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BDDNEWSレター 2023.7.15 NO.97

◇◆◇数字で見るバングラデシュ◇◆◇

【品質向上でマンゴー輸出急増】

 国内生産者が品質向上を図っているため、マンゴーの輸出収入が急増している。

 農業普及局(DAE)のデータによると、昨年は1757トンが輸出されたが、今年はこれまで600トンが輸出された。

 DAEは今シーズンのマンゴー輸出を5月25日に開始、シーズンは9月まで続く。

 「これまでマンゴーの輸出は主に海外に住むバングラデシュ人市場に限定されていましたが、今年は主流市場に輸出することができました」
 DAE輸出可能マンゴー生産プロジェクトの責任者モハマド・アリフル・ラーマン氏は、すでに450キロのマンゴーをスイスのスーパーマーケットチェーンへ輸出したと述べた。

 現在、国内で登録されているマンゴー輸出業者は66社で、英国やサウジアラビア、イタリアなど約28カ国に輸出している。

 「輸出はゴパル・ボグやヒムサガル、ラングラ、アムラパリといった品種から始まります」
 ラーマン氏は市場からとても良い反応があるとし、今年は4千トンの輸出目標を達成できる見込みだと述べた。

 プロジェクトの下、DAEはラジシャヒやチャパイナワブゴンジ、サトキラ、チュアダンガ、メヘルプール、チッタゴン丘陵地帯などの主要産地で、8400人の農家に生産技術、つまり適正な農業慣行を身に付けさせることを目標にしている。

 輸出用植物検疫証明書を発行するDAEの植物検疫部門のモンド・レザウル・カリム部長は、これまで様々な国に600トンが輸出され、出荷は8月まで続くだろうと述べた。

 バングラデシュ果物・野菜・関連製品輸出業者協会のモンド・モンジュルル・イスラム顧問によると、マンゴーの需要は欧州や中東諸国で高いという。

 「そのため、昨年のマンゴー輸出量を超える可能性があります」
 イスラム氏は述べた。

 輸出会社グローバル・トレード・リンクのカウサー・アーメド・ルベル最高経営責任者(CEO)は、昨シーズンはロンドンだけだったが、今年はドイツやスイスにも輸出したという。

 「これまでに20トンのマンゴーを輸出しました。シーズン目標は100トンです」

 ルベル氏はまた、以前は外国人バイヤーと国内サプライヤーの間に多くのコミュニケーションギャップがあったが、状況は大幅に改善されていると述べた。

 「マンゴーの輸出は昨シーズンに比べて増加しました。理由の一つは、輸出用植物検疫証明書の取得プロセスが簡素化されたことです」

 生鮮食品の輸出促進を支援する政府支援機関ホーテックス基金のマンズルル・ハンナン社長は、政府が輸出可能なマンゴーの生産計画を導入したことによる官民全体の取り組みの結果、マンゴー輸出が増加したと述べた。

 「さらに、私たちは国際標準パッケージを開発しており、これも起業家にとって大きな助けとなっています」

 また、輸出品質のマンゴー栽培に新規輸出業者が参入したことも輸出増加の一因になっているとした。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、バングラデシュはマンゴー生産量で世界9位にランクしている。

 世界のマンゴー市場規模は2016年以来、年間平均成長率6.4%で拡大し、2021年に約573億3千万ドル(8兆1498億円)に達した。2026年には779億4千万ドル(11兆796億円)に達すると予測されている。

The Daily Star Jun 19 2023

■バングラデシュの果物生産量

SOURCE:農業普及局(DAE) 単位:万トン

■バングラデシュの果物ごとの生産量

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