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惹かれるアイデアは、「インプット」で決まる。−PRディレクター平野琢也さんに聞きました。

 BranCo!の卒業生で、現在社会人として活躍されている方々に、BranCo!での学びや現在のキャリアについて伺う連載企画「After BranCo!」。
 今回は、第1回BranCo!(テーマ:「土産」)に参加し、現在αクリエイティブ局に所属する平野琢也さんに、学生スタッフの伊藤・片山でインタビューを行いました!


時代を先読みしたデザイン「ものよりも体験を」


― 現在は、どのようなお仕事をされていますか?

 現在は、αクリエイティブ局に所属しており、PRを中心に様々な領域のお仕事をしています。例えば、日用品メーカーのコミュニケーション・PR施策の立案に関わっており、世の中にクライアントのブランドメッセージを伝えるために、様々なリサーチを実行したり、メディア向けの企画を行ったりしています。

 学生時代は、どのような活動に熱中していましたか?

 当時は、慶應義塾大学のSFCに所属していて、入っていたゼミではデザインリサーチの手法を学んでいました。例えば、リサーチの種類としてフィールドワークとかエスノグラフィーなどがあるのですが、リサーチだけではなくサービスの企画立案まで行っていました。長期インターンとしては、広告関係の会社で働いており、アイデアをカタチにすることに対する興味がとてもありました。

ー とても積極的に活動されていたのですね!では、BranCo!はどこで知りましたか?

 当時、BranCo!は初回の開催だったのですが、運営の方から誘われたことがきっかけで、大学同期・後輩と参加しました。実は、同じチームのメンバーには前回の記事でインタビューを受けた松隈さんがいて、親しい仲です(笑)

ー 平野さんのチームはどんなアイデアを提案されたのですか?

 第一回のBranCo!が「土産」に関するブランドをデザインするというテーマだったのですが、「何か斬新なものを作りたい!」と思い、モノよりも体験を生み出そう と試行錯誤しました。アイデアとしては、「子どもが母親にお土産として体験を贈るギフト券」を考えました。

 具体的にどのような過程を辿ってアイデアを出しましたか?

 まずは、チームで部屋の中を付箋だらけにするほどテーマの要素分解を行い、「お土産」に対する考えを深めていきました。先ほど「体験を創りたい」と言いましたが、この理由として、当時「体験」を売ることはまだ流行り始めであり、あまり出回っていない手法だったことや、そもそも「サービス」をデザインしてみたい!というチームの思いがあってのことでした。

 そして、一度目のプレゼンでは「何を買ってもお土産になる袋」というモノをデザインしたのですが、チームとしてはアイデアの規模が小さいという意見があったので、もっと壮大な、旅のような「体験」「サービス」をデザインしたいと思うようになりました。そうして、最終的には親子で体験を贈るサービスが出来上がりました。

アイデアを作る、壊す、磨く


ー チームで一帯となって取り組んでいたのですね!BranCo!では、どんな時に充実していると感じましたか?

 主に、二つあります。一つ目は「アイデアを作って壊して」というデザインの過程から素晴らしいアウトプットが生まれる瞬間が楽しかったです。BranCo!に参加したチームメンバーは、本質的なことをとことん議論することが好きな人が集まっていて、1人で考えたときにたった一つのアイデアで妥協してしまうところを、チームで様々な角度から議論できたことで、アイデアを納得のいく形まで磨き上げられたと思います。

 そして二つ目には、学生の時に、チームの施策を社会人に評価してもらう機会があまりないため、プロのアドバイスをもらえている時に楽しさを覚えました。今思えば、社会人の方にこんなにも丁寧にフィードバックされる機会はなかなかないので、意欲を高く持って積極的に社員さんを活用すると良いと思います!

ー BranCo!終了後、普段の生活で視点や考えに変化はありましたか?

 「リボン思考※」を良く学べたので、社会で流行っているものやブランドが、どのように成立しているかということに関して、解像度がとても上がりました。特に、どんな人が、どういう思考過程でブランドを創ったのか、ということを考えるようになりました。

 また当時は、社会人の方と交流する機会はなかったのですが、BranCo!に参加する中で博報堂の社員と関わって、フラットに意見をもらえたことで、自分自身やチームの視野・知識を広げることができました。

※参考:「リボン思考」の図

世の中にもっと目を向けてみて!


ー 今でも、仕事で大切にし続けていることはありますか?

それは、沢山インプットを行い、視点を増やすことです。例えばBranCo!においては、学生だけの視点でなく、社会で働くの大人の視点や高齢者の視点など、色々な視点・意見を取り入れることが大事だと思います。私も当時のBranCo!でのデザインリサーチとして、家族にひたすら電話したり、聞き込んだりしたことで、「土産」に関するブランドを考える幅を広げることを可能にしました。

 そして、世の中に目を向けると、多種多様な人がいると思います。様々な生活者の気持ちをひたすら想像して視野を広げ、「本当にサービスを利用したいか?」と検討を繰り返す、ことが大事だと思います

 「審査を勝ち抜くアウトプット」にするためにも大事な視点ですね!
  インタビューを受けていただき、ありがとうございました!


平野 琢也 (ひらの たくや)

博報堂
αクリエイティブ局 山崎チーム
PR ディレクター /統合ディレクター

2014年博報堂入社後、ストラテジックプラニング職としてマーケティング戦略プラナーに従事。
2017年よりPRを起点としたマーケティング戦略立案〜統合COMの設計・実装まで幅広く担当するPRプラナーへ。
マーケティングとPRおよびクリエイティブの複層的な経験を生かし、深い生活者理解と社会発想で、TVCMからPRやSNS運用まで、手口を問わず包括的なマーケティングプランの戦略・企画・制作までを一挙に担う。

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