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ハマの一番星になってくれ。

度会に求めること

「ハマの一番星」に相応しいデビューだった。度会隆輝、2023年ドラフトで3球団競合の末ベイスターズに入団。オープン戦で首位打者を獲得した勢いそのままに2試合連続のホームラン。ただ、そこからは苦しみ、5月19日現在はファームで調整している。首脳陣曰く、「将来レギュラーをとるため」に必要な調整。この判断に異論を挟むファンは少ないのではないかと思う。

このブログではゴールデンルーキー、度会の編成上の意味について、そして今年の度会に期待する水準について考えていく。

さて、この記事の遂行中にDELTA社のメールマガジンで度会が取り上げられた。概ね見解が一致していることに安堵しつつ、そのまま記事は公開することにする。

度会のもたらす編成の自由度

まず、ベイスターズは戦力に恵まれているわけではない。コアを育成しつつも、ドラフトで獲得した選手の予想以上の活躍や突発的な大物の加入などの上振れで優勝を狙う編成をせざるを得ないチームだと思っている。黄金期が来るとすれば数年後、牧の全盛期に松尾が日本を代表する捕手になり小園がスーパーエースになったそんな状況だろう。萩原チーム統括本部長の「このままの延長線上に優勝はない」という判断の裏にはこのような認識があると推測している。
さて、今日の主題である度会である。守備位置から確認しよう。プロ入り後現在まではライトのみを守っている。一般的にライトを守れる人はレフトを守ることができるのがほとんどだ。横浜高校時代は、必ずしも守備面の評価は高くはなかったが、セカンドを守っていた。セカンドを守れていたこと、そして肩の強さからしてサードもこなすことは不可能でないだろう。

一方、打撃である。コンタクト能力が高く長打も期待できる一方でゾーン管理能力には優れていないように思える。とりあえず全球振りに行っているような始動に見えるし、ボール球では…?と思うボールにもかなりバットをぶつけているように見える。ここまで127打席で20三振(15.7%)4四球(3.1%)という数値がそのアプローチを裏打ちしているだろう。指標は未確認だが、積極的なアプローチとコンタクト能力からおそらく、z-swing(ストライクゾーンに来た投球に対するスイング率)、o-swing(ボールゾーンに来た投球に対するスイング率) 共に高く出ているはずだ。

映像を追っている限りの印象では、カウントによって打撃スタイルを変えているように見え、追い込まれるまでは強いスイング、追い込まれてからはコンタクト重視に切り替えているように思う。

さて、このようなプレースタイルから度会には様々な将来像をイメージできる。
1番、2番、3番、4番…交流戦での9番、どの打順の度会も想像できるし、ライト度会、レフト度会、もしかしたらセンター度会も行けるかもしれないし、セカンド度会、サード度会、ファースト度会もありうるかもしれない。

要するに度会の存在はチームの編成に大きな自由度を与えてくれる。例えば、今ドラフトで宗山(明治大)くんに入札、外して渡部くん(大商大)が来てくれたとする(編成が当初の想定通りにいかなかったケースを意味しているにすぎず、宗山くんと渡部くんに優劣をつけるわけではない。)。外野に1枠余裕ができるので、度会を本格的にサード、もしくは牧をサードにコンバートして度会をセカンドという運用ができるかもしれない。そうでなくてもいつ宮崎の成績が急降下するか分からない年齢である。容易に選手を獲得できない日本のプロ野球において、運用の柔軟性を高める主力レベルの選手は大きな価値を持つ。

ファームで取り組んでほしいこと

上で書いたような自由度をもたらすのは、度会が一定以上の攻撃力を持てた場合の話である。そこそこの投手(調整段階の一流投手を含む)に通用するのはオープン戦で分かったし、一軍の投手にはそれだけでは通用しないというのも開幕からの一月半で分かった状況で度会はファームに修行に行った。度会に求めるのはもちろん、一流の投手を相手にできるバッティングである。

追い込まれてから粘って四球を含めて出塁できる能力を身につけるのか、早いカウントで勝負をつける能力を身につけるのか、いずれにせよ明確なテーマを持って取り組んでほしい。というのも、なんとなくでもファームでは通用してしまう気がするからだ。結果以上に過程に向き合ってほしいとファンは思っている。何度でも書く。燦然と輝く一番星をこそ、度会に期待している。ハマの一番星になってくれ。

シーズン終了時に期待する成績

今年も続く打低環境と編成上の価値を考えれば、一年目シーズン終了段階でOPS0.680くらいを達成してくれれば、十分に合格なのではないかと個人的には思っている。打率270、出塁率310、長打率370くらいと考えれば、十分達成できそうな気がする。新人に多くを求めすぎるのは酷である。挙句大器に育たなかったらもったいない。ちなみに、OPS0.680は去年で言うと佐野未満、桑原以上の攻撃力というラインだ。
そして、まずはちゃんと外野(ライト)を守れること。慣れたポジションでプロの水に慣れてから、内野守備などの編成上のオプションはシーズン後に落ち着いてチーム事情を見ながら取り組めばよいのではないだろうか。ゴールデンルーキーとは言えまだ一年目、将来どんな風になっているか、予測しづらいこともあって、とても楽しみである。

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