(元メンバー)BNIという組織について
おはようございます。
突然ですが皆様はBNIという組織をご存知でしょうか。
ご自身で何かビジネスをやっている人であれば、
知人などから「BNIという人脈を広げる朝会があって・・」という風に
参加の声がけをされたことがある、という方も多いかと思います。
さて、そこでネットでBNIとGoogle検索すると、
「BNI 気持ち悪い」「BNI ネットワークビジネス」などと
ソッコーで不穏なワードが出てきます。
警戒センサーがいきなりMAXになりますね。
今回は、実際に1年ほどメンバーとして活動していた私が
BNI活動を通じて感じたことを書いていこうと思います。
(※BNIを批判する意図も推奨する意図もなく、とにかくやってみた私の感想です)
初めに:BNIとは
1985年にアメリカで設立され、現在では全世界70か国に9,700を超える『チャプター』と呼ばれる、個別のチームのようなものが存在します。
会員数は28万人。
地区によって「リージョン」という中規模のまとまりがあり、
その中に「チャプター」が5〜10ほどあるようなイメージ。
一つのチャプターでは平均30人〜50人ほどが活動しており、
メンバー数が100人を超えるような大きなチャプターもあります。
基本的にはこの「チャプター」の中で毎週ミーティングが行われ、交流を深めて紹介を出し合うという仕組みです。
・ちなみに私が所属していたチャプターはかなり規模が大きく、
メンバーは常に100人を超えていましたが、オンライン開催でしたので
正直覚えられる人は常に30人が限界でした。
思想:ギバーズゲイン
そして、このBNIの活動をする中で毎週毎週聞くことになる、
BNIの中核として掲げられている考え方がこの「ギバーズゲイン」です。
日本語にすると、「与えるものは与えられる」です。
出会う人に良いものをもたらし続ける(giveする)ことで結果的に
自分自身に返ってきて多くのものが得られますよ。といった考え方。
これは活動中繰り返し聞かされ、後でも触れる会員のノルマである
「リファーラル」「学習」「ビジター勧誘」がそのgiveに当たります。
会員はお互いのビジネスが発展するように互いに協力的に努力しましょうね!というような、いわば社訓のようなものです。
ここまで聞くと、とても優しい人が集まっている会のように聞こえますしなんだか自分の仕事にもメリットが多そうですよね。
では私が辛かったことをお話ししていきます。
ノルマ・成績のようなものがある
BNIが「なんだか怪しいビジネスコミュニティ」と思われる最大の原因がこれではないかと思います。
メンバーはお互いのビジネスを発展させるため「リファーラル」と呼ばれる「人の紹介」を出し合うのですが
毎週の定例会でそれを発表する時間があります。
その際に「今週は忙しくて紹介を出せませんでした」は許されないので
最低でも一件、推奨は2件以上の紹介をメンバーに出す必要があります。
実際に私は、入会してすぐの頃にその週にリファーラルを一件も出せなかった人を見たことがあるのですが
通常、発表後「よっ!」といった大きな掛け声があるのに関わらず
その時は、全員が無言で真顔でしたのでズーム上でも空気がピリつくのを感じ、恐怖を覚えました。
なので活動中は余裕があるときに多めに紹介をしておいてストックをつくり、小出しにする作戦をとっていました。
どーーしても厳しい時は販売系のメンバーの商品を買ったり(私自身はいらないので知人に贈ったり)、飲食店メンバーの店を利用するなどしたこともありましたが、なんとか毎週紹介2件はキープしていました。
正直な話をすると、私の場合ポジティブな理由のみでそれをしていたというよりは少なからずノルマだと感じていた部分が大きかったと思います。
そして、そのような個々の努力は「トラフィックライト」と呼ばれる個人成績のようなものに反映されます。
最高得点を100点とし、
・紹介を出している数
・ビジターの誘致
・BNI独自の学習システムへの参加
・欠席・遅刻などがないか
などを点数化して「誰がどれだけ積極的に貢献をしているか」を可視化したものになります。
この点数が高ければ高いほど、BNI内での評価が上がり信頼度が増すので
その分紹介を受け取るチャンスも上がるとされています。
また、この点数が70点以上ないと、年次ごとの更新ができないなどの制約もありましたので
必然的にメンバーはなんとか点数をキープしようと行動していましたし
点数を上げるための指導が入ることもありました。
専門用語が多い
これまでお読みいただいて感じている方も多いと思うのですが
とにかく専門用語が多いです。
なので、入会した直後は
このような専門用語を含む、BNIのルールやシステムについて
そこそこのボリュームの動画学習を終わらせることが初めに課せられます。主要メンバーとの面談なども含めると、だいたい12時間くらいは取られる事になります。
入ってすぐにメンバーと自己紹介しあえるというわけではないので
入会を考えられている方はそこは留意しておいた方がいいです。
とにかく時間を費やす
これは本当に実感したところで、とにかく時間が取られます。
前述までの、定例会・学習システムの受講に加えて、
毎週の少人数チームでのミーティングや
割り当てられた各種役割やそれに伴うミーティングや作業ももちろん、毎週のようにあります。
BNIでは、積極的に貢献する事を求められるので断るのは
任意とはいえ断ることは得策ではありません。
実際どうなのか
ここまでお伝えしてきて、「なんだか大変そうだ」と思う方がほとんどだとは思うのですが、
実際に紹介はいただくことも多くありました。
しかし、やはり「ノルマ」がかかっているので
純粋な顧客というよりは、協業できそうという名目で同業者を紹介されることが多く、
見入りと拘束時間を比較してみると得なのか損なのか、なんとも言えない結果になりました。
とはいえ活躍している方もたくさんいましたし
ビジネスが大きく回っているという話も聞くことはあったので、そこは個々の合う合わないだったりが大きいかもしれません。
おすすめの業種
BNIのシステム上、周りやすい業種というのもある程度存在します。
まずは、飲食店。
食事をするだけでリファーラルになるので、メンバーの出入りは確実に増えます。
飲食店が少ないチャプターを選ぶとみんなこぞってリファーラルをあげるために来てくれるでしょう。
おじさんが多いので居酒屋なんかは特におすすめです。
次に、建築・建設業。
これは同業者同士のリファーラルが出しやすいことが大きく関わっています。
また、工事代金の売上が大きくなりますので
与えた利益額も大きくなりやすく、メンバーからの賞賛も受けやすいのでおすすめです。
あとは整体、パーソナルジムや美容関係など。
メンバーが来てくれるのはもちろん、友人にもおすすめしやすいので新規顧客の獲得は多くできるようです。
逆に、どうなんだろう?という業種は
投資関係や不動産、人材業、保険です。
これらはたくさん人数はいるものの、利益を出すまでが大変な印象です。
単価が高いビジネスはやはり、日々のノルマや貢献をこなして信頼を得たり、役職に就くなどしてよっぽど目立つことが出来ないとなかなか利益につながる紹介は得にくいと考えてもらっていいと思います。
最後に:やってみた感想
ここまで長くなりましたが、
私が一年弱続けてみた最終的な感想は
「うまく使えばいいのかもね」です。
私自身は、あまり会での評価とその人自身への興味が結びつかないタイプだったので
たくさん貢献をしている人が賞賛されている中でも「へぇ、、、」という感情しか湧きませんでした。
「たくさん紹介を出しているからこの人はとても素晴らしい人だ!この人に貢献したい!」とはならなかったんですね。
個人プレゼンテーションで熱い思いを語られても、過去を乗り越えた話を聞いてもなにも心は動きませんでした。
一方で、何人か興味のある人はできましたが
たまに飲みにいくくらいで、それ以上でもそれ以下でもありません。
お仕事はたまに紹介できそうであればする、といった関係ですがその方が私には自然な気がして。
また、同年代の起業家仲間もいるので
そっちの方が自然な付き合いが出来ること、なんだかんだで身入りになってることを考えると
お金と時間を払ってノルマに追われて会に参加する意味がわからなくなったので、退会しました。
こればかりは価値観的にも合う合わないがあると思います。
使う人と参加態度によっては実際、意義のある会にもなり得ますので、
怪しいから辞めとこ、ではなく一度ご自身で見学などして体験されてみることをおすすめします。