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野田徹 THE BONE TOUR 2022 at Cafe 楓(ネタバレあり)

2022年9月に大田原にある hikari no cafe 蜂巣小珈琲店でのライブも記憶に新しい、野田徹さんの全国ツアーが秋冬にかけて早くも開催。栃木県も那須塩原市にありますcafe 楓さんにて開催されました。今回の全国ツアーでは野田徹さんのバンド「THE CAVE BAND」のメンバーが会場毎に選抜出演と言う変則的な形態で開催ですが、それ故に毎回良い意味での緊張感あるライブになるのかなと思います。個人的には前日に第一子が産まれたのですが、1日ずれていたら今日のライブにも来れませんでしたので、何とか行けて良かったと言う感じです。会場に到着すると既に満員。女性オーナーのルミコさんも長年親交があり、料理だけでなくホスピタリティの素晴らしさも特筆すべきでして、この日もライブ前にcafeそのものを堪能させて頂きました。

cafe楓さん特製のホットジンジャーと、根菜チップス。
特製キーマカレー(サラダ付き)。他にも特製モツ煮が用意されていて、胃袋が沢山欲しかったです😅
カウンター席は、今回物販コーナーになっていました。野田徹さんの作品と、SAXのUJさんの作品が販売。持ってなかったCDのみ買わせて頂きました。
野田徹さんとUJさんの楽器

開演前から野田徹さんとUJさんは会場に集まって下さった方々と談笑しながらリラックスムード。その流れで定刻になりましたらスタンバイ。サウンドチェックなどをしながら「そろそろ始めても宜しいでしょうか?」と尋ねてからライブがスタートしました。

1.おぉアイリーン

cafe楓さんのウッディな造りに演奏や音が溶け込んでいて素晴らしかったですが、お客様との雰囲気を構築していく事も含めて序盤は手探りだったと思います。カフェの空間に合わせて抑え目の歌唱からサビでは力強い歌唱へと表現力豊かに聴かせてくれました。中盤からUJさんのSAXも加わり、レコーディングされたフルバンドの音源ともまた違う、収録されたアルバムのタイトル『THE BONE』の如く楽曲の骨格がより剥き出しになった部分を楽しめました。演奏後にカポを取り付け、リズムを刻みながら

2.一瞬の町

へと続いていきました。アップテンポの曲となり、多少緊張していた様子のお客様も緩やかにほぐれていったと思います。

ここでMC。自己紹介をした後、2021年にリリースされた野田徹 & THE CAVE BANDの最新アルバム『THE BONE』のリリースツアーがコロナ禍の影響でなかなかやれず、今年の夏以降からようやくやれたという話題に。今回のツアーは全8箇所、九州ツアーを終えて今日の公演で折り返しと言う話から、野田徹さんと那須やcafe楓とのご縁に関しても言及。cafe楓さんは那須に来るようになってから1番新しい縁で、初めて来た際に美味しいランチと居心地の良さで気に入り、是非ライブをやりたいと声をかけて実現したとの事でした。今日のライブはフランクにやっていきたいので、食べながらでOK。咀嚼音も聴かせて下さいと☺️。ここでギターのチューニングする関係でMCをUJさんに担当してもらう事に。急な振りに戸惑いつつもcafe楓の庭園の良さを伝えたり、カウンターに並ぶお酒の種類に感激していて、運転が無ければ飲みたかったとの事😅。それから物販コーナーの話で、ご自身の作品なども紹介された所で野田徹さんもチューニングを終えてMCに復帰。「UJさんのCDを買ってくれたら、ハグもします。キスはしないけど」など冗談も交えていました😏。次行こうかと仰って

3.Hope

が始まりました。冒頭の2曲は間奏あたりからSAXが加わりましたが、この曲ではイントロから演奏。この辺りで序盤の手探り状態は全く無くなり、音のバランスや演奏も良い感じになってきました。

再びMC。今回のツアーはチョット変わった試みで、各公演会場毎にTHE CAVE BANDのメンバーを変則的に編成。フルバンドとは違った新たな発見があって面白い。関東でUJとのDUO編成ライブは数年前に東京の日野でやったきりであまりやってこなかった編成。何も打合せしないでセッションしてるので、良い緊張感でライブがやれていますとの事でした。

4.カーテン

しっとりした曲調で、歌詞がより伝わります。
野田徹さんはギターも歌も良いですが、作詞作曲というシンガーソングライターとしての側面もこうした曲でより際立つなと思います。
演奏後、一旦水分補給してから口笛を吹き、
Bob Dylanの「Mr.Tambourin Man」を冒頭に少しだけ歌いつつ

5.永遠のRambling Man

へと続いて行きました。軽快な曲で、歌詞を「憧れのcafe楓〜❗️」と替えてシャウト。SAXソロも素晴らしく、お客様からも手拍子が起きるなど大盛り上がりでした。演奏後に野田徹さんも手拍子がここぞという所でしてくれて流石だと喜んでいました。ここで再びギターのチューニングしていると、外から火の用心を知らせる車から発せられる音に野田徹さんが反応。東京では火の用心の見回りを何人かで歩いてやっているので、そうした事を思い出して懐かしがっていました。続いてはカバー曲。

6.Wrap your troubles in dreams

野田徹さんは首から下げるハーモニカホルダーに、カズーらしき楽器を装着。間奏でブーブー吹いていました。昔懐かしの映画で流れているような雰囲気の曲で、調べたら1931年に「White Christmas」でお馴染みビング・クロスビーがヒットさせたのがキッカケで、フランク・シナトラなど様々な方が歌われてるスタンダードナンバーみたいですね。休憩中に野田徹さんにこの曲をお尋ねしましたら、ボガルサという2人組バンドでウッドベース担当をされたイトウダイさんと野田徹さんが福岡でライブを共演した際に、イトウダイさんから「これ一緒にやらない?」と提案して頂き、それがキッカケでとても好きになった曲らしく、後半からの和訳の歌詞もそのバージョンでカバーしたそうです。ボガルサのバージョンはYouTubeにありましたのでリンクさせて頂きます。

7.風が吹くとき

フィンガーピッキングで優しく弾き語りする野田徹さん。SAXも楽曲に寄り添うように演奏に加われてました。演奏後には過去にこの曲をDUOで演奏した際に、その日の雰囲気で全くSAXを吹かない時もあったらしく、今日はどちらで来るか打合せしてないので分かりませんでしたと。僕らは自由にやっているので皆さんも自由に飲み食いして下さいと仰って下さいました。

8.さざなみ

野田徹さんがギターでリズムを刻むのが心地良い曲で、UJさんのSAXも渡辺貞夫さんの如く凛とした演奏で聴かせて下さりました。次の曲で1st.ステージは終了。今のところ1番新しい曲を演奏しますと言う事で、曲の説明に。
コロナ禍で我々ミュージシャンは身動きが取れない、翼をもがれた状態になってしまった時、そんな心境を歌った曲ですと言う事で

9.until the day

が演奏されました。以前歌詞を教えて頂きましたので掲載させて頂きます。

「until the day」

窓の向こう 見慣れた空 
紅く染まってく
何もしない 手につかない
一日が終わる

夜が来るまで 待ち過ぎて
君のことを考える 

しばらくまた 会えない日が
ずっと続いてく
街の匂い 誰かの声
忘れてゆく

どうしようもなく 佇んで
君のことを想ってる

その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう
その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう

描いた明日 飛んでく予定
真実は何処
デマや嘘で 心削がれ
疲れ果ててく

どうしようもなく 騒めいて
君のことを抱きしめたい

いつか誓った未来
今も胸の奥で信じている

どうしようもなく 騒めいて
君のことを抱きしめたい

その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう
その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう

その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう
その日まで その日まで
その日まで 歩いてゆこう

窓の向こう 見慣れた空 
紅く染まってく
かすかにほら 星が見えた
一日が終わる
作詞作曲,野田徹

演奏後、休憩タイム。まだまだご注文受けてますので、ルミコさんに美味しい手料理を頼んで下さいと野田徹さんが仰って下さった効果もあってか、休憩中に料理を頼まれた方が一気に増えました。素晴らしいことです☺️。

2nd.ステージはギターからアイリッシュ・ブズーキと言う楽器に持ち替え、少し鳴らした後に野田徹さんが「皆さん、そろそろ始めても良かですか?2nd.ステージ始めます」と九州弁も交えてスタート。最初はインスト曲のセッションからでした。

10.Theme of the bunkers 〜 La Passion

静と動、熱く燃えるカッティングとSAXの応酬が素晴らしかったです。その流れから

11.風のうた

が続けて演奏されました。コブシの効いたシャウトも繰り出し、熱かったです。ここでMC。2nd.ステージ始まりましたが、ギターじゃない楽器持ってますと言う話からアイリッシュ・ブズーキの話題に。同郷の大先輩であるHEATWAVEと言うバンドの山口洋さんが弾いているのを観て影響を受けたとの事。インターネットの無い時代、どのように手に入れるかも分からない時に、たまたま池袋の楽器店で輸入したばかりのアイリッシュ・ブズーキを発見、当時高額だったけどこれを逃したら二度と手元に来ないと思い購入。その楽器店では誰もアイリッシュ・ブズーキを弾ける方がいなかったらしく、山口洋さんのライブに通い、ほぼ最前列から山口さんの弾き方を見よう見真似で学んで弾くようになったので、未だに正しい弾き方とかも分からず、気持ち良く響く所だけで弾いているそうです。

余談ですが私も長年HEATWAVEの音楽を聴いていまして、それこそ山口洋さんの弾くブズーキもライブで何度も観てきました。山口さんもアイルランドのミュージシャンの方々と何度もセッションしてきたエピソードを披露してましたが、楽曲のキーだけ知ってれば後は何とかなるみたいな環境でやってこられたみたいなので、野田徹さんの演奏はむしろ正解かもしれません。山口洋さんが弾くブズーキで特徴的な楽曲と言えば「ガーディアンエンジェル」お聴き出来ますならば是非。1990年代のHEATWAVEには本当に影響受けました。

あと一曲アイリッシュ・ブズーキで演奏したいとの事で、次の曲の説明に。ブズーキ1本だけだとしっくりこなかったけど、先日の九州ツアーでベースの藤野君とやってしっくりきた。UJがこの曲をどう料理するかが楽しみですとの事。そもそもアルバム『THE BONE』は野田徹 & THE CAVE BANDの骨なる部分を見せようと思って作ったロックサウンドなので、カフェライブとかでは再現が難しい。その前に出した野田徹さんのソロアルバムの方がカフェライブ向きの曲が多いので今日もそこからの楽曲を沢山やりましたが、チャレンジ曲として『THE BONE』から

12.虹が架かるまで

が演奏されました。間奏SAXソロの後に一旦ミュート気味にカッティングでリズムを刻み、そこから一気にエンディングまで雪崩れ込むお二人の演奏は本当に熱く、万感の想いで拝見させて頂きました。演奏後、本物の冷や汗をかきながらやりましたと仰っていましたが、素晴らしかったです☺️。それにしても、アイリッシュ・ブズーキを弾く時の野田徹さんは山口洋さんが乗り移っているんじゃないかって位でして、良かですか?のMC、コブシの効いたシャウト、そしてブズーキを熱く弾く姿などなど至る所に影響を感じられました。山口洋さんも栃木県でライブで来て下さる機会がここ10数年は無い状態です。私も今はなかなか山口洋さんのライブに足を運べていないから、野田徹さんのライブを体験出来ることを幸せに思います😊。

ここで再びMC。那須との出会いは、語れば長くなります。かれこれ7〜8年位前、カフェライブから始まり、何か大きな事をやりたいと思い、2018年の七夕に那須野が原ハーモニーホールでやって以来、年1回はバンドライブをやってきました。2021年にはU字工事さんにも出てもらいましたし、今年はhikari no cafe(蜂巣小珈琲店にある体育館)で昼間にやりまして、来年もバンドライブはやる予定です。会場の候補を3つ位考えていてどれかで開催になるとの事。この前のhikari no cafeでは今までやらなかった曲を多くやったので、やってない曲もあったと言う熱烈リクエストでこの曲をやりますと言う話から

13.手

が演奏されました。フィンガーピッキングで優しく歌う野田徹さんに、さりげなくSAXを挟み込むUJさん。リクエストされたと言う方もかなり感激しておりました。その方は一緒にレコーディングして歌おうと約束してからもう四年近く経つみたいで、未だに踏ん切りつかずの状態になってるそうです。いつかはその方のバージョンでレコーディングしたいと野田徹さんも仰っていました。

14.Sandy

カポを付けたギターのカッティングとSAXのイントロからスタート。アウトロの掛け合い、野田徹さんのコーラスとUJさんのSAXはアルバム収録バージョンよりも生々しく、ライブならではでした。続けては再びカバー曲を演奏しますと言う事に。敢えて曲紹介はせず、あぁ、あの曲ね〜と思ってくれればと言う流れから

15.雨に濡れても

B.J.トーマスさんで有名なこの曲、野田徹さんもUJさんも楽しそうに演奏されていました。あまりに楽しかったのか、演奏後はお客様の反応を気にしてましたが反応は凄く良くて一安心してました。いよいよライブは佳境、九州弁で濃ゆ〜い曲をやっていきますと言う流れから

16.君に逢うために

が演奏されました。この曲での歌唱がこの日1番伸びのある素晴らしいものだったと思います。ここで再びMC。「今日は長い間ありがとうございました。またどこかでお会いできれば。今日初めてcafe楓でライブやったけどメチャメチャ気持ち良かったです。またライブやって良いでしょうか?」と野田徹さんがステージから言うと、すかさずルミコさんがOKと返事。このやり取りで盛り上がらない筈がありません。そこで演奏されましたのは

17.Why Try

ポジティブなエネルギーに溢れた楽曲で、この日最大の盛り上がりに。間奏で野田徹さんからUJさんの名前がコールされるとUJさんはお客様の座るテーブル付近にまで来て下さり熱いSAXソロを演奏して下さる大サービスでした。

アンコールでは、昨日赤ちゃんが産まれたパパさんが観に来てくれたと言う話題をして下さり(私の事です)、再びカバー曲を披露して下さりました。

18.オーシャンゼリゼ

日本語訳の歌詞で歌って下さり、cafe楓の名前も挿入したりしつつ歌って下さりました。感激です。会場には来れなかった入院中の妻にも伝えたら喜んでくれました☺️。改めてありがとうございます。そのままメドレー風に

19.Stand By Me

のカバーで締め括りとなりました。cafe楓の空間に響いた音色と溢れんばかりの多幸感に、会場内の皆様は皆満足そうでした。ラストはこの日のライブの撮影をして下さりました方が全員の集合写真を撮影して下さり、大団円で幕を閉じました。

最後は私の撮影したステージ写真です。

今回のレポートを作成するにあたり、野田徹さんからは補足の点やセットリスト等も提供して頂きました。初出の記事から何点か修正させて頂きました。厚く御礼申し上げます。

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