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愛しのインスタントラーメン

朝起きて鏡をみたら、顎のラインがブォンと一回り緩んでいた。夕食にインスタントラーメンを食べまくったから?昼は『辛ラーメン』を食べたが、こちらもインスタント。

私はもともと食べる習慣はないのだが、配信で推しがおいしそうに啜るシーンを見てから、私の頭はインスタントラーメンを食べたい気持ちでいっぱいに。昨日だけでなく、最近何度か食べている。

インスタント麺といえば、幼い頃カップヌードルが食べたくて仕方なかった。毎週楽しみに見ていた『キテレツ大百科』では、キテレツ家の横に住む浪人生の男が、しょっちゅうカップヌードルを食べながら登場していた。お金がないことを象徴するシーンなのだろうけど、とにかくおいしそうに見えて、食べたくて食べたくて母にお願いしたが「体に毒よ」と一蹴された。なお、マクドナルドハンバーガーの肉はねずみの肉、コーラは骨が溶けると同時期に教わっている。

しかし、あまりにも私と弟がしつこかったからか、ある時、家族人数分買ってきてくれて、昼食に5人揃って食べることになった。小学2年生ぐらいの時だと思う。日清のカップヌードルで、シーフードや醤油など定番味と、それとは別の大型のカップ麺があったと思う。私は浪人生(たいぞうさん、かな?)が手に持つ形と同じ筒型、日清カップヌードルを選んだ。味は醤油な気もするし、シーフードだった気もする。

で、湯を注いで3分待って、口に入れたが、全くおいしくない。むしろ気持ち悪い。あの玉子のふわふわ、肉の臭み、麺もスープもただ気持ち悪くて、ほんの数口で残した。弟と兄は割合食べていたし、勿体ない思考でなんでも食べる父は完食、母も半分ぐらいは食べていた。私の味覚が育ち過ぎたせいか何なのか、食べ慣れない不自然な味にギブアップしてしまった。

私が残したヌードルは、おそらく父が全部食べきったと思う。父は食べものを残すことを勿体ないと思う人で、外食でも子どもが残したものを、お腹いっぱいなのに関わらず、無理してでも食べる人だった。

それから家族皆で食べることはなくなったが、母はカップ麺の手軽さに気づいたのか、数種類を買い置きするようになった。中には焼きそばもあったし、しばらくすると生麺が売りの「羅王」「麺の達人」が売り出され、油麺より身体に良いと思ったのか、ストックされ、休みの日など、指示通りに子どもだけで食べることもあった。物足りなさもあったが、おいしいと思うことができた。

ただ、やはり今になっても、あの日清のカップヌードルは積極的に食べたいと思えず、別メーカーを選ぶ。
朝ドラ『まんぷく』を見ていたときも、やはりインスタントラーメンが食べたくなった。サッポロの袋麺を買い食べていたら、当時5歳ぐらいだった長男に「食べたい」と言われ、作ってあげることもあった。

兄が遊びにきたとき、私が袋麺を調理して食べさせているのをみて「そんなものを、子どもに食べさせていいの?」、半ば非難の目を向けられた。その日の夜、母から電話があり、袋麺なんて一番よくない、添加物たっぶりだ、変なものを食べさせないように強く言われ、しばらくして健康食品売り場で買ったような袋麺が送られてきた。

その袋麺を、私は一人で食べた。なんていうかおいしくも不味くもない、記憶に残らない味だったし、私がそれを買うことはなかった。高いしね。





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