FXトレーダーがマスターすべき相場分析の法則 - ダウ理論とエリオット波動の活用術



為替相場の動きを的確に捉え、勝ち続けるためには、様々な相場分析手法を習得する必要があります。その中でも特に重要なのが、ダウ理論とエリオット波動理論です。

これらの理論は、株式市場の分析に始まりましたが、現在ではFXトレードにも広く活用されています。値動きの傾向を見極め、適切なタイミングでエントリー・決済を行うことができるので、確実に利益を積み上げていくことが可能となります。

しかし、ダウ理論やエリオット波動理論は難解な部分も多く、初心者にとっては理解が難しいかもしれません。そこで本記事では、これらの理論の基本から応用まで、具体的な活用方法を丁寧に解説していきます。

FXトレードの勝率を劇的に高めるための、必須の知識が詰まっています。ぜひ最後まで読み進めて、相場分析の達人になりましょう。

ダウ理論の基本と6つの法則

ダウ理論とは、1900年代初頭にアメリカの経済ジャーナリスト、チャールズ・ダウによって提唱された相場分析の理論です。

株式市場の動きを分析するために考案されましたが、現在ではFXトレードにも広く活用されている重要な理論の一つです。

ダウ理論の特徴は、相場の動きを6つの基本的な法則に基づいて解釈するところにあります。これらの法則を理解し、実践に活かすことで、トレンドの発生や転換をタイムリーに捉えることができるのです。

1. 価格は全ての事象を織り込む

ダウ理論の第一の法則は、「価格(為替レート)には、あらゆる経済指標や政治・社会情報などが反映されている」ということです。

つまり、現在の為替レートには、過去から蓄積された様々な情報が既に織り込まれているということ。そのため、テクニカル分析によって、将来の値動きを予測することが可能になるのです。

2. トレンドは3種類ある

ダウ理論では、相場のトレンドを以下の3つに分類しています。

  • 長期トレンド:1年から数年継続するトレンド

  • 中期トレンド:3週間から3ヶ月継続するトレンド

  • 短期トレンド:3週間未満のトレンド

これらのトレンドは、互いに関連しながら連続して発生していきます。たとえば、長期トレンドの中に中期トレンド、さらにその中に短期トレンドが現れるといった具合です。

3. トレンドは3段階ある

ダウ理論によると、トレンドには以下の3つの段階があると説明されています。

  1. 先行期 - 少数の先行投資家が底値で買ったり、天井から売ったりすることで、価格に緩やかな動きが出る時期

  2. 追随期 - 先行期の動きに市場全体が追随して、急激な価格変動が起きる時期

  3. 利食い期 - 先行期にエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期

トレンド発生の初期段階では、まだ多くの投資家が参入していないため価格変動は緩やかですが、徐々に投資家が増えていくにつれて、変動幅が大きくなっていきます。

4. 平均は相互に確認される

ダウ理論では、相場の動きを分析する際に、複数の指標や通貨ペアを確認する必要があるとしています。

たとえば、ドル円の上昇トレンドが確認できても、ユーロドルの動きが逆行していては、信頼性が低くなります。複数の指標やペアで同じ方向性が確認できるかどうかをチェックするのが大切です。

5. トレンドは出来高でも確認できる

ダウ理論では、出来高の動きもトレンドの判断材料の一つとされています。

通常、相場が上昇傾向にある時は出来高も増加し、下降傾向にある時は出来高も減少する傾向があります。そのため、出来高の推移を併せてチェックすることで、より確実なトレンド判断ができるとされています。

ただし、FX市場では出来高を正確に把握することが難しいため、この法則の適用には注意が必要です。

6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論の最後の法則は、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」というものです。

具体的には、上昇トレンドでは安値が切り下がる、下降トレンドでは高値が切り上がるといったシグナルが発生するまでは、トレンドが継続していると判断するというものです。

これらのシグナルが出現した時点で、トレンドが転換したと捉えることができます。

エリオット波動理論の基本

ダウ理論とともに、FXトレードで活用される重要な相場分析手法がエリオット波動理論です。

エリオット波動理論は、アメリカの株式アナリストであるラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した理論で、相場の動きにはある一定のパターンがあるという考え方に基づいています。

エリオット波動理論では、相場の上昇局面と下降局面それぞれに特有の波動パターンが存在すると説明しています。

上昇波動と下降波動

エリオット波動理論では、相場の上昇局面を「5波動」、下降局面を「3波動」と捉えています。

上昇5波動は、1波、3波、5波の推進波と、2波、4波の調整波から成り立っています。一方、下降3波動は、A波、B波、C波の3つの波で構成されます。

これらの波動パターンを正確に識別し、その特徴を理解することで、相場の転換点を見極められるようになります。

エリオット波動の3つのルール

エリオット波動理論には、以下の3つの基本ルールがあります。

  1. 3波は1波、5波より短くならない

  2. 2波は1波の始点を下回らない

  3. 4波は1波の高値を割り込まない

これらのルールを踏まえて、チャート上に波動パターンを描いていくことで、相場の動きを予測することができるのです。

波動のバリエーション

エリオット波動理論では、上昇5波動と下降3波動以外にも、様々な波動パターンが存在します。

代表的なものには、「ダブルトップ」「ヘッド&ショルダー」「ジグザグ」「フラット」「ダイアゴナルトライアングル」などがあります。

これらのパターンは、相場の転換点を示唆する重要な手がかりになります。チャート分析の際は、こういった波動パターンの特徴を理解しておく必要があります。

ダウ理論とエリオット波動の融合

ダウ理論とエリオット波動理論は、相場分析の基本となる重要な理論ですが、それぞれ特徴があります。

ダウ理論は、相場の大きな流れ(トレンド)を捉える手法であり、エリオット波動理論は、より詳細な波動パターンを分析する手法だと言えます。

そのため、両者を組み合わせて活用することで、より精度の高い相場分析ができるようになります。

具体的には、ダウ理論でトレンドの発生や転換を把握し、エリオット波動理論でその中の波動パターンを分析するといった具合です。

たとえば、ダウ理論でトレンドが上昇局面にあることを確認したうえで、エリオット波動理論を適用すれば、1波、3波、5波の動きや、2波、4波の調整局面をタイムリーに捉えられます。

このように、ダウ理論とエリオット波動理論を組み合わせることで、相場の動きを多角的に分析し、効果的なエントリー・決済のタイミングを見極められるようになるのです。

ダウ理論とエリオット波動の活用法

ダウ理論とエリオット波動理論を活用することで、FXトレードにおいて以下のような効果が期待できます。

相場の流れを把握

ダウ理論によってトレンドの発生や転換を見極められるので、相場の大きな流れを把握することができます。

トレンド相場とレンジ相場を見分けられるようになれば、適切な取引スタイルを選択できるようになります。

有効なエントリー・決済タイミングを発見

ダウ理論とエリオット波動理論を組み合わせることで、トレンドの中での波動パターンを捉えられるようになります。

そうすれば、底値や天井付近での適切なエントリー、そして利確タイミングを見極められるようになるでしょう。

損切りポイントの設定

エリオット波動理論では、各波動パターンの特徴を理解できるので、損切りポイントの設定にも役立ちます。

たとえば、2波の反発が1波の始値を下回らないといったルールを意識して、損切りラインを設定できるのです。

目標価格の予測

エリオット波動理論を活用すれば、相場の今後の動きを予測し、目標価格を設定することも可能になります。

1波、3波、5波の波動パターンの特徴を把握すれば、どこまで値動きが続くかを見積もれるようになります。

このように、ダウ理論とエリオット波動理論を組み合わせて活用することで、FXトレードの精度を大幅に高められるのです。

ダウ理論とエリオット波動の活用上の注意点

ダウ理論とエリオット波動理論は強力な分析手法ですが、それだけに注意すべき点もあります。

相場状況に合わせた使い分けが必要

ダウ理論は、トレンド相場での分析に適していますが、レンジ相場では十分な効果が得られない可能性があります。

一方、エリオット波動理論は、相場の波動パターンを詳細に捉えられるため、トレンド相場だけでなくレンジ相場でも活用できます。

そのため、相場の状況に合わせて、ダウ理論とエリオット波動理論を使い分ける必要があります。

シグナルが遅れる可能性がある

ダウ理論とエリオット波動理論は、過去のチャート情報に基づいて分析を行うため、シグナルが遅れる傾向にあります。

そのため、エントリー時のタイミングが遅れ、十分な利益を得られないケースも考えられます。

この問題を解決するには、ファンダメンタルズ分析などの他の分析手法を組み合わせることが有効です。

「だまし」に注意が必要

ダウ理論やエリオット波動理論は、多くのトレーダーが活用している手法です。そのため、大口のトレーダーが故意に「だまし」を仕掛けてくる可能性があります。

「だまし」に巻き込まれないためには、複数の分析手法を組み合わせて、慎重にチェックする必要があります。

まとめ

FXトレードの勝率を高めるには、相場の動きを的確に捉える分析力が不可欠です。

その中でも特に重要なのが、ダウ理論とエリオット波動理論です。これらの理論を理解し、実践に活かすことで、トレンドの発生や転換、そしてエントリー・決済のタイミングを見極められるようになります。

ただし、これらの理論にも注意点があるので、他の分析手法と組み合わせて活用することが重要です。

FXトレードの成功には、様々な知識と技術が必要とされます。ダウ理論とエリオット波動理論を軸に、更なるスキルアップを目指しましょう。

ここから先は

0字

¥ 550

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?