instagramをPCからフルスペックで使うために試したこと①〜⑤

※前置きが長いので、結論だけ知りたい方はいきなり④へ飛んでください。

【まずはボヤキから】

ずっと敬遠していたinstagramを去年から渋々使い始めているが、使ってみて良さが分かるどころか、使い勝手の悪さに辟易する日々である。

とにかくスマホアプリ上での使用を強要されるのがなによりも苦痛。

スマホアプリの開発を先行させるのはまあ趨勢からいってしかたないにせよ、新機能ではなく投稿といった基本機能に差をつけてまでブラウザ版を使わせまいとする方針はどうにかならんものか。

写真や映像メインのコミュニケーションが売りであるのなら、スマホ以外のカメラで撮ってPCで加工、編集などしてから投稿する界隈の人にもう少しやさしくても良さそうなものだ。

URLリンクひとつ貼らせてくれないのも、なんなんだろう。
フォロワーが1万人以上でないとダメとか、謎すぎる。
たかがリンクに値打ちコキすぎだろう。

もともと少数派であっても淘汰されることなくニッチなコミュニティを構築できるのがネットのいいところなのに、なぜこうもマス・コミュニケーションを称揚したがるんだろう(これはインスタに限ったことではないが)。

べつにフォロワーが10人のユーザーに同じ機能を提供してもコストは一緒だと思うが。

あと1:1の写真比率への変なこだわり。

スマホ利用を強要するくせに、1:1ってなんのメリットがあるんだろう? オシャレ?
スマホはどんどん縦長になってるのに。

集客を目的としたインフルエンサーのような利用者を誘致したいようだけど、集客目的で複数snsに同時投稿する人にとって、フォーマットが違うっていちいち面倒でしかない。

そのくせ1分以上の動画はIGTVという別サービスに飛ばされ、こっちは縦長比率なので、これがまた微妙。

投稿時にしっかりサムネイルの設定をしておかないと、後で変更することもできない…ぶつぶつぶつぶつ。

と、まあインスタdisはこれくらいにして、そろそろ本題に入ろう。

【「ストーリーズ」を使ってナンボらしい…】

こうした、おっさんからみると不便でしかないsnsのどこに支持される理由があるのかが不思議すぎたので、けっこう便利に使ってるというウチの嫁に訊いてみた。

facebookにも後追いで付加された「ストーリーズ」という機能だが、facebookでみている限り、単にフレンドの(どうでもいいような)近況が時限設定付きで無駄に目立つ場所に陳列されるものという印象しかない。

ところが嫁はこれが、フォローしている相手(主に料理関係)のメッセージボードとして、見逃したくない投稿者の新着レシピやライブ配信などのお知らせをリアルタイムで受け取るのに重宝するという。

たしかに何百人もフォローがいたら、ときどきフィードを眺めても、どんどん流れてしまって、重要なお知らせも雑多な投稿に埋もれてしまうだろう。

フィードの順番は必ずしも時系列に沿っているわけではないので、すでに終了したイベントの告知が流れてきたりすることがよくある。

今すぐ見てほしい(見たい)情報がリアルタイムで発信(確認)できて、期限がくれば勝手に消えてくれるというのは、フィードのアルゴリズムがブラックボックス化されて、よくわからなくなっている現状においては、有用な機能かもしれない。

このストーリーズ周りの機能強化が、インスタではなかなか充実しているようだ(いっぽうfacebookにおいてはほとんど放置されている感がある)

どうやら、instagramはストーリーズを使いこなしてナンボらしい。

【意地でもPCデスクトップ上で管理したい】

インスタの便利な使い方みたいな記事はおそらくネット上に履いて捨てるほどあるだろうから、ここでは特に掘り下げない。

ここからはPC(linux)で使えないサービスはゴミである…という私の偏狭な信念に基づき、インスタの機能を完全にPCのデスクトップ上で再現するべくこれまで試したことをざっと書き留めておく。

①ブラウザの開発者モードで表示画面サイズを変える

最初にやってみたのはこれである。

いまどきブラウザで動作するサイトは、たいていレスポンシブ・デザインになっていて、同じサイトをスマホでみたらスマホに、PCでみたらPCの画面サイズにフィットするように作られている。

ふつうにブラウザでinstagramのサイトにログインすると、どういうわけか閲覧のみで投稿をさせてもらえない。投稿ボタンそのものが表示されない。

IGTVだけは、なぜかプロフィールページから投稿できるという謎仕様。

そこで、「F12」を押して開発者ツールに入ってみる。

表示モードを擬似的にスマホなどに変更する機能をつかって、そのサイトがスマホ向けに用意している画面をPCのブラウザ上に再現する。

過去記事参照「instagramへパソコンから投稿する」
https://note.com/bbp3110/n/ne232b10dd5a7

これで投稿ページに入る「+」ボタンが出てきて投稿ができるようになったが、なぜか動画は投稿できない模様。

さらに先に述べた肝心のストーリーズの機能も、これによりいちおう使えるようにはなるが、テキストのみの投稿ができないなど、微妙に制限されていて気に入らない。

よってゴミである。

②hootsuiteによる管理

かつてfacebookやtwitterのAPI制限がゆるかった頃にはこれが重宝した。

各snsの閲覧、投稿を一元的に管理できる上、どんどんわけがわからなくなっていったタイムラインアルゴリズムを無視して、本来の時系列表示ができていたので、10年前あたりには、このhootsuiteを愛用していた。

これでinstagramも管理できるという記事をみかけたので、いちおうやってみた。

hootsuiteにログインして、instagramやfacebookに連携させると、フィードの表示や投稿など、ひと通りのことはできそうだ。

ただ連携によってアカウントへのアクセス権限をhootsuiteに与えなければいけないのがちょっと怖いのと、結局これもスマホアプリの機能の一部を使えるに過ぎないので、ビジネスページの権限を与えてまで導入するメリットはなさそうである。

③Facebook Business Suiteによる投稿

ビジネスアカウントであれば、facebook business suiteからfacebookとinstagramへ同時に投稿できる。
当初はこれを使っていたが、写真をいちいち1:1にトリミングしなおさないといけなかったり、instagramへの投稿にやたら時間がかかることがあったりと不便なので、あまり使わなくなった。

そもそも同じフォーマットでいっぺんに投稿できないのであれば、それぞれを別々に投稿したほうがはやいし確実。

安定性が向上すれば、手っ取り早くfacebookとinstagramに同じ内容の投稿をするときに、これからも使うかもしれないが、ストーリーズ他全機能をPC上で完結するという目的から外れるので、これもボツ。

④エミュレータによる開発環境

linuxで使えるandroidエミュレータということで、genymotionを導入してみた。

結論からいうと、これはかなり使えそうだ。

開発環境下でほぼ完璧にinstagamアプリを稼働させ、すべての機能をPCの仮想android上で使える。

必要な写真などのファイルをPCのデスクトップから仮想androidのウインドウにD&Dしてやるだけでスマホストレージへファイルコピーできるし、PCで作成したテキストをそのままコピペすることもできるので、動画や写真の投稿にストレスがない。

ただ、virtualBoxを入れたり、google playのアプリストアのセッティング(もしくはapkファイルのインストール)、日本語入力環境などのセットアップにやや手間がかかるので、その辺りが面倒だと感じる(あるいはちんぷんかんぷんな)人には向かないだろう。

使う度にいちいちgenymotionを立ち上げるのが煩わしいなら、ずっとデスクトップ上に置いとけばいい。
頻繁にこれを使う場合はサブモニタに常駐させておいてもいい。

PCのスペックによっては、ときどきもっさり感が気になるかもしれないが、PCデスクトップ上で、インスタの機能をフルで使うという目的はとりあえず達成できた。

⑤スマホをつないでUSBミラーリング

④でもPCのスペックやモニタに余裕があれば、かなり快適にinstagramを使えると思うが、ウチのロースペックPCだと若干のもっさり感があったり、やはりその都度仮想androidを起動する時間がけっこう煩わしい。

そこでandroid版minecraftをPCモニタ上で操作するために導入した「scrcpy」というやつを使って、いっそのことスマホ画面をそのままPCデスクトップ上に表示し、操作してみることにした。

過去記事参照「簡単にお金をかけずにスマホゲームをlinuxPCモニタに表示し、あわよくばゲーム配信も」
https://note.com/bbp3110/n/na958ed633ea6

これはインスタに限らず、スマホアプリに特化したサービスをPC上で操作するのに非常に便利なツールである。

過去記事にも書いたが、画面がミラーリングされるだけではなく、PCに繋がっているキーボードとマウスがそのままスマホの操作にも使えるので、bluetoothマウス&キーボードなどを別途つなぐ必要はない(ただしゲーム等での使用にはレスポンスの問題が若干ある)。

開発者向けオプションの設定でUSBデバッグを有効にしたスマホをつなぎ、ターミナルでscrcpyを起動するだけで、PCモニタ上にスマホの画面がミラーリングされる。
あとは、マウスとキーボードを使ってinstagramを立ち上げるだけだ。

当然のことながら、スマホ上で操作するのと同様の機能がすべて使える。

PCストレージ上のファイルを投稿する場合には、「+」を押した後、ギャラリーから「その他」へ進み、左上の「三」メニューからネットワーク共有ができるファイルブラウザ(私は「CXファイルエクスプローラ」を使っている)を立ち上げ、サーバ化したPCへアクセスしてファイルを選択する。

動画が1分以上の場合は、「ファイルを読み込めませんでした」というエラーが出るが、スマホのストレージにファイルがコピーされているので、再度そこから呼び出せば、IGTVのほうに投稿されるようだ。

④のようにD&Dでファイルをコピーすることはできないので、あらかじめPCをサーバ化しておく必要があるが(他にもbluetoothやgoogleのクラウドを使う方法もある)、普段からPC-スマホ間のファイル共有を使っているなら、特にセッティングの必要もない。

④同様、PCデスクトップ上で作成したテキストをコピペすることもできる(コピペのショートカットも同様に使えるので非常に便利)。

過去記事参照「外付けHDDを起動時に自動マウントしてsambaサーバ化」
https://note.com/bbp3110/n/nc844f90bee45

結局、私はこの方法が現状ではベストではないかと思っている。

画面操作をしないでいると、画面がスリープしてしまうのを防ぎたい場合は、「開発者向けオプション」で「スリープモードにしない」というところをオンにしておくと、充電中はスリープの時間設定に関わらずミラーリング画面がスリープしない。

【あとがき】

ここまでやったが結局インスタは撤退、もしくは放置という事態も十分に予想されるが、instagramに限らず、今後さらにこういったスマホアプリの使用を前提としたサービスが幅を効かせることは避けられそうにないので、これらへの対策がこれからも求められるであろう。

老眼でスマホの文字を目一杯でかくしてもなお苛立ちを禁じ得ないおっさん勢にとって、広々としたPCデスクトップ上での操作環境は、なにものにも代えがたい快適さと安心感を与えてくれる。

文句をたれながらも、自助を目指す私のような人への一助となれば幸いである。

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