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円安と言って騒いでいるのだが

 いつものように、一斉に円安の話題で持ちきりだ。円安によって、輸入品が高くなり物価に反映され、物価が上がっている。でも、思い出して欲しい。円高の時も、問題だと騒いでいたと思うのだが。

 なぜ、円安になったかという説明では、アメリカの政策金利の上昇でドルが買われて、ドルが高くなり相対的に円が安くなったという。アメリカが政策金利を上げたのは、物価が高くなっているので、政策金利を上げて、物価を下げるためだと。

 その仕組みが説明されていた。金利を上げることで、不動産屋や車などを購入する場合に金利が上がって、ローンを組んで支払う金額が多くなるので、買うのを控える人が多くなる。そこで、売る側は商品を安くする。そのため、物価が下がるという仕組みだと。

 物価がローンで購入するものだけで構成されているなら、これで説明できるだろう。酷いものだ。政策金利を上げることで、銀行が中央銀行から借りる金利が上がるし、企業が銀行から借りる金利も上がる。そのために、お金を借りる量が減る。市中に出回るお金が減るので、お金の価値が上がる。結果、物価が下がるように見えるだけだ。

 今回の場合は、別の要因で物価が上がっているので、政策金利だけで物価をコントロールするのは難しいのではないだろうか。アメリカのFRBの思惑もわからない。

 基本の知識として、信用が低い国の通貨の方が金利が高い。金利が高いというのは、その国の通貨や国債は金利を増やさないと購入してくれる人がいない。金利が上がるというのは、通貨の価値が下がっているとも見ることができる。

 日本の場合は、なぜこんな低金利でも大丈夫なのか?それは、簡単だ。国内の銀行、証券会社、保険会社などが国債のほとんどを購入しているからだ。海外の人に購入してもらう必要だないから。低金利にしておいた方が、国債の金利も低いという大きなメリットがある。

 国債の額が高いほど、数%の金利上昇でとんでもない金額の借金が増えることになる。アメリカの金利が上がったからと言って、日本も金利を上げることは意味がない。

 日本の場合は、完全に市中にお金が足りないから。企業は、内部留保できるくらい儲けを溜め込んでいる。お金を借りる必要がない。銀行も新しい投資先を見つけて回収不能になるのを恐れている。新しい産業や、成長分野も見えてこない。

 個人向けローンや消費者金融のCMが増えたり、銀行がグループ会社にしたりして強化しているのは、お金をとる先が個人しかないからだ。

 手数料の増額も同じことだ。銀行は、儲けを出せる方法がないのだ。

 この状況は、何が目的だろうか?円安によって、輸出企業は儲けが増える。観光客も増える。本来は、自国の通貨安によって輸出や観光にプラスになるので、通貨安は悪いことではない。日本の場合は、構造変化をしたことで、かつてほど輸出は多くない。観光もコロナの影響で、増えていない。

 円安によって輸入でのデメリットしかない。結局、円安、原油高などの理由をつけて、商品価格を上げるとか、年金などの減額。税金の増加が目的ではないだろうか。

 どうやっても、アメリカ政府と日本政府は個人資産を根こそぎ持って行きたいのだろう。

 年金制度は、本当に酷いものだ。コロナで年金の徴収額が減ったために支給額も減ると言うのだ。年金を払っている金額が、そのまま支払う金額に全て使われているなら、それも説明できる。しかし、実際には年金によって徴収された金額でGPIFによって運用されている。

 つまり、年金はある程度の積み立て金、つまりバッファがある。徴収額が一時的に減ったからと言っても、そのバッファ部分が機能して、吸収するのが普通の運用だろう。

 本当に酷い話だ。役人と政治家が、自分達の仕事とお金を増やすために一生懸命に働いているだけだ。年金として徴収されたお金は、大手企業の株や海外の株、債権に化けている。それらは、帰ってくることはないだろう。

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