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BDDNEWSレター 2022.4.15 NO.67

◇◆◇ラマダンとイード◇◆◇

【織物工場イードに期待】

 新型コロナウィルスが一段落したことで、国内織物工場はバングラデシュ最大のショッピング・シーズンである「イード・アル・フィトル」での大幅な売り上げ増加に期待している。

 イード祝祭は今年、ベンガル新年の「ボヘラ・ボイシャク」と重なった。そのうえここへ来て感染者は激減、国内消費者のほとんどがイードのために衣服を購入するので、ここ数年不調だった売り上げが取り戻せる可能性は非常に高い。

 衣料品工場は来週始まる断食月(ラマダン)第1週に完成品を供給できることを目標としている。そのため、紡績工場はラマダン開始の2カ月以上前から織物工場に糸を売り始める。

 通常、織物工場はサリーやルンギ、サルワールカミューズ、ズボン、シャツを作るための素材を、イード・アル・フィトル前日までに2500億タカ(3463億円)程度販売する。

 バングラデシュ織物工場協会(BTMA)のモンズール・アーメドCEOは、このうち約150億タカ(208億円)分が「ザカート」として寄付されると述べた。

 ザカートとは、イスラム教徒が毎年、富の一定割合を慈善活動に寄付する義務をいう。

 「全面的な経済再開のおかげでこの半年間、売り上げは上昇傾向にあります。コロナ状況が改善されたこともあり、今年のイード売上に大いに期待しています」

 サリーやルンギを多く販売する衣料品メーカー、アマナト・シャウ(Amanat Shah)グループのヘラル・ミア会長は述べた。

 昨年はボヘラ・ボイシャク向けに作られた製品の35%が売れ残ったが、今年こそはすべての商品の売り切れを期待している。

 BTMAのモハンマド・アリ・ココン会長によると、バングラデシュの布地の年間消費量は69.2億メートル、売上は90.2億ドル(1兆713億円)で、一次織物産業で200万人の直接雇用があるという。

 だが、4月14日のボヘラ・ボイシャクはラマダン中であるため、売上が完全に回復しない可能性がある。

 衣料品販売業者は通常ボヘラ・ボイシャク前に150~200億タカ(208~277億円)売り上げるが、ラマダンのため40%程度になるとの予測もある。

 一方、糸価格高騰が一次織物産業の頭痛の種として浮上してきた。

 紡績工場は需要急増に伴う国際市場での綿花価格上昇のため、8月以降、糸の価格を60%引き上げた。

 ロシアとウクライナの戦争によるサプライチェーンの混乱で、先週、綿花価格が10年ぶりの高値になったため、さらに値上がりする可能性もある。バングラデシュでは国内生産が乏しいため、綿花を世界市場に頼っているのが現状だ。

 その結果、多くの家内工業や小規模織物工場、染色工場が、事業回復にもかかわらず、経営に苦慮している。

 「綿花の高騰は衣料品事業の収益性に影響を及ぼしています」

 前述のヘラル・ミア会長は述べた。

The Daily Star Mar 29 2022

【ラマダン始まる】

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