カネザシ ユウキ

公立中学校の教員です。大学を出て電機メーカ→損害保険会社→教員に。サラリーマン出身で営…

カネザシ ユウキ

公立中学校の教員です。大学を出て電機メーカ→損害保険会社→教員に。サラリーマン出身で営業経験12年の異色の教員として現場で働いています。学校の先生としてのスキル、チーム構築、幼児教育から社会教育など、人と組織と教育に関心があります。

最近の記事

【学校】先生の話を信じてはいけない。

私は中学校で社会科の教員をしています。 授業などで、ここぞという時に、いつも生徒に対して真剣に言っていることがあります。それは「私の話を信じてはいけない」ということです。 年に数回ですが、これをめちゃくちゃ本気で真剣に生徒たちに語ります。生徒たちは、ふざけずに、いつも真剣に聞いてくれます。 1.生徒に伝える話2.目的こんな感じで、生徒たちに話をしています。  私は、生徒が大人になった時、上から言われたことを疑問を持たずに、そのまま信じるような人になって欲しくありません。役

    • 【学校】コロナ対応の変化を、一人の教員として生徒に謝ってみた話。

      1.コロナ後の現在中学校で働いている教員です。コロナ騒動も2023年4月からやっと終わり、学校は日常を取り戻してきています。私自身も4月以降は、学校では全くマスクをしていませんし、それが学校でも推奨されるようになりました。  しかし、3年間続けたコロナ対応はとても長かったため、この2023年夏の暑い時期でも、いまだに全くマスクを外せない生徒が多くいます。マスクしなくても良いのだよと言っても、外せない生徒がたくさんいます。  学校での3年間のコロナ対応によって、子どもたちにも

      • 仕事に向き合うと、見える範囲が広くなる。そして立体化し複雑化していく。

        少し抽象的ですが、仕事について思う事です。  仕事をしていると、見える範囲が、まず横にどんどん広がっていきます。自分を取り巻く仕事や周りの人など、様々なことが見えるようになります。物理的に見えるのではなく、気づくようになります。気づくことで、より良い仕事ができるようになります。  そして、仕事で気づく、見える範囲がとても広くなった時、次の段階に入ります。  それは、縦に深く見えるようになっていくのです。全体や周りが見えた上で、自分の中の仕事の本質とは何かを考えて、縦に深く見

        • 感動して泣ける仕事

           先日、教員として勤務している中学校で、運動会のような行事がありました。(コロナの影響で運動会のような学年別の行事となっています。) 秋晴れの晴天のなか開催されたその運動会で、クラス対抗の全員リレーがありました。今年はなぜか、その全員リレーを見ている時に、私は感動して号泣してしまいました。  自分でもびっくりしました。毎年やっていますが、全員リレーを見て泣いたのは初めてのことです。みんなが楽しくリレーをやっている横で、担任でもないのに、なぜか号泣しているおじさん一人。とて

        【学校】先生の話を信じてはいけない。

          あいさつの魔力

            私は、中学校で教員をしています。教育現場では、「あいさつ」が本当に大切だと思っています。たぶん、誰もが「そんなことは当たり前」だと思われるかもしれません。しかし、みなさんが当たり前だと思う以上に、教育現場において「あいさつ」は効果があると思っています。  あいさつは、相手の心を開き、相手との関係を作り、相手との信頼関係を作るために、劇的な効果があります。しかし当たり前のことだけに、このあいさつに、本気で真剣に取り組んでいる人は少ないです。誰もが、なんとなくあいさつをして、

          あいさつの魔力

          教員という仕事は面白い

            「教員免許更新制が廃止になり、新たな教員研修制度のガイドライン作成をしている。教員の質保証に重点を。」という記事を読みました。 教員免許更新制度は本当に形だけの制度だったので廃止は当然です。しかし新たな教員研修制度ってなんでしょう?これも、効果なく形だけになりそうなのでやめた方が良いと思います。 それならば、どうすれば教員の質を上げられるのか? それは非常に簡単なことです。それは、教員の採用試験の倍率を上げればいいのです。人気の職業に近づけばいいのです。そうすれば自然に

          教員という仕事は面白い

          教育と費用対効果

           民間企業で12年間営業をやっていました。そんな私が学校の教員となって思ったこと。  あまりにステレオタイプな言葉で恐縮ですが、やはり古いな、非効率的だな、と思いました。比較をしてもしょうがないのですが、学校は、仕組みとして効率的ではない部分がたくさんあります。だから、様々な面で改善の余地は多くあると思いました。  しかし、今日言いたいことはそれではありません。そんな風に非効率だな、と思っていた私が、教員の仕事をしていくなかで、 「教育とは、効率化などの市場経済の論理とは相

          教育と費用対効果

          生徒を子ども扱いしない。一人の対等な人間として意識する。

           これは教育の現場で働いている人にとって、非常に大切なコンセプトだと思います。人は誰でも、一人の対等な人間として扱われたいです。それが人と人との関係の基本です。  子ども扱いするということは、自分よりも弱いもの下のもの従うものと見ていると同じです。相手を尊重しているとは思えません。  生徒を、一人の人間として尊重し、対等に扱うこと。言葉にすると、そんなこと当たり前のことだと思われるかもしれませんが、実際に、学校でそれができている教員は、少ない気がします。  そもそも、教員自

          生徒を子ども扱いしない。一人の対等な人間として意識する。

          教育では「面白がる」ことが大切

           先日、娘と一緒に公園に行きました。初めて行く大きな公園でした。そこで、娘が遊んでいるのをぼーっと見ていました。そしたら、3才くらいの女の子が、祖父母と一緒に公園に来て遊んでいました。きっと孫の面倒を見てくれているんだと思って、ほのぼのとみていました。その女の子はずっと公園に落ちている木の実を拾って集めていました。めっちゃ集中して黙々と拾っていました。うちの娘も木の実をたくさん拾って遊んでいたので、私もその女の子の様子を見ていました。  そしたら、その子のおばあちゃんが、そ

          教育では「面白がる」ことが大切

          生徒を成長させる話 <言葉遣い>

          私は中学校で、生徒に対して、「カッコいい大人になろう」と伝えています。でも「カッコいい大人」って何でしょう?自分でもいつも迷い考えています。 さて今日は、まだあどけなさの残る中学1年生に対して、「言葉」について、よく伝えている内容を書きます。 『やはり言葉って難しいですよね。みなさんの中には、思ったことをなんでも口に出して言ってしまう人がいます。もちろん気持ちはわかるよ。思ったことを言いたいよね。でもね、それは公の場では、やめてください。だってあなたが思ったことをそのまま言

          生徒を成長させる話 <言葉遣い>

          人間関係のアドバイス <生徒向け>

           今日は、中学校で生徒に伝えている人間関係のアドバイスを書きたいと思います。 『私は、この集団(学年・学級)の全員が嫌な思いをしないようにしたいと思っています。きっとみなさんも嫌な思いはしたくないと思います。ではみんなが嫌な思いをしないためには、どうすればいいと思いますか?難しいよね。でもその難しいことを実現していきたいです。ぜひ自分でどうすればいいか、考えて行動してみてください。 さて、学校では人間関係のトラブルは当然あります。でも私はそれでいいと思っています。トラブル

          人間関係のアドバイス <生徒向け>

          良い組織を作るために。<学級開き>

          学校、企業、家庭、友人などいろいろな人間関係や組織があります。最近、ビジネスでも組織論が非常に注目されています。私も「心理的安全性」などを勉強して、学校現場での心理的安全性をテーマに論文を書いてみたりしました。どんな組織であれ、重要なことはすべて同じだと思っています。  それは「相手を大切にする」ことです。私は「相手を大切にする」ことですべての組織は良くなると考えています。少しでも相手の視点を理解し、尊重し、大切にすることができたならば、組織は改善され、良いチームになれると

          良い組織を作るために。<学級開き>

          【教育】視点を提示すること。

          学校の先生として、学級づくりや指導でとても大切だと思っていることは いろいろな「視点」を提示することです。 「視点」を提示する。 生徒は、一面的な見方や感情で固まっていることが多いです。 そんな生徒に、ちょっとだけ違う視点を提示するだけで、気づきになり 考えや見方が広がることができます。 「相手からこんなひどいことをされた。相手はひどい」 ⇒なぜ相手がそんなことをしたのかな?相手の視点 「親がしつこく言ってきてうざい」 ⇒親はなぜしつこく言うのかな?あなたが心配なんだ

          【教育】視点を提示すること。

          【教員】良いクラスを作るために

          前回「良いクラス」とは「信頼関係があるクラス」だと書きました。 そもそも、信頼関係って何でしょうか?辞書では  信頼=信じて頼ること。頼りにできるとして信ずること。 具体的には、クラスには嫌な人、支援が必要な人、多様な人がいるなかで、それでも相手のことを「しょうがないな」と思い、相手を受け入れること。お互いに一人の人間として認めることができていることが、クラスの信頼関係だと考えます。ではどうやれば信頼関係を作れるのか?私が教員として「信頼関係を作る」ために心がけていることを

          【教員】良いクラスを作るために

          【教員】「良いクラス」とは何か?

           学校の教員をやっていると、担任をやっていれば、誰でも「良いクラス」にしたいって思います。私も担任として、自分のクラスを良いクラスにしたいと思っています。では、良いクラスって、何でしょうか?  あなたにとって、良いクラスって、何でしょうか?  クラスも一つのチームと考えれば、「良いチーム」とも言えるかもしれません。まあでも教員であれば、誰もが「良いクラス」のイメージや目指すところを説明することができると思います。  例えば、規律、協働、助け合う、行動力、主体性、自主性、

          【教員】「良いクラス」とは何か?

          【教育】自分がどんな存在でいたいか?

           自分が、教室で、子供の前で、どんな存在でいたいのか、それを常に考えることが、自分の仕事のレベルをあげてくれる。  教育を仕事にしていると、ついつい、相手をどう変化させたいか、相手をどう変えたいか、にフォーカスしてしまう。  しかし、相手をどうかしたいと考えると、相手がいることだから、うまくいかないことが多く、望む結果には近づくことができない。基本的に相手を変えることはできないのだ。  だからこそ、自分にフォーカスする。自分は相手にとって、どんな存在でありたいのかを考え

          【教育】自分がどんな存在でいたいか?