【2019年10月18日掲載】成都に行ってきました
皆さま、ご無沙汰しております。
ブロードバンドタワーでストレージのサポートを担当している二村と申します。
今回は華為技術日本株式会社様(以下ファーウェイさん)のご厚意により成都にあるR&D施設に行って参りましたので、本ブログにてご紹介をさせて頂きたいと思います。
施設の訪問目的はR&D施設の視察とストレージ製品に関するHandsOnの受講となります。
非常に個人的な内容となりますが人生初の海外出張という事で若干不安(特に食事面)がありましたが、全く困ることなく無事に出張を終えることができました。
それでは、まず最寄りの成都空港までの道のりですが、成田空港から直行便でおよそ5時間程。
成田を出発したのは夕方の6時位でしたが、成都空港に付いたのは夜の10時を回っていました。
そこから今回の宿泊先のホテルまで車で30分。
空腹を満たすためホテル近辺を徘徊しましたがめぼしい店もなく、とりあえずファミリーマートを発見したので簡単なお買い物。
しかし、この日のために用意した「銀聯(ぎんれん)カードまたの名をUnionPAY」が役立つときが来たと思いきや、いきなり使えないという事にショックを受ける……
その為、上司から中国元を借りて買い物を済ませこの日は就寝。(現金派の上司はドヤ顔で貸してくれました……)
実は、今回の出張の前に中国の買い物事情を調べたところ、基本的に現金は使えずQR決済のAlipayとWeChatPayがメインで
クレジットカードであれば中国銀聯発行の「銀聯カード」が必携との情報を多く見かけました。
ただし、前者のAlipayとWeChatPayは中国現地の口座が必要な為、実質日本人が利用する事は不可能な為「銀聯カード」一択でした。
実際は現金も利用可能でしたので現金を所持していくことをお勧めします。
それでは、本題のR&D施設の視察とHandsOnについてのレポートとなります。
今回はあわせて2日間にわたってファーウェイさんから施設やストレージ・ソリューションの説明及びHandsOnを行って頂きましたが、流石に全ての内容をお伝えするのは難しい為、簡単ではありますが以下にまとめさせて頂きました。
まず初めに、今回のR&D施設の概要となります。
成都はストレージ研究がメインのR&Dですが、他にも深圳、南京、杭州といった中国各地に製品ごとに同様の施設があるとの事です。
○成都R&Dセンター概要
場所:成都双流国際空港から車で約40分・繁華街から車で約1時間と少し離れたところに。
敷地面積:350,000m²(ディズニーランド0.7個分)
建築面積:290,000m²(ビル9棟!)
従業員数:約8000人(Storage分野で約3000人)
-インターオペラビリティラボ視察-
このラボは残念ながら写真撮影が一切NGの為、文章のみでのご説明となります。
まず、ラボに入った時の第一印象としてはデータセンターの「サーバルーム」という感じです。
しかし、ラックの中には所狭しと大手の他社ストレージ、サーバ、ブレード、ネットワーク製品がマウントされており、これらの機材を用いて、自社製品との互換性やマイグレーションの動作確認を行っているとの事です。
ラボ内を歩いていると、同僚が「あれ?○○(弊社取扱のストレージ)が置いてある」とポツリ。確かに、よく見たことのあるフロントパネルをつけたストレージが元気に稼働しておりました。
このように多種多様なストレージを用意して、後述のデータマイグレーション等の検証に利用しているのだと容易に想像ができます。
-テクニカルミーティング-
HuaweiさんのMedia & Entertainment、Healthcareの分野における取り組み及び、ソリューションの説明をして頂きました。
本ミーティングの中で、Huaweiさんはストレージ・ネットワーク・サーバだけでなく、4K/8Kのカメラなど様々な機器を提供が可能という話がありました。
つまり、ファーウェイさん他ベンダーを使うことなくEnd to EndでMedia系のソリューションを提供できるという非常に大きな強みを持っていると感じました。
-テクニカルソリューションラボ視察-
(1)データマイグレーションデモ
他社ストレージから一切の断なく(動画の再生が途切れることなく)データマイグレーション行うデモの1ショットです。
非常に高速に、しかもストレージアクセスにも全く影響なくマイグレーションが行われておりました。
(2)Triple-Active DCの障害試験デモ
先程はデータマイグレーションデモでしたが、今度はTriple-Active環境における障害テストのデモとなります。
3つの異なる環境内にはサーバとストレージがペアで配置されており、各機器をシャットダウンしてもほぼ影響なくクライアントからはデータを参照できる事が視覚的に確認できます。
写真だけではわかりづらいかもしれませんが、3つの環境はラック単位ではほぼ隣合って並んでいますが実際は300KM(写真右の300KMと記載された円筒のBOX内にとぐろを巻いた光ケーブルが25KM×12個格納されているそうです。)の光ケーブルを介して相互接続されております。
手前のレバーを倒すと、それに関連した機器がシャットダウンされるという仕組みです。
(3)製品展示
こちらはNVMeSSDの展示品です。32TBということですが、性能もさることながら一体どれくらいのお値段なのか気になりますね。
またファーウェイさんのHCIであるFusion Cubeの展示もありました。KVMベースの製品となっており、この製品は他社同様この機器を設置するだけでプライベートクラウドとして仮想環境を提供できるものとなっている。いずれ日本でも販売開始となるのでしょうか?
-HandsOn-
あまりにも夢中になりすぎて全く写真をとっておらず、唯一の写真がこちらです。
今回はファーウェイさんの スケールアウト型のNAS製品であるOceanStor9000とSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)のFusion Storageについてレクチャーをして頂きました。
(1)OceanStor9000
現在弊社で取り扱っているスケールアウト型のNASであるIsilonに似た機能を持っており、加えて非常にシンプルで直感的なGUIの為、操作しやすいという印象を受けます。
残念ながら現在のところ英語と中国語にしか対応しておりませんが、おそらくそこまで操作に困ることは無いように思えます。
また、今回はクラスタ内の特定のノードをrebootさせて正常にfailoverするかの試験を行いましたが、無事に切り変わる事が確認できました。
※実はストレージは成都内のサーバルームにあるのではなく、北京のサーバルームにあるという事でしたので、(shutdownではなく)本当にrebootを選択しているか何度も確認をしました!
(2)OceanStor NAS HyperMetro
HyperMetroは遠隔地に置いた2台のOceanStorシリーズ製品の間でアクティブ-アクティブ構成のミラーリングが行えるという機能です。
リアルタイム同期においてはファーウェイさん独自のチップセットを用いることにより、機器同士の同期の遅延の軽減を行っているという事です。
NASの場合はActive/Standby構成になってしまいますが、IPの引き継ぎを行うことができる点がIsilonと比較した場合に大きく違う特徴でした。(2019/9/30現在)
(3)Fusion Storage
こちらはオブジェクトストレージですので、弊社で取り扱っている、SDSのScality RINGと同じタイプとなります。
Amazon S3互換のオブジェクトストレージとなりますが、実はOceanStorの方でたくさんの質問をしてしまい殆ど時間がとれませんでした。
簡単なファイルのアップロードとダウンロードのみのテストとなります……(次回また検証する機会があればその時に)
○まとめ
ファーウェイさんのストレージは比較的最近登場した製品かと思ってましたが、実は既に16年近い歴史があります。
更にハードウェアからソフトウェアまで、できるものならなんでも作ってしまおうという精神にはとても驚かされると同時に、強い安心感がありました。
もしかしたら、今回ご紹介させて頂いたファーウェイさんの製品が、弊社の取り扱い製品として加わる日も近いのかもしれません。
○おまけ-その1-
-中国(成都)のご飯-
お昼ごはんは2日連続で麻婆豆腐を頂きました。日本で食べるものと違って辛みだけでなく、香りが強く非常に食欲をそそります。(早くまた成都に行きたいです)
○おまけ-その2-
-中国(成都)でのハプニング-
初日午前中のトレーニング終了後、ランチの為、目的のお店まで車で移動。成都は雨が多い地域でこの日も雨でした。
お店の前でまさかの転倒…… 起き上がろうとして二度目の転倒…… そのまま近くの花壇に落ち洋服がびしょびしょ・泥だらけという大惨事(汗)
大事に至らなかったのですが、初日から全力で突っ走ってしまいました…… 翌日から右写真のスタイルで出社!完全に吹っ切れて頑張りました!
○おまけ-その3-
-暫定対策?恒久対策?-
街中を徘徊しているとマンホールの蓋が無い所を発見。自転車が刺さっているというまさかの光景……
確かに自転車があることでマンホールに落ちることはないな…… 斬新な対策だと感心させられました。暫定対策であることを願いますが(笑)