見出し画像

第三回 セクシュアル・ヘルス塾「女性用 プレジャーアイテムのトレンド、選び方、使い方(セルフプレジャー事情編)」

日本のセクシュアル界を牽引する「TENGA (テンガ)」から、女性向けのセルフプレジャーアイテムの新ブランドとして2013年に誕生した「iroha (イロハ)」

それまでの "オナニー" という世界観から "女性のためのセルフケア" へと、まさに世界観そのものを開発しているこちらのブランド。現在のセルフプレジャーアイテム、そしてセルフプレジャー事情を、広報担当の西野さんに教えていただきました。


<使いやすいシンプル設計のセルフプレジャーアイテム>


 もっちりとした質感が特徴の「iroha (イロハ)」のアイテム。ボタンの数も少なく押し間違えなどを予防するシンプルな作りで、且つ、静音設計になっているのでプレジャータイムに没頭できるのも嬉しいところ。爪の長い状態でも押しやすく、女性にとって使いやすいつくりになっている。もちろん、防水仕様。

画像1

 従来のバイブレーターだと、"男性が女性に使って楽しいもの"   "非日常を演出する、いかにもいやらしいもの" といったイメージがつきまとってしまうが、「iroha (イロハ)」のアイテムはそんなイメージも覆している。

画像2

西野さん「iroha (イロハ) はあくまで“女性が自分のため、もしくはパートナーと使って楽しいもの”として、日常にとけこむようなスタイルになっています。というのはセルフプレジャーを、パックやシャンプー、またはトリートメントのように、セルフケアとして当たり前のことだと思っているからなんですね」

画像11

従来の非日常なものというイメージから、日常的に使える自然なものという転換は、偏見をなくして使いやすい日常を与えてくれるうれしい改革だ。

画像10

<デリケートゾーンのお手入れ用品>


 プレジャーアイテム以外にも、“女性のためのセルフケア”という視点から誕生した、デリケートゾーンのお手入れ用品がある。こちらは「iroha INTIMATE CARE (イロハインティメイトケア)」とよばれる「iroha (イロハ)」の姉妹ブランドだ。デリケートゾーン用の石鹸や拭き取りシートを発売し "まずはデリケートゾーンのお手入れを"という背景に基づいた製品の開発を心がけている。また、販売だけではなく "女性が自分の体を知るための機会提供" になることも積極的に行なっているのだそう。

画像3


<女性の悩みにこたえるさまざまな活動>


 「 "中イキ"とは何がどうなって "イク"のだろう?」そもそものメカニズムに対する疑問が社内であがったことから開催されることになった「inoha RIN (イロハリン)」という、挿入アイテムの発売トークイベントでは、"中イキ" について、婦人科形成の医師に直接お話をうかがったそう。

西野さん「そもそも特定の女性にしかできないものというイメージのある "中イキ" ですが、実は "中イキ" も "外イキ" も、両方クリトリスで感じているものだという事実が発覚したんですね。クリトリスは露出してる部分がほんの少しで、体の奥までつながっているんです。そちらを膣側から刺激してオーガズムに達するというのがわかりました。つまり"イキ方"に優劣はないんです。これがわかることで気持ちが楽になる女性は大勢いるのではないかと思ったんですよね」
 また、一般の方から匿名で質問や相談が寄せられることの多いトピックのひとつでもあるそうで「お前 "中イキ" できないからつまらない女だ」と、彼氏に言われ悩んでしまった女性。
西野さん「きちんと知識もないし、AVなどのファンタジーのセックスしか知らないせいで、不用意に傷つけられる女性は、たくさんいらっしゃると思います。そういったことをなくしたいなと思い、このようなトークイベントを企画しております」
 

画像11

<日本初 プレジャーアイテムの百貨店販売>


 昨年の8月には日本初の試みとなる、百貨店(大丸 梅田店)でのプレジャーアイテム販売、第1回目のポップアップストアが行われた。あくまで女性が入りやすいお店作りにこだわった「iroha (イロハ)」の試みは、実際には2週間の展開で1500名以上が来店する大盛況ぶりだったそう。リアル店舗で買いやすいお店が少ない日本において、色々な意味で大成功であったと言える。

画像6

 蓋を開けてみるとほぼカウンセリングのような接客時間が多かったという、百貨店でのポップアップストア。来店されたお客様の半数は40代以上の女性。
 彼女たちからは、たとえば出産で感じ方が変わってしまった、セックスレスに悩んでいるけど誰にも相談できなかった等、思いを溜め込む多くの女性の声をダイレクトに聞く現場になったそう。

画像7


西野さん「婦人科の医師から聞いている医学的な情報をまとめて、きちんとご説明できるようにしたり、プレジャーアイテムを介してコミュニケーションをすることはカウンセリングにぴったりだと気づくきっかけになり、そのような場として機能することが目に見えた企画となりました」その流れも踏まえ、第2弾では、当塾の講師を務めるオリビアさんを招聘し「夫婦のお悩み相談」も開催。そして3回のポップアップストアを経て、今年の11月22日に晴れて常設店がオープンすることになったのだそうです。
 常設店では「iroha (イロハ)」製品に限らずセルフケアというくくりで、アロマキャンドルやボディケア用品も取り扱う予定なのだとか。季節によってブックコーナーを開設し、女性の体や心にまつわる本なども選べる環境になるようです。
西野さん「自分の体との心地よい向き合い方というのも、セルプレジャーをメイン軸として総合的な視点からご提案させていただくお店にできたらと思っております」


<世界の女性のセルフプレジャー事情>


画像9


 女性に関する国際的なデータでいうと、国内におけるセルフプレジャー (マスターべーション)経験率は、昨年おこなった世界調査によると16カ国の13位。女性のプレジャーアイテムの使用経験率は16カ国中12位、使用経験率20.7%となった。特徴的な上位の3カ国、イギリス、アメリカ、オーストラリアでは、軒並み半数を越えている。

画像9


「セルフプレジャーは別に恥ずかしいことではなく、セルフケアとして普通の行為という意識が根付いてる国であることが読み取れますね」と解説してくださった西野さん。
 しかしまだまだ日本だと、プレジャーアイテムを持ってるだけで「すけべな女」とみられたりすることも多いのが実情だ。
 そういう西野さん自身も、テンガの広報として活動しているときに「週にどれくらいマスターベーションしてるんですか?」などの質問を受けることも多いそうで、エロというくくりで、それこそなんでもありと思われてしまうこともあるそう。そのあたりの情報整理や、リテラシーの強化も課題の一つなのだとか。


<女性が自然に自分の欲求に向き合える社会を応援>


 セルフプレジャーは、セルフケアの一つとして当たり前にやってOKだし、楽しんでほしい。そんな信念を軸に展開していきたいという「iroha (イロハ)」

それは別段  "エロいこと" "特別なこと" "卑猥なこと" ではなく、自然に日常に溶け込む自分への慈しみの気持ち。だからといって、みんなするべきということではなく、したい人はすればいいし、したくない人はしなくていい。あくまで個人の自由がベースになっている。

西野さん「もし自分がセルフプレジャーをしたいし好きだと思ってるのに、それははしたないことだとか、恥ずかしいことだと思ってしまい、それが障壁になってなかなかできない方がいらっしゃるとしたら、ぜんぜんそんなことはないよと伝えていきたいです。そういった心のハードルを取り下げたいというのが iroha (イロハ) の行なっていることですね」

<まだまだ偏見のある女性のセクシュアル事情>


 社会自体が持っている偏見により、女性の性に関する思い込みや偏見、好奇の視線、いわれもない暴言など、翻弄されることも少なくない現状。

西野さん「主体である女性がすごくおきざりになっている気がするんですね。そうじゃなくて、自分の体を知るというのは自分を愛することの根本的な部分ですし、セックスで気持ちよくなりたいという方は大勢いらっしゃるんです。だた、自分が自分の体のことをよくわかっていないのに、体の構造がぜんぜん違う男性に、一発で快感を引き当ててもらうとなると、これはもう非常に至難の技でなかなか難しいことなのですよね」


 セックスでお互いにパートナーと快感を分け合うためにも、セルフケアをして自分を知ることは大切な第一歩。"誰もが自分の欲求にむきあえる社会を応援する" 「iroha (イロハ)」の活動は、女性たちを輝かせ、社会を輝かせる活動につながっていると言えるのかもしれません。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

4
私。荻野 月子、39歳。独身。 かれこれどのくらいセックスしていないんだろう? bda ORGANIC presents ”セクシュアル・ヘルス通信”では、セックスにまつわるさまざまなトピックスをお届けします。 https://www.bdaorganic.jp
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。