高松宮記念・考察

Twitterに上げた各馬短評がとっちらかって読みにくいので記事にまとめました。無料です(強調)

前提


去年はナランフレグが内から突き抜け、外を回したメイケイエールが5着に敗れたレース。イン以外を通すと即死するレースだったが、主な原因は3点。
①そもそも中京1200がコース体系的に内の強いコース
②開催3週目、かつBコース替わりで内の馬場がいい
③前日雨の当日晴れで悪化した馬場が回復していく過程。馬場の水分はインから抜けていくので最内が乾いて使えた。
特に③がイン差しの決まる決定打になった。今年も土日の中京は雨予報だが、馬場が悪化しているのか回復しているのかは大きなポイントになりそう。

雨が降り続け、悪化している馬場の参考レースは2021高松宮記念。内外全部時計がかかるので、中京特有の「4角で押し上げた際に振られる遠心力」が小さく、外外外で決着した。基本は内ラチキープが中京の鉄則だが、馬場が重くなるとやや傾向は崩れる。
良馬場であれば、Bコース替わりの恩恵でイン前有利が想定されるが、雨の影響をどこまで見積もるかが重要そうに見える。スプリント戦は騎手の馬場意識よりもなし崩し椅子取りゲームの様相が強いので、枠の並びが超重要になると思う。

各馬考察

ナムラクレア


ここまで全レースで掲示板を外しておらず、堅実に走る馬。昨年のスプリンターズSでは、イン前の強い馬場で大外に振られてしまい厳しいレースになったが、終いは使って5着と強い内容だった。前走シルクロードSでもトウシンマカオ相手に着差をつけて完勝しておりスプリント界での能力は最上位。
(補足)シルクロードSのトウシンマカオは⑮、ナムラクレアは②と枠順的には有利だったが、4角の進路取りはほぼ同じところを通しており、大きな有利不利は無かったように見える。斤量・仕上げの差はあるかもだが、この着差は評価してよさそう。

メイケイエール


昨年の高松宮記念では、イン前伸び・外回し一発アウトの馬場で外を回して5着まで飛んできており、かなり強い内容だった。スプリンターズSは案外な内容だったが、3角の入りから既に手ごたえが怪しく仕上がりの問題だったように思う。前走香港スプリントもハイレベルな香港で、テン乗り騎手騎乗、一部馬具使用できず、と難しい条件ながら5着と上々の内容だった。使い詰めでパフォーマンスを下げるので前哨戦使わずの臨戦はプラス。こちらもスプリント界での能力は最上位級。

アグリ


4連勝で重賞制覇、GⅠ挑戦の今回も人気の一角。条件戦で倒してきた相手は長く条件戦に留まっているレベルの馬であり、阪急杯もダディーズビビット(スプリント重賞で通用しないレベル)に迫られておりパフォーマンスは疑問。1:09.5の時計は優秀ではあるものの、あまり信頼できない一頭。

ピクシーナイト


3歳時の能力でいえば疑うことなく超一流、競争能力が戻っているかだけが考えるべきポイント。当初使う予定だった阪急杯をスキップしており順調には来ていないので、今回は無事に返ってきさえすればくらいか。追い切り派の考察を参考にしてください(投げやり)
(補足)追い切り派ではないので参考レベルだが、一週前追い切りの栗東坂路は全体、ラスト1Fともに怪我前と同水準のタイムは叩けている。

トウシンマカオ


GⅠ馬4頭輩出した伝説の朝日杯FS6着馬。スプリンター適性ながらマイルでこのメンバーに入ってこれだけやれるのはかなりの能力値。実際古馬になってからのスプリント戦線では重賞1勝リステッド1勝。馬券を外したキーンランドCも外を回されすぎる不利があったし、シルクロードSもトップハンデ、+12kgの緩め仕上げと本番では上げてきそうな内容。ただし、ナムラクレアの考察でも書いた通り外枠ながら進路取りはナムラクレアと同じラインを通っているし(これは鮫島騎手が上手かった)、斤量差も変わらない。仕上がりだけでナムラクレアを逆転できるのか?は慎重に考えたい。

ウインマーベル


シルクロードSは、上手く乗ったトウシンマカオに対してやってはいけない騎乗で、4角途中から追い出してしまった。59kgの斤量もありノーカンでよさそう。
ただ、キーンランドCは各馬内をあけて外を回しすぎた分ぽっかり空いた内をついて2着、スプリンターズSはイン前馬場のインとやや額面通りには受け取れない内容。特にキーンランドは、本当に一線級であれば勝ち切れる内容だったので、最大打点がGⅠ級かは少し考えたいところ。

ナランフレグ


昨年高松宮記念は、回復する馬場に限定的にできた最内を通した見事な競馬。ただ、完全フロックというわけではなく、スプリントではどんな展開でも確実に最速レベルの上りで突っ込んでくるこの馬の特性あってのもの。スプリンターズSでも前有利の馬場ながらよく追い込んできていた。前走オーシャンSでは着差をつけられてしまったが、これは馬場が速すぎた。この馬は時計に限界があるタイプで昨年のオーシャンSと走破時計自体はほぼ変わっていない。今回の高松宮記念は高速決着の可能性はほぼないので、持てる上りを使って届くかどうかという競馬になりそう。脚質的に競馬に融通が利くタイプではないので、伸びるところを通せる枠に入るかが重要。

ロータスランド


少し昔の話だが、関屋記念で適条件のカラテ、ソングラインに完勝しており能力値はかなり高い。去年の高松宮記念も重たい馬場を苦にせず伸びてきており、タフなレースで力を発揮するタイプ。
気がかりなのはスワンS、阪神カップと得意の阪神1400で馬券外に敗れ、前走京都牝馬も大外から出遅れ・イン差しワープとやや再現性のない内容。先行押し切り型の本馬に出遅れが出てしまったのも気がかりで、能力の絶対値の高さを認めつつもやや信頼できない一頭。

グレナディアガーズ


得意の阪神1400だった阪急杯で見せ場なく負けてしまったのがとにかく印象が良くない。3歳以降で唯一勝った阪神カップも倒した相手はGⅠ級からは劣るメンバー。パフォーマンス最大値が朝日杯から更新されていないので、急成長して上がってくるイメージも持てず。

ヴェントヴォーチェ


高速馬場での走破能力は凄まじく、春雷Sの勝ち時計1:06.8はロードカナロアのレコードに0.1差と迫る。オーシャンSも速い時計の出る馬場で能力を十分に発揮できた形。一方で、ペースが流れて上がりがかかる展開にめっぽう弱く、函館SSやスプリンターズSのようにコロッと負けてしまうこともある。スプリントGⅠでペースが落ち着くことはあまり無いのでGⅠ取るのは厳しいか、と思いつつも、明確な逃げ馬が居ない今回のメンバー構成なら案外流れず足が溜まるか?枠の並びも込みで想定ペースを慎重に見極めたい。

ファストフォース


2年前のCBC賞にて、3歳時のピクシーナイトに完勝(ピクシーの教育騎乗込みではあったが)。ピンパータイプだが、ハマったときは侮れない。速い時計の出る中京も好物で前走もナムラクレアを寸前まで追い詰めるいい競馬をしていた。逃げ一辺倒で逃げられなければ負け、というギャンブル馬だったが、前走差す形で好走し競馬の幅が広がった。軽い馬場で出した高いパフォーマンスを評価しているだけに、馬場が重たくなりそうなのはマイナス。万一土日晴れるなら強く推したい。

ダディーズビビット


メイケイエール以外低調だったセントウルSでも馬券外に敗れており、重賞で通用する能力があるとは思えず(これはアグリの低評価にもつながる)。ただ、逆に言えばアグリを高評価するのであれば阪急杯のダディーズビビットも評価できることになる。

トゥラヴェスーラ


この馬の最大打点は2021高松宮記念で、ダノンスマッシュ・インディチャンプら強力メンバー相手の4着はかなり評価できる。年齢的に流石に衰えを見せた前走だが、馬場が重くなってスピード質が問われなければ出番はありそう。
(余談)4着力がエグイ。

ウォーターナビレラ


短いところの馬だと思っていたが、念願の距離短縮だった前走が案外。牝馬限定であの負けぶりだと、さすがにGⅠでは出番はないと思う。

キルロード


持ち時計に壁のある馬だったが、京阪杯にて1:07.4を記録し成長(7歳だが)が見られた。ただ、スプリントにしては緩めのペースを番手で楽に追走できる展開ながらトウシンマカオにしっかり差されており、やや実力差があるか。最高に上手くいって去年の3着と考えるとなかなか買いにくい

ディヴィナシオン


夏の小倉で1:07.1の持ち時計がある通り、高速馬場でパフォーマンスを上げるタイプ。ただ、速い馬場ならヴェントヴォーチェのパフォーマンスに届かないため、万一晴れても頭は難しそう。重ならもっと買えない。

オパールシャルム


流石に買えない

ボンボヤージ


夏の小倉で穴をあけた馬は夏の小倉で買おう。

ホープフルサイン、レディバランタイン


除外対象。回避が出たらちゃんと考えるが恐らく足りない。

枠順前暫定


◎候補
ナムラクレア、メイケイエール、トウシンマカオ、ナランフレグ、ヴェントヴォーチェ
相手候補
ウインマーベル、ロータスランド、ファストフォース、トゥラヴェスーラ
多すぎ!枠と天気が決まらんと絞り切れないですね、さすがに。

追記・枠順


本命候補のうち、
内枠引いた
メイケイエール、ナランフレグ、ヴェントヴォーチェ
外枠引いた
トウシンマカオ、ナムラクレア
内外綺麗に分かれてくれたので、あとはどっちが伸びるか見て。開催3週目+Bコース替わりでベースの馬場は内有利。コース体型も内有利。
外が届くには、単なる重馬場なだけでなく「悪化していく重馬場」が必要。

追記・前日予想

中京芝・馬場
週中では「ベースの馬場はBコース替わりでイン前想定、雨の影響をどこまで見積もるか」とツイートしたが、思ったよりベースの馬場は内が傷んでいる(仮柵移動でカバーしきれていない)。土曜段階ではフラット(極端なバイアスはでていない)レベルに見えるが、天気予報ではこの後も雨が降り続ける予報のため、2021高松宮記念に近い外伸びが想定される。
中京にしては珍しく4角外回しがマイナスにならない馬場にシフトする可能性が高いため、外枠で嫌われる馬は狙い目になりそう。

◎ナムラクレア
能力評価最上位、かつTB恩恵の想定されるナムラクレアを本命視。
○トウシンマカオ
△メイケイエール、ナランフレグ、ヴェントヴォーチェ
基本は能力評価上位の馬に外枠プラス、内枠マイナスの評価付けし上げ下げ。最終的な予想と買い目はまた明日。


最終的な買い目は当日Twitterにて。

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