転換のサインを見逃すな!FXチャート分析の必須パターン「はらみ足」

FXトレードにおいて、チャート分析は不可欠なスキルの1つです。なかでも、ローソク足のパターンを読み解くことは重要な要素となります。特に、相場の転換点を示唆する「はらみ足」は、トレーダーの間で広く知られています。


本記事では、はらみ足の意味や特徴、出現パターン、そしてトレード時の活用法について、詳しく解説していきます。相場の流れを見極める上で欠かせないこの足型を、ぜひ理解を深めていきましょう。

1. はらみ足とは何か

はらみ足とは、2本のローソク足が特定の条件を満たしたチャートパターンを指します。具体的には以下の2つの条件を満たすものを指します。

  1. 1本目のローソク足の高値と安値の範囲内に、2本目のローソク足が収まっている

  2. 1本目のローソク足の始値と終値の間に、2本目のローソク足の始値と終値が収まっている

つまり、1本目のローソク足を「はらむ」ように、2本目のローソク足が収まっているのが特徴です。このパターンから「はらみ足」と呼ばれるようになりました。

1-1. はらみ足の4つのパターン

はらみ足には大きく分けて4つのパターンが存在します。

  1. 陰の陽はらみ:1本目が陰線、2本目が陽線

  2. 陽の陰はらみ:1本目が陽線、2本目が陰線

  3. 陽の陽はらみ:1本目が陽線、2本目も陽線

  4. 陰の陰はらみ:1本目が陰線、2本目も陰線

これらのうち、特に注目されるのが「陰の陽はらみ」と「陽の陰はらみ」です。相場の転換点を示唆する重要なパターンだと考えられているためです。

2. はらみ足が示唆するもの

はらみ足が出現した場合、それぞれのパターンによって示唆される内容が異なります。

2-1. 陰の陽はらみ

安値圏で出現した陰の陽はらみは、上昇トレンドへの転換を示唆します。つまり、これまでの下落相場が終わり、上昇相場に入る可能性が高いと考えられます。

売り方の勢いが弱まり、買い方の勢いが出始めていることを表しています。ここからさらに上昇が続く可能性があるため、買いのタイミングと捉えられます。

2-2. 陽の陰はらみ

高値圏で出現した陽の陰はらみは、下降トレンドへの転換を示唆します。つまり、これまでの上昇相場が終わり、下落相場に入る可能性が高いと考えられます。

買い方の勢いが弱まり、売り方の勢いが出始めていることを表しています。ここからさらに下落が続く可能性があるため、売りのタイミングと捉えられます。

2-3. その他のパターン

一方、陽の陽はらみと陰の陰はらみについては、相場の転換を示唆するというよりは、むしろトレンドの継続を示唆するパターンだと考えられています。

ただし、これらのパターンも状況によっては転換を意味する可能性もあるため、注意深く観察する必要があります。

3. はらみ足の投資家心理

はらみ足が出現するタイミングにおける投資家の心理状態を理解することも重要です。

3-1. 陽の陰はらみの場合

1本目の大きな陽線の後に、2本目で小さな陰線が出現するのが陽の陰はらみです。

これは、これまでの上昇相場に対する買い方の勢いが徐々に弱まってきていることを示しています。大きな利益を狙う投資家が、上昇トレンドとは逆方向へのブレイクアウトを待っている状況と考えられます。

つまり、これまでの上昇相場が終わり、下落相場へと転換する可能性が高まっているのです。

3-2. 陰の陽はらみの場合

1本目の大きな陰線の後に、2本目で小さな陽線が出現するのが陰の陽はらみです。

これは、これまでの下落相場に対する売り方の勢いが徐々に弱まってきていることを示しています。大きな損失を避けようとする投資家が、下落トレンドとは逆方向へのブレイクアウトを待っている状況と考えられます。

つまり、これまでの下落相場が終わり、上昇相場へと転換する可能性が高まっているのです。

4. はらみ足を活用したトレード

はらみ足が出現した際には、その後の相場の動きに注目する必要があります。

4-1. 陰の陽はらみの場合

安値圏で陰の陽はらみが出現した場合は、上昇トレンドへの転換を示唆しているため、買いのタイミングと捉えられます。

エントリーは2本目のローソク足の終値を上抜けた時点で行い、損切りは2本目の安値やや下、利確は上昇トレンドのサポートラインや前回高値付近を目安にします。

4-2. 陽の陰はらみの場合

高値圏で陽の陰はらみが出現した場合は、下降トレンドへの転換を示唆しているため、売りのタイミングと捉えられます。

エントリーは2本目のローソク足の終値を下抜けた時点で行い、損切りは2本目の高値やや上、利確は下降トレンドのレジスタンスラインや前回安値付近を目安にします。

4-3. その他のパターン

陽の陽はらみや陰の陰はらみについては、トレンドの継続を示唆する可能性が高いため、エントリータイミングを見極めるのが難しくなる傾向にあります。

そのため、これらのパターンについては慎重に判断し、他の指標と組み合わせて検討することが重要です。

5. はらみ足をうまく活用するためのポイント

はらみ足を活用するには、いくつかのポイントに気をつける必要があります。

5-1. レンジ相場では活用しない

はらみ足は、上昇トレンドや下降トレンドの転換点を示唆するパターンです。そのため、方向性のはっきりしないレンジ相場では、効果的に活用できない可能性が高くなります。

チャートの長期的な推移を確認し、明確なトレンドが形成されている局面でのみ、はらみ足を活用するようにしましょう。

5-2. 長期足で確認する

はらみ足は短期足でも頻繁に出現しますが、長期足で確認したほうが、より確実なシグナルを捉えられます。

1分足や5分足などの短期足では、不規則な動きが多く、経済指標の発表などの外部要因によって想定とは異なる動きをする可能性があります。

そのため、1時間足や4時間足、日足などの長期足で出現したはらみ足を重視するようにしましょう。

5-3. 他の指標とも連動しているか確認する

はらみ足単独でエントリーするのではなく、他のテクニカル指標の動きとも連動しているかを確認することが重要です。

例えば、高値圏で陽の陰はらみが出現した場合、RSIやMACDなどのオシレーター系指標が過熱感を示しているなら、より確実な売りのタイミングと捉えられます。

このように、複数の指標が同じ方向を示しているときにエントリーすれば、だましを避けられる可能性が高まります。

5-4. サポート/レジスタンスラインの近辺で狙う

はらみ足が、サポートラインやレジスタンスラインの近辺で出現した場合は特に注目が必要です。

これらのラインを一時的にブレイクしながらも、すぐに押し返される形で陰の陽はらみや陽の陰はらみが出現した場合、その後の相場の反転に期待できる可能性が高まります。

ラインのブレイクに失敗した際のリバウンドを狙うのがおすすめのトレード手法です。

6. まとめ

FXチャート分析において、はらみ足は重要なパターンの1つです。

相場の転換点を示唆するはらみ足を見逃さずに捉え、適切なタイミングでエントリーすることで、大きな利益を狙えるでしょう。

ただし、はらみ足単独ではなく、他のテクニカル指標との連動や、サポート/レジスタンスラインの動きなども考慮して判断することが重要です。

相場の動きを的確に読み取るためには、はらみ足をはじめとするローソク足パターンの理解を深めることが不可欠です。トレードに活かせるよう、しっかりと習得しましょう。

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