桜花賞・考察

Twitterに上げた各馬短評がとっちらかって読みにくいので記事にまとめました。無料です(強調)

先週の結果
大阪杯
◎ヒシイグアス
→はずれ

桜花賞・前提


阪神1600mは紛れの少ない王道マイルで、馬場がフラットであれば21桜花賞のように一番強い先行馬と一番強い差し馬がハナ差で入着する非常にフェア(本来の意味)なコース。直線が長いだけに上り能力は要るが、先行力があって上位5位くらいの上りが使えるタイプも来れる条件設定。
しかし、最近は阪神の園芸課が張り切りすぎているのか開催が進んでも内の芝の傷みが進行せず、仮柵の移動も手伝ってイン前有利のまま開催が終わることも。去年の阪神は前日の阪神牝馬Sでやや足りないメイショウミモザがイン前バイアスを生かして勝ち切ってしまうなどかなり強烈な馬場であった。
阪神1600は3,4角のコーナー角が緩いため、ラチ沿いをキープしたままでも無理なくスピードに乗せることができる。内ラチ沿いの馬場の傷みがないと、外枠の差し馬は単純に距離ロスだけのっかる形なので外回しはかなり厳しくなる。今年の馬場が21,22年どちらの馬場寄りなのかは注意すべきポイント。21年っぽいフラットな馬場なら、コースのフェア(本来の意味)性が出るので単純に強い馬。 22年っぽいイン前馬場なら、先行力のある馬、もしくは馬群を割れる差し馬に注目したい。
先週の阪神外回りはそれなりに差しが届いていたが、内ラチ沿いの傷みは仮柵移動でカバーできる範囲内に思える。週中の天気もおおむね良好(金曜ちょっと雨降るかも?)で、時計は速そう。 ということで、22年桜花賞っぽい馬場に寄るんじゃないかという想定でいる。

各馬考察

リバティアイランド

新潟新馬戦の上り31.4秒、ラスト3F10.9-10.2-10.9はシンプルに異次元。恐らく2歳戦史上最速の上り?(過去20年内ではこれ以上のものはなかった) いくら上りの出やすい新潟とはいえこの数字は抜けており、非凡な能力の持ち主であることは間違いない。

続くアルテミスSでは、外を蓋されてなかなか外に出せない中ロスなく外を回していったラヴェルに先に抜け出され差し切れなかった形。とはいえ追い出しが遅れた分足が溜まった格好ではあるし、進路取りもコースの伸びるところを進めていたため大きなロスとは言えないか。このレースに関してはラヴェルと同等くらいの評価。レースの上り4F46.0秒と持続力も求められるレースであり、レースレベルは高かったように思う(以降のアリスヴェリテの不振が引っかかるが、これはヴェリテ一族っぽい曲線ではあるので早めのピークアウトかな)

阪神JFはサンティーテソーロが飛ばして逃げ、先行馬が壊滅するタフな展開。アルテミスSで追走力なくポジションを下げた課題を払しょくし、しっかり追走して見せた。最後はラスト2F12.5-12.5とタフな上りを差し切り勝ち。スロー瞬発戦にもタフな消耗戦にも対応し、好走レンジの広さ=能力の絶対値の高さを見せたレースになった。 ただし、「リバティアイランド自身の課題の克服」という面では評価できるレースであったが、「ハイペースで前が崩れ」「有力馬が3頭出遅れ」という中で一番普通にレースをした形でもあった。このレースでの突き抜けを額面通り受け取れるか?は慎重に考えたい。

(ここからやや難癖) アルテミスS、阪神JFで感じた印象だが、この馬は馬群を割れないのでは? アルテミスSも強気な馬なら割れるスペースはあったし川田騎手もそれを試して、無理だったので外に進路を切り替えたのでは。阪神JFでも早くから外に持ち出していたのもそれが理由か(普通に外伸び馬場だったという面もある) フラットな馬場になれば普通に外を回してOKだが、去年と同じような馬場になればスターズオンアースのように馬群に突っ込んでこじ開ける必要が出てくると思う。馬券外になるならイン前馬場で場群を割れないか、包まれて外に持ち出せないか、といったところか。
(難癖終わり)

総合的に言うと、「強いのは間違いないが、1倍台で買える馬かどうかは懐疑的」くらいの評価に。脚質と馬群を割れなさそうな特性から取りこぼすシーンも数パターン思い浮かぶため、恐らくこの馬に反発した馬券を買う(か、やらない)ことになりそう。

ライトクオンタム

新馬戦の内容がとても良い。入り1F以外11秒台で流れ、ラスト4F45.9秒とアルテミスSと比べても遜色ないレベル。新馬戦、かつノーステッキで叩いたパフォーマンスとしてはかなり高水準だった。シンザン記念は出遅れて後ろからになってしまったが、差す形で快勝。少頭数かつ外伸び馬場を活かしての勝利なので鵜呑みには出来ないが、2戦目で牡馬混合重賞を取れたのは大きい。 スタートが上手くないことと、揉まれた経験が無いのが不安要素ではあるがまともに先行出来ればここでも戦えるのでは。本命候補の一頭。

ハーパー

クイーンCの稍重1:33.1は(稍重といっても速い時計が出てはいたが)好時計。馬群に包まれながらも直線抜け出していいパフォーマンスだった。ただ、内でゴチャついて追い出しの遅れたドゥアイズとは僅差。ドゥアイズは阪神JF3着とはいえリバティアイランド相手にはしっかり力差があった馬なので、ドゥアイズと接戦だとリバティアイランドには届かない可能性の方が高そう。 能力は一定の評価をしつつも相手候補までか。

ドゥアイズ

1着は取り切れないが、9月の重ためだった札幌2歳から高速決着になったクイーンCまで堅実に走る。勝ったり負けたりしているドゥーラ、モリアーナ、ハーパーあたりとは概ね同じぐらいの力だと思う。ただ、阪神JFでは自分のレース運びができた上でリバティアイランドに完敗しているので逆転は難しそうに見える。ハーパー同様相手までの評価に。

ラヴェル

新馬戦の後半5Fの綺麗な加速ラップが優秀。2歳夏の小倉で加速ラップを踏めるのはドウデュースやキラーアビリティなど優秀な馬が多い。アルテミスSもそれなりに締まったペースかつ後半4F46秒の流れを差し切り、(進路を切り替えるロスがあったが)リバティアイランドに土をつけている。
兎にも角にもスタートが課題で、阪神JFでは最後方スタート、2秒でレース終了となってしまった。ただ、同じく出負けしたドゥーラがしっかり上がりを使って6着まで上がっているのとは対照的に、外の伸びる所を通りながら全く伸びて来なかった。この内容だけ取るとシンプルに力が足りないだけという負け方なのだが、新馬・アルテミスSのパフォーマンスは高く見限れない。

3戦3出遅れと今回も出遅れ前提で考えるべき馬だが、出遅れから外を回して届くような馬場と展開だとリバティアイランドが突き抜けていそうで、頭まではないか。リバティを買うならセットで抑えたい一頭ではある。

コナコースト

こちらも小倉新馬戦の加速ラップが優秀。中間も流れたぶんラヴェルより評価できる。続くエルフィンS、チューリップ賞では逃げ馬を捕まえきれなかったが、どちらも強い馬が自分のペースで逃げたため捕まえるのはなかなか難しかった。スパッと切れるタイプではなく追ってからトップスピードに乗るまでガシガシ追わないといけないが、直線では確実にグイッと伸びてくる。スタート後の二の足がよく前目に位置取れるので、前目からそれなりの上がりを使える馬というリバティを倒す候補として狙いたい馬の特徴に合致する。 馬場と枠の助けは要りそうだが高く評価したい一頭。本命候補。

シンリョクカ

新馬戦、中間大きく緩んだとはいえ稍重で11.6-11.0-11.1を差し切りは強く、阪神JFではキャリア1戦という経験値の低さを能力で補った格好。ただ、前が崩れるペースの中追走に手間取り位置取りを下げたこと、最内で上手く溜めれた事などかなり上手く行った面もある。その中でリバティにはしっかり着差を付けられており、逆転出来る目は薄いように見える。前回大穴を開けたことも含め、今回はやや買いにくい一頭。

ペリファーニア

チューリップ賞では大外から出負け→追ってポジションを取りに行く→かかる、とバタバタな競馬。スムーズでないながらもモズメイメイ、コナコーストとタイム差なしの3着なら、デビュー2戦目として上々の内容。 荒削りな面が改善されればもっと強くなりそうだが、桜花賞本番での一発回答を求めるのはさすがに酷か。 直線の入口では番手まで上がったものの、ゲートの出もやや不安。 素質は感じるが良くなるのはもう少し先かなという感じでここではあまり買いたくない。

キタウイング

オーバーペースに巻き込まれた阪神JFは度外視でOKとしても、勝った新潟2歳はメンバー薄く、フェアリーSは内伸び馬場の内にポッカリ押し上げスペースが空いていた。チューリップ賞で特に不利なく立ち回ってモズメイメイ、コナコーストらに差をつけられたのがこの馬の現在地か。無印。

モズメイメイ

東京新馬の後半4F45.7というレースラップが高水準で、先行力とそれなりの上り能力がある。番手に控えたつわぶき賞で負けたルミノメテオールを、チューリップ賞では逃げて完封しており、ベストはスロー逃げか。武豊Jの逃げで2連勝した馬の乗り替わりは歓迎できないが、スタートやや不安なライトクオンタムが出負けすればスルーで逃げられるかも。逃げやすい枠の並び、かつイン前馬場が揃えば。 上位評価はつけられないが警戒したい一頭。

(武豊、分裂せん?)

シングザットソング

スタートに(死ぬほど)課題のある馬で、白菊賞・エルフィンSと連続して出遅れ最後方。特にエルフィンSは後方2番手からも大きく離される大出遅れ。しかしラストはチューリップ賞2着のコナコーストにクビ差まで迫っており、荒削りながらかなり強い内容だった。
続くフィリーズRでは抜群のスタートを決め先団に取り付き前目から押し切った。フィリーズRはスプリント質の3歳牝馬が揃って前傾ラップの前崩れになりやすいレースで、この日も前傾・ハイペースから2,3着には後方から差してきた馬が入った。馬場も外差しに振れていただけに着差以上にこの内容は良く、例年桜花賞に直結しないフィリーズR組だが高く評価したい一頭。スタートに明確な課題があり、それを解決してきた馬なので、典型的な「出来ないことが出来るようになった馬」。去年もスターズオンアースが直線でのもたれ癖を解消して2冠(幻の3冠)まで登りつめたように、明確な課題を解消した馬は強い。前走たまたまスタート出ただけ、という可能性も低くは無いが、最大出力は十分期待出来る。1400からの臨戦でポジションを取れそうなのも良い。逆転本命候補。

※連続でコンビを組んでスタートを出した吉田隼Jの乗り替わりは影響大の可能性も。吉田隼人、分裂せん?

ドゥーラ

ドゥアイズ相手に勝ったり負けたりしている馬。ホープフルS馬ドゥラエレーデにもシレッと勝っている。この馬もスタートが良くなく、ここ2走は後ろからの競馬。前走は直線インに切れ込んで詰まるレースぶりで度外視してもいいと思うが、ドゥアイズと同じくらいの力と考えるとスタートに難のあるこちらを買う気にはなれない。後方からの競馬でリバティアイランドを差さないといけないのはつらい。諸々目をつぶってドゥアイズとのオッズ差に妙味を求めて買う手もあるかもしれない。現状無印。

コンクシェル

アネモネSの追い込みが強かった。この週の中山は時計も速く先行した馬がそのままなだれ込むシーンが多かったが、後方から差してきて2着まで迫ったのは評価できる。決着タイムも1:33.8と悪くない。後方脚質のためリバティアイランドを差せるかは疑問も3着ゾーンの穴としては注目できる。

トーセンローリエ

アネモネS快勝も、当時の時計が速く前が残る馬場に助けられたのは否めない。3~5着も前目に進めた馬で、後方から差してきたコンクシェルが強かったレース。阪神1600の上がり比べで浮上するイメージはあまり。ペースは流れた方がいいので、スローになるなら逃げてしまっても。

エミュー

フラワーC1着も、薄いメンバーと不良で差しの届く馬場に助けられた。ここ3戦スタートを決めれておらず今回も後方からが想定されるが、後ろからならリバティアイランド筆頭に強い馬が多くあえてこの馬を選ぶ意味は薄そう。買えない。

ジューンオレンジ

シングザットソングの所で書いたが、フィリーズRはハイペース前崩れのレース。後ろからなだれ込んだジューンオレンジは評価できない。買えない。

ムーンプローブ

ジューンオレンジと同じくフィリーズRの内容は高くは評価できないが、阪神JFの大敗は前崩れハイペースに巻き込まれてのもの。今回ペースが落ち着けばもう少しやれても。

回避などあるかもしれないので、除外ラインの馬は出走確定してから追記します。

枠順前・暫定

☆リバティアイランド
◎候補
コナコースト、シングザットソング、ライトクオンタム
△候補
ドゥアイズ、ハーパー、ラヴェル、モズメイメイ、コンクシェル

リバティアイランドは別格として☆。これを倒せる可能性のある前目の馬から本命は選びたい。馬券の買い方としては、2,3着の席を狙いつつ☆が馬券外になったときにダブル的中を狙いに行くワイド流し(3点程度)をベースに考えたい。

阪神外回り・馬場(土曜段階)


阪神牝馬Sのインインイン決着を見てわかる通り土曜日は極端な内有利馬場。ただこのイン伸びが ・悪化した馬場が内から乾いた ・Bコース替わりでラチ沿いの傷みがカバーされた どちらの影響か(あるいは合わせ技か)はわからない。前者であれば明日はもう少しフラット寄りに戻るし、後者であればイン前優位は継続。 ただし、前者だった場合も明日馬場が良化して時計が出てくると、それはそれで差し届かずの馬場になりそう。 基本的には2022年レベルのイン前優位・外回し一発NG馬場をイメージして、明日のレースを見ながら補正したい。

予想印・前日

◎コナコースト
土曜の馬場を見てもイン前のポジションを取ることは必須条件。内の有力馬を見ながら先行できる中枠のいいところに入ったコナコーストを本命にする。
〇シングザットソング
本命候補だったが、出負けした場合に外を回して間に合う馬場ではなくなったので1つ評価を下げた。オッズは付くので好発期待で〇評価。
▲ドゥアイズ
馬群を割れるイン差し馬は絶対抑えるべき。

△(買わない寄り)
モズメイメイ、ハーパー

ライトクオンタム、ラヴェル、コンクシェル

想定買い目
◎単勝
印ワイドBOX

最終的な買い目は当日twitterで呟きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?