なぜネット広告の手数料は20%なのか?
ご存知の方も多いとは思いますが、広告代理店のネット広告手数料は20%の会社が多いです。
20%は以下のように外掛けと内掛けが存在します。
広告主が支払う費用総額:120万円
>外掛けパターン
広告費96万円+手数料24万円=120万円
>内掛けパターン
広告費100万円+手数料20万円=120万円
なぜ20%なのか?
推測するに昔から大手総合広告代理店の手数料が15-20%だったからという説が濃厚で、他の広告に比べたら少し手間がかかりそうだから20%にしたのかもしれません。
20%で儲かるのか?
ネット広告に使われる広告費が少なかった一昔前の広告といえばTVCMなどのマスメディア、電車などの交通広告、折込チラシなどのプロモーションメディアが主流で、広告費用の単価や作業工数において15-20%の費用でも十分に利益がとれていました。
ただ、世の中的にネット広告費が増えてきて徐々に状況が変わってきました。なんせネット広告は従来型の広告出稿して仕事完了。といようなものではなく、むしろ広告を出稿してからが仕事の始まりというような性質をもっている運用型広告が主流だからです。
定期的な広告の差し替えや配信先や入札などのチューニング、また詳細なレポートまで広告主から求められてしまい、とても20%では作業工数がかかりすぎ割りに合わなくなってきました。
さらに次から次に新しいネット広告媒体が登場したり、テクノロジーの進化で複雑性も増し工数の増加に拍車をかけてきています。
20%以上にできないのか?
答えは広告主によっては可能だし、難しい広告主もいるというのが現状ではないでしょうか?
みなさんの行っているビジネスを思い浮かべてみてください。
値上げ交渉ってなかなか大変ですよね。
もちろん、付加価値を高めて20%以上の手数料でやっている代理店や、最低出稿金額を高めに設定している代理店、逆に効率を追求したり、他の商品で採算を合わせるため20%以下の手数料でやっている代理店もあったりします。
一番大変なのは大企業をターゲットにしている大手総合広告代理店だと思います。コンペ案件も多く、特にネット広告代理店の存在はやっかいです。
某ネット広告代理店の中には自社メディアをもっている会社も存在します。その会社の営業手法は自社メディアに出稿してくれたらGoogle,Yahoo!,Facebookなどの広告手数料は0円などの交渉をしてきます。(自社メディアに出稿してもらえれば、その広告費は丸々利益になるのでトータルでは利益が出せるという仕組み)
差別化が難しいネット広告なのでその交渉は強力です。
大手総合広告代理店がネット広告手数料の相場を決め、自ら決めた相場の20%に苦しんでいるというのが今のネット広告業界ともいえます。
今後の手数料も20%なのか?
ネット広告の主要媒体は広告主が自ら広告を出稿することができるセルフサーブ型です。
そのため必ずしも広告代理店を通す必要はありませんが、日本では広告広告代理店に頼んでいる広告主がまだまだ多い状況です。
海外では代理店を通さない広告主の割合が多いことを考えるとインハウスといわれる広告組織を自社で持つ会社が今後さらに増えてくることが予測されます。
そんな状況の中、生き残る広告代理店はいかにネット広告以外にもクライアントのビジネスにおいて付加価値を提供できるかで明暗が別れてくると考えられます。
マーケティング全般のコンサルであったり、クリエイティブであったり、はたまたDXの支援などもっと広告主のビジネスの根幹に入り込んで伴走するような立ち位置が求められることになると思います。
そういうパートナーになれれば手数料20%という古い呪縛から解放されるのではないかと思う次第です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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