでハッキリと強い男に変化したのが物語の完成度を引き締めていて、
尚且つ笑いで落としてた表現があまりにも上手かった。




今回の公演は前回よりも照明や音響を使っていて表現の奥行きがかなり広がっている様に感じた。

稽古やリハや打ち合わせも相当重ねたんだろうなぁ。

衣装も役柄に相当合っていたし。






…とこんな感じで好き勝手書いてきたが、
まだまだ考察し足りないので配信を買い台本を見直し、
まだまだこの素晴らしい「エンティティ・オブザ・デッド」を骨の髄までしゃぶり尽くそうと思う。



最後に届くかはわかりませんが演者、スタッフの皆様へ。


本当にお疲れサマンサベガ。

そして、こんなに素晴らしい体験をさせてくださってありがとうございました。

今後も末長くオプトーバー8が続き、発展していく事を心より祈っています。

とても素敵なフライヤー
白飛びズ
Twitterで見かけた振り向く方向の考察が天才すぎて頭抱えました

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