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ビットコイン・デイリーレポート2024.8.2(2024.8.1)

ビットコイン続落も、米国時間帯終盤に反発、米マイクロストラテジーBTCを新たに購入

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 1日のビットコインは続落となったが終盤になって買い戻された。BTCUSDは前日終盤の失速を受けた流れが継続しアジア時間帯には63,100ドル付近まで下落した。日本時間午後に出揃った31日分の米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローが前日のマイナスからプラスに転じたが流入額が29万ドルと低迷したことや、日銀の利上げを背景とした円高を受け日本株が急落し、市場センチメントが悪化したことが影響した。

※31日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス29万ドル。

 欧州時間帯から米国時間帯序盤にかけては安値修正の動きから65,000ドル台回復を試す動きも見られたが、米経済指標の悪化を受け再び失速すると62,300ドル付近まで下落した。この日、米労働省が発表した7月27日まで1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで前週比14,000件増の249,000件となり、市場予想の236,000件を大幅に上回り、昨年8月以来の高水準の申請となった。また、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景気指数は46.8と前月の48.5から低下した。尚、市場予想は48.8への上昇だった。これまでなら米経済指標の悪化は米連邦準備理事会(FRB)の利下げを容認する内容と捉えられ、リスクオントレードが活発化していた。ただ、今日の動きは市場の想定を上回る米経済の悪化に対する懸念が米連邦公開市場委員会(FOMC)通過を経て確度が高まった9月利下げに対する期待感を上回り、リスクオフトレードが先行する展開になった。また、2日に雇用統計の発表を控え失業率の悪化が警戒されるなか、失業保険申請件数の増加が市場のリスクオフムードを強めたと見られる。これらを受け米株式市場の主要3指数は揃って下落した。一方でBTCUSDは売り一巡後は終盤になって急速に買い戻され、NYクローズ後には65,000ドル台を回復した。2014年に破綻したマウント・ゴックス社や米政府など大口の送金や売却が予定されている保有者に新たな動きが見られなかったことや米マイクロストラテジーが四半期報告でビットコインの追加購入を公表したことが支援要因になったと見られる。米マイクロストラテジーが1日に発表した四半期報告によると、同社の売上高は1億1140万ドルとなり前年同期比7%減少した。一方、同社が経営戦略の柱として進めるビットコインの保有については7月に169BTCを新たに購入し、第2四半期合計で12,222BTC(1BTC=65,882ドル)で取得したと公表した。現在の同社のビットコイン総保有量は226,500 BTC。尚、同社の株は売上高減少を受けて前日比6.36%下落している。
 BTCJPYはBTCUSDの下落、円高進行が引き続き圧迫要因となり、米国時間帯には932万円付近まで下落した。NYクローズにかけては買い戻され下落幅を縮小したが、BTCUSDに比べ戻りが鈍く、円高の影響が出ている。CME日経先物や大証日経225は前日比で大幅下落しており、2日の日中取引では日本株の下落が予想されるが、ドル円への影響とともにBTCJPYへの影響も懸念される。

※日本時間8月2日AM6:00現在のドミナンスは56.466%。

市況概況(イーサリアム)
 1日のイーサリアムは続落。ETHUSDはアジア時間帯から軟調に推移。日本株の下落や3米経済指標の悪化を受けて市場センチメントが弱気へと傾斜するなか売りが先行する展開となり、米国時間帯には3066ドル付近まで下落した。また、米国で上場されているスポットイーサリアムETFの31日分のトータルキャッシュフローが再びマイナスへ転じたことも圧迫要因になった。尚、31日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス7721万ドル。Grayscale のETHが1954万ドルの流入、続いてFidelityのFETHが1880万ドルの流入、その他ETFも流出はなかったものの、流入額は低調でGrayscale のETHEからの流出額1憶3333万ドルを補えなかった。ただ、終盤はビットコインの上昇を受け暗号資産全般に買い戻しが入ったことで下落幅を縮小、2日の日本時間早朝には3200ドル台を回復している。

※31日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス7721万ドル。

 ETHJPYもほぼ同様の動きとなったが、外国為替市場での円高進行が上値を圧迫。やや戻りの鈍さが目立つ。

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