引き算ができない大人たち
モノが豊富な時代に生まれた世代には
「多ければ豊か」という価値観はない。
かっこいい車がほしい
立派な家がほしい
素敵な時計がほしい
そんなモノを持つことをモチベートにしてきた時代は徐々に少なくなりつつある。
「ミニマリスト」の登場は新時代の価値観の象徴である。
無駄な物を徹底的に排除し
最低限のモノで生活をしていくスタイルだ。
これはモノだけに限らない
引き算の役割や重要性を再認識してみる。
横行する足し算
我々が普段する仕事においては「足し算」のオンパレードだ。
ことあるごとにルールや約束事が足される。
日に日に増えてくルールや決まりに身に覚えがあるのではないでしょうか。
もちろん、ブラッシュアップしていく中で
必要不可欠なルールや決まりはあります。
しかし同時に、そうでないものもあります。
ひとつのクレームが入ると再発防止の対策を取らざる追えません。
その際に、新たなルールや決まりがトップダウンで導入されます。
現場は無尽蔵に足されるルールに逼迫していきます。
数万分の1のクレームであっても、再発防止をするのは
日本人の真摯な姿勢が見て取れます。
しかし、数万分の1件のクレームは変数でしかありません。
再発する確率と再発防止をするリソースを比較して
時にルールを増やさないという英断がむちゃくちゃ大切です!
無視するんです!
「そんなクレーム今までなかったし、次も数万件に1件くらいならええやろ」
と言えることが大事です!
ここで非常に重要なのが
足し算は容易にできるが
一度した足したものを無くすことが超超むずかしいということだ。
足し算は慎重に、引き算は大胆に
再発防止のために、現場で対策をとらせました!
同じクレームがないように部下に徹底しました。
不正のないように毎回提出するルールつくりました!
使用する際は毎度許可をもらうようにしました。
お客様に毎回確認するよう現場に指示しました。
足すことで解決した気になっているが
現場での柔軟性は落ち、ルール大国が完成する!
そうなると、安易引き算はできません!
一度出したルールや制度を撤回することは
示しがつかないし、語弊を与えかねないからだ。
でも、やるしかない!
「足し算は慎重に、引き算は大胆に」だ。
引くことの美学を勧めたい。