大阪杯・考察

Twitterに上げた各馬短評がとっちらかって読みにくいので記事にまとめました。無料です(強調)(2回目)

先週の結果
高松宮記念
◎ナムラクレア
〇トウシンマカオ
→はずれ

大阪杯・前提


阪神2000mは2200mに比べて前が残りやすい。スタートから1角の入りまでの直線が短く、先行争いが落ち着きやすいことが理由。類似の傾向は中京の2000/2200mでも見られる。 「小回り・前有利」条件の中距離GⅠは大阪杯ぐらいで、有力馬差し届かずパターンの荒れ方が頻出する。ここ2年は京都代替開催に耐える為固く丈夫に作られていた阪神の馬場だが、今年は京都が帰ってくるため皐月賞週が最終週。雨で荒らされた前開催の影響もあり徐々に外差しにシフトする事が想定される。コース形態上の先行有利度に、馬場の影響をどこまで乗せるかバランスが難しいレースになりそう。

各馬考察

スターズオンアース


秋華賞出遅れなければあわや牝馬3冠ホースであるが、今年の牝馬のレベルは例年並みで、ちょっと前のグランアレグリア世代、アーモンドアイ世代などのゴリラ牝馬世代には及ばない(比べるのは酷だが)。出遅れとはいえ秋華賞ではスタニングローズに完封されたし、マイラー質のナミュールにも最後の脚色は負けていた。凡その能力値はスタニングローズと大差ないと思うが、そのスタニングが中山記念でヒシイグアス、ラーグルフに明確な差をつけられている以上今回上位の評価は付けられない。世代限定牝馬の緩いペースしか経験していないので、古馬中距離GⅠのペース対応も課題

(追記) 一通りメンバーをさらってみると、意外と中距離古馬GⅠ級じゃなくても足りる気もする。 ラーグルフがこのメンバー中だとそこそこ高く評価できるので、スタニングローズ比較でこちらも評価はできるか。オッズ差は考えないものとして。

ヒシイグアス


中山記念時の考察でも書いたが、2022中距離戦線の中で宝塚記念は最もレースレベルが高かった。中山記念ではハンデ重賞レベルの馬たちに格の違いを見せた形。絶対的な能力値はGⅠで勝負になるレベルだし、コーナリングが上手く小回りコースでも確実に上がりを使う。去年の大阪杯では4着に破れているが、休み明け(元々明けで走らない馬)と終始外を回すコースロスが大きかった。 能力面でも適性面でもここはドンピシャで文句なく最上位評価。◎候補

ジャックドール


秋天での某騎手の騎乗で物議を醸した馬。金鯱賞を超抜時計で逃げ切ったり、札幌記念でズブズブに重い馬場を番手で押し切ったりと、2000mならコースは選ばず適応レンジが広い。天皇賞・秋も、イクイノックス・ダノンベルーガ相手に(何故か)スローの瞬発戦をしかけて差のない競馬を出来ていたし、実力は十分にGⅠ級。番手競馬も出来るが、逃げるのであれば59秒台で入るマイペース逃げ(ジャックドールにとっての)が理想で、単独叶いそうな今回のメンバー構成はプラス。前走の出負けがやや不安であるが、ハナで行ければなかなか捕まらないのでは。これも◎候補。

ジェラルディーナ


デビュー当時440kgだった馬格が470kgまでパンプアップし、課題だった気性面の難しさも克服して本格化。 ただ、オールカマーで負かした相手は中距離GⅠレベルとは言えず、エリザベス女王杯も重馬場外伸びの特殊馬場。有馬記念の3着も、逃げるタイトルホルダーをディープボンドが捕まえに行き、イクイノックス・エフフォーリアが仕掛け徹底的に前が掃除された後に後ろから突っ込んできた形。4着イズジョーノキセキ(さすがに中距離GⅠでは足りない)が来ていることを見ても額面通りに受け取るのは危険か。小回りは得意なので舞台は合うが、◎候補らとは能力面でやや差がある印象

ヴェルトライゼンデ


左回りのパフォーマンスは一級品で、枠順の利があったにしても2400ベストのシャフリヤール相手にクビ差迫ったジャパンカップは素晴らしかった。左回りの大箱なら確実に足を使って伸びてくるし、GⅠでも充分通用する(してる)レベル。長い直線でジワジワ伸びてくるタイプだけに機動力質の阪神内回りはフィットするイメージがない。能力は評価しつつも、やはり左でこその馬で大阪杯で買いたい馬では無い。

キラーアビリティ


強力4歳世代のホープフル覇者であるものの、クラシックでは出番なし。レースレベルがかなり落ちた中日新聞杯でギリギリ勝てるレベルで、続く京都記念ではプラダリア、キングオブドラゴンにも先着されている。59kgを背負ってこの2頭に勝ちきったヴェルトライゼンデとは差がある。

ダノンザキッド


中山記念の考察でも書いたが、「大箱」「タフ馬場」の条件が揃って高いパフォーマンスを叩ける馬。最大打点はマイル路線の中では一線級レベルであるが、中距離戦線へメンバーレベルが上がるのもつらい。大阪杯で買いたいタイプでは無い。

マリアエレーナ


速い時計での走破能力が高く、最大出力値となった小倉記念ではジェラルディーナ、ヒンドゥタイムズをちぎり捨てた。ただ、坂があるコースで止まってしまう非力さもあり、ウインマイティーに0.3差つけられたマーメイドSを思うと阪神2000は厳しいかもしれない。夏の小倉でこその馬か。

ノースブリッジ


AJCCで勝った相手はエヒト(ハンデ重賞級)とユーバーレーベン(混合重賞で通用しないレベル)、メンバーレベルもかなり軽かった。毎日王冠や天皇賞・秋など相手が強化されると出番はなく、高い評価はできない。

マテンロウレオ


キラーアビリティの考察で書いた通り中日新聞杯はメンバー軽く、中山金杯ではアラタ・フェーングロッテンらとタイム差なし、ラーグルフと0.1差。特に4角で大きく外を回したラーグルフと比較的内目に進路を取れたマテンロウレオの差はタイム差以上に大きかったように思う。GⅡで勝ちきれないレベルと同程度の能力でここでは足りないと思う。

ラーグルフ


中山記念ではヒシイグアスに明確に負けた形だが、タイム差は0.1。能力高く中山も得意なヒシイグアス相手にこれだけやれれば十分力は見せている。スターズ≒スタニングローズくらいと考えるとスターズオンアースに勝ててもおかしくは無い。ヒシイグアスより上には取れないが評価したい1頭

(追記)
中山記念の映像をよく見返してみると、各馬スピードアップする4角~直線の入りで大きく外を回す、かなり負荷の高いレースをしていた。ヒシイグアスも直線やや詰まってブレーキを踏む場面もあったので一概にラーグルフだけが不利だったとは言えないが、スムーズならもっと差を縮めていたように思う。
ヒシイグアスを高く評価しているので、ラーグルフにも必然的に高い評価を与えるべき。

ポタジェ

さすがにピークアウトか。2021年の毎日王冠、秋天で善戦していた頃は先行力があったし、大阪杯前走の金鯱賞では出遅れながら最速の上がりを使うなど見せ場は作っていた。近走からはいい時の先行力が見られず、いくらリピートの舞台と言えど好走を期待するのは酷に見える

ヒンドゥタイムズ

京都大賞典、チャレンジCで馬券外、メンバーレベルの大幅に下がった小倉大賞典で1着と、GⅠでやれるスペックは無いと思う。ただ、小倉記念では超ハイパフォーマンスを見せたマリアエレーナに千切られこそすれジェラルディーナには先着しており、全く力が無いわけではない小回りのコーナーでスピードに乗せ、短い直線を向いた時にはトップスピードに入っている、という小回り差し能力はあり、阪神2000自体は向いていそう。昨年小倉記念勝ちから臨戦したアリーヴォとタイプは似ており、3着ゾーンでの警戒は必要か。

ノースザワールド


終身名誉3勝クラスの門番が遂に重賞へ。とても感慨深い。
出るのか不明なので出馬決まったら考えます。
(追記)出走決まったので。
そもそも3勝クラスの門番をやっている時点でワンパンチ足りない馬で、勝ち上がりもローシャムパークの不発に助けられた。
2着を連続している間に負かされた相手もピンハイやエピファニーなど重賞で壁に弾かれたメンバー。(イズジョーノキセキはようやってる)
地道にOPかハンデ重賞からスタートする馬だと思う。

アラタ

緩かった中山金杯から、仕上げた前走。完璧に乗って3着であればここでは出番は無い。出走優先度はノースザワールドより下らしい。
(追記)ノースザワールド出走により除外。

ワンダフルタウン

流石に買えない

モズベッロ

流石に買えない。雨が降っても買わない。

枠順前・暫定

◎候補 ヒシイグアス、ジャックドール、(昇格)ラーグルフ
○候補 ジェラルディーナ、スターズオンアース
△マリアエレーナ
穴ヒンドゥタイムズ

結構実力拮抗?難しい重賞な気がする。適正面まで掘り下げてもう少し上げ下げは考えたい

阪神芝内回り・馬場(土曜段階)

馬場傾向が顕著に反映されやすい1200mのレースとして阪神10Rを見ると、想定よりインの馬場状態が良い。決着タイムも1:07.9と2勝クラスにしてはかなり速い時計となっていた。イン前が恵まれやすい馬場状態であり、外回しが一発NGとなることも想定される。速い時計持ち、かつイン前で立ち回れる馬の評価を上げて考えたい。

なお、阪神9R・アザレア賞では差しが決まっているが、こちらは外回りコース。外回りの方がコーナー付近の芝の傷みが進行しており、内回りより差しが届く馬場になっている。時計自体は速いのでバイアスとして出るレベルではないかもしれない。

明日も天気予報は晴れのため、大きな馬場状態の変化はないはず。馬場の最終的なジャッジは9R,10Rの2Rにて。

前日予想

◎候補 ジャックドール、ヒシイグアス
△マリアエレーナ、(降格)ジェラルディーナ、スターズオンアース
無印(降格)ヒンドゥタイムズ、ラーグルフ

能力最上位、かつイン前高速馬場の恩恵をフルに受けられそうなジャックドールを最上位評価。内枠のマリアエレーナ、ノースブリッジらをカットして外から切り込める枠の並びは絶好で単騎逃げ濃厚。今日の馬場継続で単騎で逃げればまず残りそう。力が最もある馬が馬場と展開に恵まれれば勝つ確率は高いと思う。

唯一逆転の目があると考えるのは同じく能力最上位評価の一角ヒシイグアス。今日の馬場状態は22宝塚記念時の条件設定に近い(時計が速く前が残る)ので、22宝塚レベルのパフォーマンスが叩ければジャックドールも捕まえられるか。

想定買い目
単勝⑨or⑭
※馬場がイン前継続なら⑨、フラット寄りに変化するなら⑭が基本線
馬連⑨‐⑭

△以下は印はつけたが買い目には入れない。


最終的な買い目は当日twitterにて。


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