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小説 最高の休日 6

次は服を見たいな。
無印良品の前にあるモダンなインテリアショップ、側のプロヴァンス風雑貨屋の店内をまわったあと、真帆はエスカレーターで1回に降りた。

黒い小花柄のワンピースを着たマネキンに魅せられ、フェミニンなショップに入る。まだ結婚する前、デートや飲み会に来ていく服がないと、よくここで探した。今はカジュアル一辺倒だが、元々はこういうフワッとした服が好きだったことを思い出す。
そういえば来月、小学校の保護者会がある。来ていく服がなかったと真帆は思いだし、それ目当ての服を探すことにする。

紫のチュールスカート、ブルーグレーのプリーツスカートも気になったが、合うトップスをもってない。スカートにあわせてここで買うと2万近くする。それならと、店頭に戻りマネキンを見上げる。
「こちらのワンピース、すごくかわいいですよね、着てみるとすごくシルエットも綺麗なんです」
若い店員に話しかけられる。それが流行なのか、一つに結んだ髪の両サイドが赤く染まっている。
「えっと試着できますか」
「もちろんですよ」
店員は傍のラックから同じワンピースを取り上げ「こちらにどうぞ」と試着室に誘導した。
これ、買っちゃうパターンかも。
真帆は試着室に入りワンピースの値札を見る。12000円。買えない額ではない。似合っていたら買おう、上下で買うより安上りだし。

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