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夜行バスにて

寝られないので書き始めた。時刻は午前3時を過ぎようとしている。今なお来ない眠気を只管に待っている様は、一途を通り越して滑稽である。

一切はいつか死ぬ。それは避けられない運命だが、だからこそ救われている面もあるはずだ。いつか死ぬ、またいつ死ぬか分からぬからこそ、日々一所懸命に生き、生きることを続けられ、その摂理が万人に共通していることで世界は継続し、死んでいった世界が歴史として象られ、未来を照らす灯火となるのだとしたら。まさに諸刃の命。

我々にできることは少ない。だが悲観してはならない。こうして不眠が故に拙文を書き連ねる滑稽な己を「滑稽」の侭にしておくことは容易いが、我々の持つ少ない可能性の中にその滑稽さを別の形に変換できる選択肢が存在する可能性は零ではない。解釈は、いつか死ぬという絶望的な運命でさえ、生きる糧へと昇華できるのだから。諦めてはならない。

私も寝ることを諦めないでいたい。


最後に、

心の容量から溢れ出した感情を、
人は愛と呼ぶのかもしれない。