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BDDNEWSレター 2021.10.15 NO.55

◇◆◇写真で見るバングラデシュ◇◆◇

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アタイ川で獲れた約300gのヒルサを2匹持つ漁師:クルナ県センハティ

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紙加工で粉塵にまみれる2人の児童労働者:ダッカ市バウニア

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学部入学試験の開始を前にした入学希望者たち:ダッカ大学カーゾンホール

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灼熱の暑さから子どもを守る母:クルナ県ボストゥハラ

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主に衣料品工場労働者で混雑するバス:シャバールのダッカーアリチャハイウェイ

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タマネギがキロ72タカ(93.6円)まで値上がりしている:10月6日カルワンバザール

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収穫した生姜を家へ運ぶ農家:ランガマティ県カプタイ

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国民IDカード作成のため、指紋スキャナーに親指を当てる学生:ダッカ大学

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加工用小魚の選別に忙しい女性:シレット市カジルバザール

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夜間の気温の低下で風邪をひく親子が増えている:ダッカシシュ病院

◇◆◇経済◇◆◇

【新LDC報告書発表:UNCTAD】

新LDC報告書

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は27日、「後発開発途上国(LDC)報告書2021」を発表した。

 UNCTADの代表的な出版物であるこの報告書は1996年に初めて発行され、今回で第25版となる。

 最新報告書では、国連(UN)が1971年にLDCカテゴリーを設けてから50年に渡る歩みに加え、ポスト・コロナにおけるLDC国の社会経済状況に焦点を当てていると、報告書作成に関わった関係者は述べた。

 現在、国連は46カ国をLDCに分類しているが、バングラデシュは2026年までに卒業することになっている。

 46カ国のうち、以下36カ国は世界貿易機関(WTO)に加盟している。

 アフガニスタン、アンゴラ、バングラデシュ、ベナン、ブルキナファソ、ブルンジ、カンボジア、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ民主共和国、ジブチ、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ハイチ、ラオス人民民主共和国、レソト、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ミャンマー、ネパール、ニジェール、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソロモン諸島、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、イエメン、ザンビア。

 また、以下の8カ国はWTO加盟を目指して交渉中だ。

 ブータン、コモロ、エチオピア、サントメ・プリンシペ、ソマリア、南スーダン、スーダン、東ティモール。

 報告書によると、バングラデシュは1971年に国連がLDCカテゴリーを設けて以来、「キャッチアップ」した7カ国のうちの1つとなっているという。

 「現LDC国のうち、過去50年間、世界平均の1人当たりのGDP成長率を常に1%以上上回っているのは、バングラデシュとブータン、カンボジア、ラオス人民民主共和国、レソト、マリ、ミャンマーだけだ」

 1人当たりの所得の長期的な成長率が、世界の加重平均を1%ポイント以上上回っている国を、国連は「キャッチアップ」と名付けている。

Financial Express Sep 28 2021

■バングラデシュの分析:要約

Source:UNCTAD後発開発途上国(LDC)報告書2021

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【構造改革】
バングラデシュでは、構造転換と経済成長は、製造業とサービス業の拡大という形で行われてきた。これにより、経済は多様化し、経済成長が促進され、2010年から2018年の間に年率1.5%以上の成長率を記録した。衣料品を中心とした初期の工業化とともに、農業の発展やサービスによる付加価値の増加も、経済成長を加速させ、構造変化に拍車をかける要因となった。

30年の間に、農業における雇用の割合は30%ポイント減少し、農業よりも平均労働生産性の高い労働集約型の産業に労働者が移動した。このような労働力の再配置のパターンは、生産性の産業間格差を部分的に縮小し、バングラデシュは「成長を促進する構造変化」のケースとなった(McMillan and Rodrik, 2011)。

国際貿易の成長、特に衣料品産業の成長は、バングラデシュの構造変化と経済成長を支えてきた。的確な政策とISMにより、同国は衣料品産業を成長させ、市場アクセスを多様化し、輸出収入の変動を抑えることができた。しかし、2000年代に入ってからの輸出製品集中度指数が0.422となっていることからもわかるように、衣料品への特化に伴い、他の産業のビジネス上の制約が軽視されてきたことも事実だ。

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