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この世界の、不完全は美しい。

1

「付き合ってください」

彼女は俺に…そう言った

○)…あぁ…えっと

目の前にいる彼女は

クラスのアイドルと言われている…

井上和という少女だった

2

クラスのアイドルだったり…マドンナだったり…と色々な呼び名がある彼女は

それだけ可愛いと言われているということである

実際…目の前にいる彼女は可愛いのだけど…俺は…

○)…ええっと

乗り気というわけではなかった



3

答えは単純で、俺は彼女と付き合いたいと思っているわけじゃないから

タイプじゃないとか…ではない

目の前にいる彼女は俺のタイプの女の子…だけど…

俺はどうしても、彼女と付き合えない

だから、意を決して言うことにした

4

○)ごめん、君とは付き合えない

和)…そうです…か

明らかに落胆する

流石に罪悪感があったので、俺は言葉を吐く

○)まぁ、でも井上さんみたいなクラスのアイドルには俺みたいな奴は似合わないよ💦

和)私の大好きな人を否定しないでください!

と言われてしまった

5

あまりにも真剣な眼差し

本当に好きなんだろうな…嬉しいのだが俺には付き合えない理由があって

なんて考えていると

和)絶対諦めませんから!好きにさせてみせます!

○)…ひとつ聞きたいことがあるんだけどいい?

6

和)なんですか?

○)なんで井上さんは俺の事を好きなったの…?

和)…

○)これまで…関わったこともそんなにないし…さ

和)…内緒です///

頬を赤く染めて言う

和)…えっと…また、明日…///



7

そう言って井上さんは帰ってしまった

○)…クラスのヤツらにバレたら…ボコボコにされるな…

1人つぶやくのだった

翌日

特に変わったこともなくいつも通りの日常を過ごしていた

8

席は窓側の1番後ろ

誰とも話すこともなく小説を開く

これが俺の日常である

こんな生活を送っているため井上さんと話すことも少ないし…

そもそもクラスの人とも話すことがほとんどなかった

9

授業が始まり、2人組のグループワーク

ぼっちには辛いことなのだけど

○)池田さん一緒にしない?

隣の席の同じぼっちの女の子に声をかける

瑛) コクッ

無言で頷く

10

2人組といっても話すことも特にはなく

淡々と作業を続けていた

池田瑛紗さん、美術部に所属をしていて

なんか賞を取って頻繁に表彰をされてるのを見る

○)…

瑛)…



11

終始無言のまま、授業は終了する

○)課題出してくるから貰っていい?

瑛) コクッ

不思議な子だな〜なんて心中で考える

?)あっ、筒井くん出すなら貰っちゃうね

○)一ノ瀬さん、ありがとうございます

12

美)どうも〜…後で飲み物奢ってね♡

○)…アハハ

冗談にうまく対応できない…これだから陰キャは…自嘲気味に苦笑をする

「美空〜!」

クラスメイトに呼ばれて一ノ瀬さんはその場を離れる

無事に授業も終了し、頬杖をついて小説を読む



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「○○〜!!!」

俺の名前を叫びながら教室へと飛び込んできた

○)…咲月うるさい

咲)○○…ジャージ貸して!忘れた!

○)…アホか

咲)ロッカーの中ある?

○)…勝手にとってけ

終始、ハイテンションの咲月に呆れつつジャージを貸す

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咲)…デカすぎ

○)そりゃ、男子のだからな

咲)彼シャツみたいじゃない?笑

○)…はぁ

咲)なに?あまりの可愛さにため息が出ちゃった?笑

○)バカ言ってないで早く行ってこい

咲)ヤバっ…あと5分じゃん💦

まるで嵐のように過ぎ去っていった



15

周囲の視線を浴びながらまた、小説を読み進める

和)…むぅ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

時間は進み、放課後になる

夕日が教室に差し込んでおり、教室には俺以外は誰もいなかった

小説をキリの良いところまで読もうと思っていたら…いつ間にか…こんな時間に

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○)…早く帰ろ

時刻は17時をすぎていて、時間的には部活動を活発的に行っている

○)…

階段をおりて、昇降口へと向かう

俺の下駄箱の前には…知ってる顔があった

○)…井上さん?

17

和)あっ、筒井くん

○)そこ…俺の下駄箱なんですけど

和)知ってますだから…待ってました

○)な、なるほど…

和)とりあえず…着いてきて貰えますか?

そう言って井上さんは俺の手を引っ張る



18

空き教室のドアを開け

和)…

○)…井上さん?

和)フフフッ…

井上さんは俺に覆いかぶさった

覆いかぶさった?

○)ちょっと…何して💦

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井上さんは馬乗りになり…顔を俯かせていた

○)あの…井上さん?💦

和)筒井くんは…私をどうにかさせたいんですか?

○)えっ?

弱々しく呟く

20

和)筒井くんは私に嫉妬させたいんですか…

○)…

和)私の告白は理由も言わないで断っておいて…池田さんとか一ノ瀬さんとか…

和)菅原さんとあんなに仲良さそうに話して…

和)…このままだと…私嫉妬でどうにかなっちゃいますよ

○)…いや、その💦

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和)付き合えない理由ってなんですか?…言わないと…私もう止められませんからね

○)…

言うしかないのか…こんな馬鹿げたことを…

和)言わないんですか?

○)…昔、好きだった人がいたんだ

○)そいつと大人になったら付き合おうって約束をして…その約束があるから…俺は誰とも付き合わないんだ

言葉を紡ぐ

22

和)そうなんですね…なら

○)…バカバカしいだろ…子供の頃の約束を未だに守ってるんだよ…こんな男なんかさ

和)…だから、私の好きな人を否定しないでください

前とは違う、優しく微笑んで言う

和)ぜったい私に振り向かせてみせますから…ちゃんと見ててくださいね

23

井上さんは俺から離れてドアノブに手をかける

○)…

和)私筒井くんが思ってる以上に筒井くんのこと大好きなので

ガチャ🚪

○)…そうですか…はぁ

今日は無駄に疲れる1日だった



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これからどうなるのだろうか…なんて思いながら帰宅する

○)…

ほんとに俺は落ちてしまうのだろうか

何も分からないけどただ…

夕日に照らさせる井上さんの顔はすごく綺麗だなと心の底から思うのだった

To Be Continued…?

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