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BranCo!優勝経験の社員が語る「魅力とその先」

 BranCo!の卒業生で現在社会人として活躍されている方々に、BranCo!での学びや現在のキャリアについて伺う連載企画「After BranCo!」。
 今回は、第二回BranCo!(テーマ:「旬」)に参加・優勝し、現在BranCo!の運営も行う博報堂ブランド・イノベーションデザイン局に所属している松隈太翔さんに、学生スタッフの伊藤・遠藤・栗原でインタビューを行いました!


今に繋がるBranCo!での優勝経験


ー 現在は、どのようなお仕事をされていますか?

 現在は、博報堂のブランド・イノベーションデザイン局に所属し、「ブランディングディレクション」や「ファシリテーション」、「未来洞察」などを軸に、企業のブランディングや新規事業開発の支援などをおこなっています。例えば、地方の日本酒メーカーのブランド価値規定やパーパスの策定、大型総合ビルのコンセプト開発におけるワークショップデザインなど、「広告」だけではない「可能性・創造性の拡張支援」をおこなっています。

ー 学生時代からブランディングに興味を持たれていましたか?

 元々ブランディングには興味はありましたが、中でも、大学2年の時に初めて参加したBranCo!がとても刺激的で、自分の中でブランディングを学ぶ大きな起点となりました。

ー BranCo!はどこで知りましたか?

 大学の仲の良かった先輩に「BranCo!というコンテストがある」と誘われたのがきっかけです。当時、「自分は他の学生よりも面白い」という根拠のない自信だけは持っていたので、通っている大学以外の学生とも競ってみたいと思い、誘ってくれたその先輩のチームに加わりました。

 ですが、初めて参加したときは決勝まで行けずに、悔しい思いをしました。そこで、次こそは必ずリベンジを果してやろうと思い、翌年も参加することにしました。今度は、自分がリーダーとなって、同級生の仲の良い友人に声をかけました。

ー 優勝されたのですね!どのような発表をされたのですか?

 当時のテーマは、「旬」に関するブランドのデザイン、というものでした。抽象的なテーマなので、さまざまな切り口から考えられるとも思いましたが、僕らのチームでは「旬のど真ん中を考えよう」と決め、「旬の野菜」を軸にすることにしました。
 同時に、「旬=野菜」ではひねりがないように思われてしまいそうなので、勝ち上がるためには「旬の野菜の新しい価値規定」が必要だという話もしていました。
 そこで、農家の方へのインタビューなど、さまざまなリサーチを通して、最終的には「旬とは、自然を生き抜いた「たくましさ」の証」と定義しました。
 チームとしては、そこに発見感を感じていたので、そこを軸にして「現代を生き抜くビジネスマンに"自然のたくましさ"を贈る」をコンセプトにした、「旬の野菜を使ったブランドべーズドなエナジードリンク」を提案しました。チームのメンバー同士で意見をぶつけあって、締め切りの前日にようやく全員が納得いくアイデアが浮かんだ瞬間は忘れられません。

ー とてもコンセプトが魅力的で、ぜひ飲んでみたいと思いました!

思考の「ブランコ」


ー このような魅力的なブランドを創る秘訣はありましたか?

  そうですね~、色々な種類のリサーチを試してコンセプトを考え、「旬」という漠然とした概念をどのように言語化するか、という点に力を注いでいました。

 そもそも、ブランドデザインの考え方として、BranCo!で学ぶ「リボン思考※」という方法があるのですが、この方法が画期的だったので、これに基づいて思考をぐるぐる回していました。

 例えば、ブランドのアイデアを具体化していく前に、様々な方法でリサーチしたことと目指したいビジョンを統合して、一言で方向性が想像できるようなコンセプトに落とす必要があります。


※参考: 「リボン思考」の図

ー 具体的には、どういった方法でリサーチをしましたか?  

  今回で言うと「旬」に関するブランドのコンセプトを発想するまでに、マンガ喫茶に潜って漫画を読み漁り、エナジードリンクが出てくるシーンを探して、社会人がどのような場面・状況でエナジードリンクを飲むのかという調査も行い、発想の材料としていました。BranCo!を通じて、現状のインプットの部分がとても大事なことを学び、「リサーチにおいて問いを立てることもクリエイティブなんだ!」を実感して、ワクワクしました。

ー とても面白いリサーチですね!チームでの議論はどのような様子だったのですか?

  良いアイデアを考えるためには、チームメンバー同士で本心からぶつかり合うことも大事だということを実感しました。当時は、相手のアイデアに素直になって、フィードバックすることを大事にしていました。だから、心の底から納得するまで、チームでの議論を続けました。

 例えば、議論の中で妥協したくなる案が出てきたこともあったのですが、誰か1人が納得がいかないことがよくありました。何か、言語化したときに引っかかるものがあるというか、「本当にそうか?」と思うことがあったので、そういう時は、一旦リサーチに戻ってインタビューを行い、コンセプトの策定やブランドのアイデアを考えることに結びつけました。この思考が行ったり来たりする過程がまさしく「ブランコ」ですね。

正解のない問題に挑むということ


ー BranCo!に参加するメリットとは、何でしょうか?

 普段考える機会がない、とても抽象的なテーマを考えることが面白かったです。一般的なビジネスコンテストは、社会人的な目線に立って実践的なアイデアを出すことを目的としているものが多いと思うのですが、BranCo!では、より教育的な要素も強いというか、例えばわかりやすい例でいうと「リボン思考」のような思考プロセスのフレームなどについて教わる機会もあり、このコンテストを通じて多くの学びがあったように思います。

ー そうなのですね!「リボン思考」は仕事でも使うのですか?

 現在の業務では、プロジェクトの進め方の提案から始まることが多いです。そのときの進め方の基本は「インプット」「コンセプト」「アウトプット」となっており、まさに「リボン思考」を活かしていると思っています。同様に、ワークショップなどを設計するときも、参加者が自然とリボン思考で進めていくようにデザインしていたりします。

  最後に、一言お願いします!

 不透明・不確実な「VUCAの時代」においては、「正解のない問い」を自ら見つけ、そこに向き合いつづける胆力が大事だと言われています。BranCo!は、まさに「正解のない問い」をテーマに、仲間たちと深く議論し、同世代と知恵と洞察力を競い合う場所です。
 大学の授業では学べないようなことも体験できる機会だと思うので、ぜひ参加してもらいたいです。

ー BranCo!だからこそ、学べるものがたくさんあるとわかりました。本日はありがとうございました!


松隈 太翔 (まつぐま たいしょう)


博報堂
ブランド・イノベーションデザイン3部
ビジネスプロデューサー/ファシリテーター

2015年博報堂入社。TBWA HAKUHODO にて、自動車メーカーやテクノロジー企業のメディア業務に従事。テレビ、ラジオ、雑誌を中心としたメディアマネジメント業務のほか、出版社とのタイアップ企画や、ラジオ番組のプロデュース、イベントの企画など、さまざまなかたちでメディアコンテンツの開発・運営を経験。
2018年より、飲料メーカーチームへ。アルコール商品のブランドマネジメントや新ブランドの開発から立ち上げ業務に従事。
2022年より、ブランド・イノベーションデザイン局ヘジョイン。ファシリテーションやブランディングディレクション、未来洞察などを軸に、クライアントのブランディング支援や新規事業開発支援などをおこなう。



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