ヴィクトリアマイル・考察

Twitterに上げていた各馬考察まとめ。無料です(強調)

NHKマイルの結果
◎モリアーナ
○シングザットソング
→はずれ

ヴィクトリアマイル・前提


今週から東京芝はBコース替わりで、テンプレ通りのイン前馬場になることが想定される。馬場の速さに関しても、この時期の東京はダービーに向けて速い時計が出せるコンディションに作られているため、良馬場ならほぼ高速決着となる。去年は良馬場ながら前日に降った雨の影響がやや残っており1:32.2の決着となったが、パンパンの良馬場であれば19~21年のように1:30台後半〜31台前半くらいまで速くなる。イン前馬場で超高速決着となると流石に後方一気は厳しく、前目につけて上がりの使える馬が強い。
渋って時計がかかれば18リスグラシューのように連対圈まで届くことも。

【VMと安田記念】
同時期の東京1600mで行われる2つのGⅠだが、前者はレース後半切れ味、後者はワンペース型の走破能力が問われレース質がやや異なる。
VMは牝馬限定戦らしく前半緩くなりがちで、ラスト3Fでどれだけ速い上がりが叩けるかの勝負になる場合が多い。中距離的なギアチェンジが要求されるレースになるため、各馬長い直線でどのくらいの上がりが最大値なのかはしっかり考慮したい。
VMと安田記念についてのリンクは文章で語るよりもアエロリットの馬柱を見てもらった方が早いかもしれない(丸投げ)

【集まるメンバー】
VMはマイルのGⅠと言うよりも上半期の牝馬の大目標という面が強く、ベストがスプリントや中距離の馬も参戦してくる。普段マイルを使われてない馬は、必ずしもマイルが合うと見込まれて出走しているわけではないので、ベストパフォーマンスが叩けない可能性も考慮しておきたい。

各馬考察

スターズオンアース


大阪杯が圧巻の一言。当時の阪神芝内回りは強めのイン前バイアスがあり、自分のペースで逃げれたジャックドール、先行して抜け出したダノンザキッドが止まらなかった。そんな中、出負け+接触があり後方になった当馬は直線後方から足を伸ばしてジャックドールとハナ差まで迫った。間違いなくレース中一番強い競馬をしていた。マイルCS2着など古馬マイルで戦えるダノンザキッドをバイアス無視で差し切ったのは強く、「強い牝馬」に留まる馬では無い。牝馬限定の今回は文句なく最上位評価の1頭。
400mの短縮ではあるが、ジャックドールが引っ張ったレースから緩い牝馬限定戦への条件代わりということで追走はそこまで難しくなく、中団やや後方あたりから上がりを使って届くかという競馬になるだろう。新馬戦やクイーンC、オークスで見せている通り左回りの上がり勝負は得意で東京は向く。例年通り馬場がイン前バイアスになったときに前(ソダシやスタニングローズ)を捉え切れるかどうかが鍵。
現段階では当然切れず、本命候補の一頭。

【余談】
オークスの走破タイムがアーモンドアイに0.1差ということで世間的にはハイレベルレースと言われていたが、スタニングローズの中山記念を受け価値を疑問視していた。結果この馬とナミュールがそれぞれ牡馬混合重賞で力を見せたため、スタニングの中山記念は適性外(あるいは休み明けの仕上がり)として、オークスのタイムに価値があったと修正する。

ソダシ


前年のヴィクトリアマイルが圧巻で、後の安田記念馬ソングラインに0.3差の圧勝。良馬場芝×ワンターンマイルでは牝馬トップの力を見せつけた。ペースが緩かったり道中ソングラインやファインルージュに不利があったことから恵まれた内容に映るが、ペースの上がりにくい牝馬限定のマイルでは馬場が良ければ毎回あんな感じでフルパワーを発揮するので額面通り受け取っていいだろう。
マイルCSでは馬場が苦手なタフ寄りに振れていたことや、差しが決まるバイアスだったことから3着は十分。ただし、同じような進路を通したダノンザキッドにはしっかり負けているのは無視できない。ただの牝馬限定であればマイルCS3着+前年圧勝で文句なしの実力なのだが、倒すべき相手のスターズオンアースは自身の苦手な条件でダノンザキッドを差し切っているため、ひょっとするとスターズオンアース相手だと足りないかもしれない。
Bコース替わりのイン前馬場なら恩恵はフルに受けられるため、スターズ含め後方が届かない展開なら前の馬だと一番この馬が勝つ可能性が高そう。
積み上げた実績は十分で舞台も合う、おそらく馬場の恩恵も得られる、ということで本命候補の1頭には置く。雨でタフ寄りの馬場になるなら評価を下げる必要がありそう。

ナミュール


東京新聞杯の内容がいい。本来不利な東京新聞杯(Dコース東京)の8枠からスタートを決め中団追走、内枠から単騎逃げに持ち込んだウインカーネリアンにアタマ差まで詰め寄った。ウインカーネリアンはイン前バイアスで前に行ければダノンザキッドを完封出来る馬(関屋記念参照)で、この日の馬場とレース運びは関屋記念のそれに近かった。従ってナミュールはダノンザキッド級(牡馬マイル重賞で勝負になる)ぐらいの力はあるはずで、ソダシ相手にも勝ち目があるように映る。
また、22オークスは決着時計の速さもさることながら、発走前のアクシデントで出走が延びに延びて3歳牝馬には厳しい条件だった。そんな中きちんと能力を発揮できた上位3頭は精神的にも強く、タフなレースでも持てる能力は出してくれるはず。
また、スターズオンアースとスタニングローズに先着されてはいるものの、通った位置取りが外伸び馬場の内だったのでそこまで差のない負けであった。秋華賞においても直線入り口付近で同じくらいの位置取りだったスターズオンアースに先着しているし、今回も少しの展開のアヤで逆転は狙えるはず。本命候補の一頭。

ソングライン


この馬の最大打点は安田記念で、シュネルマイスター筆頭に並み居る強豪牡馬相手に差し切り勝ち。
ただ、やや額面通りに受け取れないレース内容ではあった。安田記念にしては珍しく極端なスローペースで多くの差し馬がタメ殺しで、ダノンザキッドが内に内に切れ込んだ影響で伸びない内に押し込められる馬多数、ソウルラッシュ・イルーシヴパンサーはどん詰まりでシュネルマイスターも直線挟まれ追い出し遅れ…と不発に終わった馬が多かった。そんな中で外伸び馬場の外を不利なく回ってこれた恵まれた内容だった。(恵まれて勝ち切るだけの力はある)
割と繊細で接触不利がそのまま負けにつながるタイプで、テン乗りでどこまで上手く乗れるかがポイントになりそう。後方脚質なのでスターズオンアースやナミュール以上のキレ脚を使わなきゃいけないのはちょっとしんどいか。能力はそこそこも、馬場や展開利も見込め無さそうで△評価まで。

ナムラクレア


かなり強いスプリンターであることに疑いはないが、一気の2F延長でソダシスタオンナミュールに匹敵するパフォーマンスが叩ける根拠を見出せない。距離延長のために調教から折り合いつけるよう腐心してようやく持たせたのが阪神JFや桜花賞だったので、ベストがマイルでないのは明らか
能力の違いで適性外でも走れる、とするなら今の混沌としたスプリント界ではぶっちぎりレベルの力は見せていないと厳しい… 現状無印。

スタニングローズ


ナミュールのところで書いたが、オークス上位3頭は高く評価していい。ただし、道中の運びは内ラチ沿いで距離ロスを抑え、直線はスターズオンアースと同じ外の伸びるラインへ持ち出しと、内枠の利も活かしきった形での完敗で、府中の直線勝負ではスターズの方が上か。3着のナミュールは外伸び馬場の内を通ってスタニングに迫っていただけに、この2頭と比べるとやや落ちる。ベストは秋華賞のような小回りの機動力戦で先行力を活かす形なので、府中のガチンコ直線勝負は不向きか。
前走中山記念は5着だが、もともと休み明けは動かない馬だし、叩き二戦目のラーグルフ(ハンデ重賞級)相手に0.1差なら上々。
基礎能力は高いし、スタート不安もないのでBコース替わりの恩恵は預かれるはずで、ベストではなさそうな府中マイルだがやれてもおかしくない。上位評価から1枚落ちの○評価まで。

ルージュスティリア


勝ったのは条件戦のみで、そこまで抜けた勝ち方でもなかったし、前走も直線接触(ぶつけに行った方だが)があり、能力判断が難しい。新馬戦ではスターズオンアースを倒しているらしい。
強く買いたいと思える要素もなく、現状無印。

サウンドビバーチェ


前人未到の三冠レースで2回放馬した馬。マトモに走れた紫苑Sではスタニングローズに負けたし、洛陽Sでは非重賞級メンバー相手に完敗。阪神牝馬でも当時の強烈なイン前バイアスを活かし切っての勝ちだったし再現性は薄い。
ただし、Bコース替わりのVMはローザノワールがあわや3着に残りかけるレースで、単騎で逃げてしまうと存外捕まらない。間違いなくローザノワールよりは力のある馬なので、枠の並びで単騎逃げになりそうなら抑えても。現状△評価まで。

ララクリスティーヌ


1400が主戦場の馬。1400の土俵ではトゥラヴェスーラに先着・ダイアトニックに0.1差と強いところは見せているが、府中のガチンコ直線勝負でやり合えるほどの脚があるとも思えず。無印。

メイケイエール

フレグモーネにより回避との事。

ステラリア


マイル〜1800が短くて2000m以上の混合重賞を使われていた馬。抜けた時計の忘れな草賞勝ちがあるが、21エリ女のようにタフなレースでジワッと伸びるのが真骨頂。大阪杯8着・新潟大賞典5着と混合重賞でもそれなりに頑張れており牝馬限定の中だと上位の力はあるが、今回は上位の馬が牡馬と勝ち負けできるレベルのため、そこからは何枚か落ちる。不向きな舞台でこれまで以上のパフォーマンスが叩けるかと言うと微妙で、あまり買いたくは無い。現状無印。
(この馬を番手先行させた川田、凄い)

ロータスランド


高松宮記念の考察で書いたが、良かった時の先行力が失われてしまっており、ピークアウトの感がある。前走も得意な不良馬場でありながら持ち味を活かせず。速い時計のマイルに対応できる根拠もなく、無印。

クリノプレミアム


小回りコースを機動力で制圧するのが武器の馬で、去年の中山牝馬〜府中牝馬までの成績を見てわかる通り府中の直線ガチンコ勝負はまるで合わない。近走では折り合い面に難しい所を見せており、ここで浮上する根拠も見い出せず。無印。

イズジョーノキセキ


府中牝馬では、1800mというソダシの適性レンジやや外+差しが決まりやすい東京1800という2つの要素が重なった結果ではあるがソダシを差し切った。有馬記念では内枠スタートからラチ沿いで足を温存でき着狙いの差しがハマった(4着だが)。それぞれ完璧に力で持ってきたという訳ではないが、1800と2500(しかも片方は有馬記念)でここまで走れるメンバーが今回どれだけいるか、と考えると上位人気に推されても不思議では無い。前走の凡走は完全にルージュスティリアとの接触のせいなのでノーカウント。東京マイルでの出力値は未知だが魅力十分。○候補。

アンドヴァラナウト


安定感のまるでない馬柱だが、府中牝馬と阪神牝馬の内容に注目。府中牝馬ではゴール手前までソダシと併せ馬の形でしっかり伸びてきており、そこまで差のない内容(ソダシに対しては完敗ではある)。阪神牝馬は出遅れ最後方から最速の上がりを使ったものの、強いイン前バイアスもあって5着に留まった。最大出力値がソダシよりちょっと足りない程度、阪神牝馬は明らかに長い直線で巻き返せますよという内容で、今回きちんと走れれば3着圏はあっても。△候補の穴。

枠順前・暫定印


◎ソダシ、スターズオンアース、ナミュール
○スタニングローズ、イズジョーノキセキ
△ソングライン、サウンドビバーチェ、アンドヴァラナウト

高いレベルで実力伯仲の好メンバーで、印は絞りきれず。天気と枠順で上げ下げは考えます。

東京芝・馬場(土曜日)


Bコース替わり典型のイン前最強馬場という感じでは無い。時計も割と速いが、降雨の影響もちょっとあったかバリバリの高速馬場という感じでもない。ここに明日はほぼ朝から雨降りどおしなので、インが緩く伸びない・外が伸びる先週のNHKマイルCに近い馬場になることが想定される。
イン前馬場なら評価できていた馬(例:サウンドビバーチェなど)は下げる必要ありそう。また、スプリントが主戦場の距離延長組にも過酷な馬場になりそうだ。
逆にマイル質の追走に不安がある短縮組(スターズオンアースが筆頭)は追走が楽になるためプラスに働きそう。

予想印・前日暫定

◎ナミュール
○ソダシ、スターズオンアース
△スタニングローズ、アンドヴァラナウト、イズジョーノキセキ
無印(降格) サウンドビバーチェ、ソングライン

降雨の影響で真ん中〜外が伸びる馬場になる事が想定されるため、中枠から自然と恵まれる競馬が出来るナミュールを本命視。極タフのエリ女でもそこそこ走れているため、雨のマイナスは少ないだろう。同等クラスの◎候補評価だったソダシ、スターズオンアースより競馬のしやすい枠ながら人気は3番人気でここから。

ナミュールを単独◎候補に上げる形でソダシ、スターズオンアースは○へ降格。

△候補のうち内枠を引きたくなかったソングラインとイン前の強い馬場が欲しかったサウンドビバーチェは無印へ降格とした。

買い目案
◎単勝+何か

何かについては、ソダシ、スターズオンアースが問題なく力を発揮出来そうなら◎○○三連複1点、コケる余地がありそうなら◎ー△(どれが1頭選択)ワイドを想定。

ナミュールに大口が入って5倍を切るようだと買えなくなってくるので、オッズの動きと馬場は直前まで見て結論を出します。

最終的な買い目、印はTwitterにて。

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