
BDDNEWSレター 2023.4.15 NO.91
◇◆◇労働力調査◇◆◇
【労働力調査2022】

29日発表されたバングラデシュ統計局(BBS)による労働力調査2022によると、バングラデシュ経済はタイムワープしているようだ。
経済が発展するにつれ、多くの労働者は農業を離れて製造業に参加するようになる。次の段階として、製造業からサービス業へと移行する。だが、バングラデシュでは農業が引き続き主要な雇用源となっている。
農業は2016-17会計年度(FY17)時点で雇用の40.6%を占めていたが、2022年に45.33%に増加した。
一方、雇用全体に占める製造業割合はFY17の20.4%から17.02%(2022年)に、雇用者数は1240万人から1210万人へ減少した。
FY17は39%だったサービス業は、37.65%に減少した。
同時期に工業、特に製造業が最も急速に成長したのに、これはやや不可解だと、世界銀行(WB)ダッカ事務所の元主任エコノミスト、ザヒード・フサイン氏はいう。
「製造業生産がほぼ2桁の成長率で伸びているのに、どうして雇用者数が減少するのでしょう。自動化は一つの説明ですが、雇用の減少を完全に説明できるほど自動化が進んでいるのでしょうか」
「職業の選択肢がない場合、誰もが農業へ戻ります。農業から工業やサービス業、特に工業へ移行するのが普通です。これは製造業の成長が維持できなかったことを示しています」
バングラデシュ政策研究所事務局長で国際通貨基金(IMF)の元エコノミスト、オーサンHマンズール氏は述べた。
農業部門の雇用者総数は、2470万人(FY17)から3220万人(2022年)へ増加した。
「農業に従事する労働者が増えると、労働者1人当たりの生産量は減少します。経済成長にとって労働生産性が上がらないことは憂慮すべき事態です」
マンズール氏は産業界の雇用創出が進まない理由として、投資不足が考えられるとした。
一方、雇用者総数はこの6年間で6080万人から7080万人へ増加した。
「雇用の増加はすべて、労働者の質が大きな問題となる農業とサービス業で起きているようです。GDPに占める農業の割合は、雇用が700万人以上拡大する中で減少しています。この事実をもっと深く分析する必要があります」
フサイン氏は述べた。
労働力調査では、FY17は1860万人だった女性の雇用が、2022年に2500万人へ増加したという良いニュースもあった。
FY17は36.3%だった女性労働参加率は、2022年に42.68%となった。
「必要なことです。一人の収入で家計を維持することはもはや不可能です。これは、社会経済にプラスの影響を与えます」
マンズール氏は述べた。
農村部における女性労働参加率は38.6%(FY17)から50.89%(2022年)に増加する一方、都市部における女性労働参加率は31%(FY17)から23.6%(2022年)と大幅に低下した。
MAマンナン計画相は、農外活動はここ最近増加していると述べた。
作物生産や家畜に関する活動で、加工や包装など、畑の外で付加価値をつけるものを農外活動と呼ぶが、これが農村部の女性労働参加率を増やしている可能性があるという。
シャムスル・アラム計画担当国務相は、パンデミックで多くの人が故郷に戻って農業を始めたと述べた。農業には構造的な変化があり、さまざまな作物の選択肢があり、インセンティブも豊富にある。
「だから、農村部の雇用の急増は非現実的ではありません」
農村部の雇用は4390万人(FY17)から5310万人(2022年)に、都市部の雇用は1690万人(FY17)から1770万人(2022年)に増加した。
The Daily Star Mar 30 2023
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