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BDDNEWSレター 2023.3.1 NO.88

◇◆◇エージェントバンキング◇◆◇

 農村部のへき地に住む人たちは、貯金や融資、送金などの金融サービスを受けることが物理的に困難だった。だが、バングラデシュ銀行が2013年、十分なサービスを受けられない貧困層に金融サービスを提供することを目的に導入したエージェントバンキングは、遠隔地に住む人に金融サービスをもたらし、その後も口座数や預金額、対内送金額は順調に増加している。

 その土地の実業家や起業家、NGOがエージェント(オーナー)となり、各銀行の看板の下で簡易店舗を開設し、他の支店と変わらない銀行サービスを提供するエージェントバンキングは、貧困層を支援するファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)の一つと言える。

【エージェントバンキング増加】

 預金のネッティング、インバウンド送金の分配、クレジットの支払いで銀行を支援するエージェントバンキングは、銀行口座を持たない人々を正規の銀行ネットワークの下に引き込んでいる。

 とりわけ農村地域でより速いペースで広がっているが、情報筋によると、最近は主としてダッカとチャトグラム管区に集中している。

 コロナパンデミックで、他のすべてのビジネスや銀行活動が低迷していた時期でさえ、エージェントバンキングは大きな進歩を遂げ、銀行とその顧客の両方に無限の可能性をもたらした。

 バングラデシュ銀行 (BB) の統計によると、22会計年度(FY22)には合計1万4299人のエージェントが配置され、全国で1万9737店舗が展開された。FY21は1万2912人、1万7147店舗だったから、それぞれ10.74%、15.10%増加したことになる。

 FY22の総口座数は1607万4378口座で、総残高は2808.5億タカ(3520.2億円)。海外からの送金分配は9704.8億タカ(1兆2164億円)だった。FY21の総残高と送金分配総数はそれぞれ2040億タカ(2557億円)と6790億タカ(8511億円)だった。

 エージェントバンキングは、有効な代理店契約に基づいてエージェントを雇い、通常の銀行支店以外で銀行サービスを行う業務と定義される。2013年にバングラデシュ銀行(BB)が、へき地に住み、十分なサービスを受けられない貧困層に金融サービスを提供することを目的に導入した。

 「この新システムは、銀行にとって費用対効果が高く、地元の起業家が地元銀行の業務を行うことに適しています。その結果、へき地で多くの人気を集めています」
 BB関係者は、銀行が支店を設立したり、現地で職員を雇ったりすることなく、へき地にサービスを拡大できるシステムだと述べた。

 一方、長年にわたる成長にもかかわらず、依然として広がりはダッカ管区とチャトグラム管区に限定されており、他の地域の恵まれない人々は除外されている。

 ダッカ管区には最大3738人と国全体の25%、チャトグラム管区には全体の22%のエージェントがいる。マイメンシンは6%、シレットは6%、ボリシャルが7%、ロングプールは10%、クルナは12%、ラジシャヒは12%となっている。

 相互信託銀行(MTB)のサイド・マウブーブル・ラーマン社長兼最高経営責任者 (CEO) は、エージェントバンキングサービスを、へき地の銀行口座を持たない人々をカバーするのに適したものだという。

 銀行が任命したエージェントは地元の人たちだ。 彼らは自分たちの土地に住むすべての人をよく知っており、サービスを受ける人もエージェントをよく知っているとラーマン氏。

 「この関係と信頼は、より速い方法で成長するのに役立ちます。エージェントの主な収入は手数料です。彼らは24時間体制で、ベンチャーを成功させるために働いています」
 MTBは、198人のエージェントを通じて約50億タカ(62.7億円)の預金を集めている。

Financial Express Feb 10 2023

【農村の社会経済を変える】

エージェントバンキングの店舗

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