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スターダスト・レビュー『Heaven』20th Anniversary そして仙台キャンペーンの想い出

2003年4月23日、スターダスト・レビューの28枚目(ベスト、ライブ盤など含む)のアルバム『Heaven』がリリースされました。間もなくリリースから20周年を迎えるという事で大変めでたいです。前作『Style』同様、プロデューサーに熊谷昭氏を迎え、根本要というソングライターの内省的な部分をえぐりだすような作風となっております。スタレビの従来のイメージだとバラードのスタレビとかおバカソング系の楽しいコミックバンド的な楽曲、はたまた今風のシティポップ的な括りで語られることが多かったように思うので、『Style』そして『Heaven』はスタレビ史を紐解いてもかなり異質な作品に位置づけられると思います。他メンバーメインヴォーカル曲も無いし。
熊谷昭氏を迎えるタイミングで事務所独立、2代目キーボーディストの光田健一氏が脱退。新星堂のオーマガトキレーベルからインディーズでのリリースなど様々な要因が重なっての時期で、正直ライブの動員も地方を中心に相当落ちました。そんな異質なアルバムでしたが、20年も経つと非常に味わい深い作品として客観的に評価できるような気がします。収録曲及び個人的な解説。

1.Step by step
要さんがSMAPが歌って欲しいと想定して作った曲。リズムが心地よいです。

Heaven
アルバムタイトル曲。死生観が色濃く出た楽曲。40周年記念の
煩悩ライブで久々に披露されましたが、
今の時代こそ響く曲です。
ツアーではHeavenのつく洋楽の曲を日替わりでカバーする企画あり。
ブライアン・アダムス「Heaven」
エリック・クラプトン「Tears In Heaven」
レッド・ツェッペリン「Stairway To Heaven」

3.ルイジアナムーンが輝けば
アルバム聴いて最初に気に入った曲がこれでした。重厚なタイトル曲の後にこの曲がある事で救われる感があります。


4.鏡の中の男
フルートで山本拓夫さんが参加。そう言えば佐橋佳幸さんや石川鉄男さんも参加されてましたから、後年アルバム『年中模索』でも実現した組み合わせ。スティーヴ・ミラー・バンドの「Fly Like An Eagle」の影響を当時プロモーションでよく仰ってましたが、この曲だったかな?
(29) Fly Like An Eagle ~ Steve Miller Band {Music Video HD} - YouTube

5.Love,Peace&love
リリース当時はピンときませんでしたが、35周年ツアー『スタレビ』で披露されて、今の6人体制のスタレビだからこその音になって輝きを増した曲。

6.Piece of my heart
キャンペーンではシャーデーの影響を要さんは語っていましたね。
(29) Sade Greatest Hitsフルアルバム2021。 シャーデーのベストソング - YouTube

7.電光石火で引き分け主義
近年でも時折ライブで披露する機会のあるゴーゴータイムな曲。
勝つのは嫌い。負けるのはもっと嫌い。人生引き分け主義を訴える要さんの
信条が歌詞に表れています。

8.My pride, your pride
当時の最新シングル曲。要さんはサビの手前の高音キーが出せる事を
誇らし気にしてましたが、数年後に喉の不調になる原因曲だったとも
言えなくないと考えます。その後はライブでも披露されてません。
プロモーションビデオでは今は無きクレープ屋さんでワンちゃんと一緒に
撮影された静止画のカットを繋げた独創的な映像で、曲含め好きです。

9.Wonderlust
あの「木蘭の涙」を生み出した山田ひろしx柿沼清史のタッグで制作。
郷愁誘う悲し気な曲です。

Joanna
2002年秋にリリースされたシングル曲。クール&ザ・ギャングの同名曲とは
全く違うという話やイントロが長いという話を当時プロモーションではよくしてました。2002年10月、岩手~仙台という2日間のキャンペーンを追っかけましたが、
岩手の川徳デパートでは公開生放送。放送後にミニライブもやってくれましたが、ガロの「ひとりでいくさ」を1番だけカバーしてくれました。その後
要さんが当時パーソナリティーをしてたラジオ番組「BEAT CLUB」にリクエストしたら採用、歌ってくれました。翌日の仙台は昼間の生番組に出演。新幹線で仙台入りしましたが、DJの方にお土産と言って仙台銘菓の「萩の月」を差し入れする暴挙に(笑)。「だって仙台の人は人に配ってばかりで萩の月食べる機会少ないじゃんか!」と地元民なら納得する回答を言う要さんでした。

11.Gently weeps
ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」を意識した曲。
今でも時折ライブのラスト曲として採用される名バラード。


アルバム『Heaven』リリースの1週間後、要さんは仙台でキャンペーンに来て下さりました。1日中様々な番組にはしごして出演されてましたが、ラストは仙台駅前にあるエスパルという商業ビルの1階に当時、Virgin MegastoreというCDショップと、そのすぐ近くにDateFMのサテライトスタジオがありまして、その夕方の生番組に要さんが出演されました。内容は全く覚えてませんが、生放送終了後にミニライブをやってくれたのは覚えています。
しかしそれよりも記憶が鮮明に残っているのは、そのミニライブも終了した後です。そのエスパルという商業ビルの横にはホテルメトロポリタン仙台が建っていて、一階のロビーと繋がっていたのです。ミニライブ終了後友人たちとエスパルのサテライトスタジオ付近で歓談していたのですが、一緒に観てた友人の誰かが「要さん、ホテルのロビーに居るよ」って教えてくれました。今ではプライベートな追っかけは絶対NGですが、当時はまだ緩かったので恐る恐るホテルに足を運んでみると、根本要さんがロビーのソファーでくつろいでまして、側には当時の東北地区のプロモーターであるキョードー東北さんの担当者I垣さんが要さんとお話されてました。繰り返しますが今では絶対NG行為ですが、意を決して要さんに近づきサインをお願いしました。
すると要さんは快く応じてくれて、イラスト付きのサインをしてくれました。サインの最中に「アルバム聴いてくれた?」と聞いてきてくれて、すごく良かったと感想をお伝えすると「自分でも結構気に入ってるんだよ~」と仰ってくれました。最後に握手も。もう一人の友人もサイン貰ってたと思います。

すごく貴重な経験できましたね~みたいな感じでその日は解散しましたが、後日、その日杉山清貴さんが仙台のretro Back Pageという所でソロライブをやっていたらしく、要さんはホテルで待機した後に杉山清貴さんのライブに乱入し、ドゥービー・ブラザーズの「Listen to the music」を共演したとの情報も貰いました。聴きたかったです。

自分が宮城県での学生生活を終え、地元に戻る1年前の出来事でした。



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