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【小牧幸助文学賞】20字小説応募作品集(換骨奪胎)

「小牧幸助文学賞」に応募させて頂きますね(^^)

よろしくお願いいたします。

(Akiomi Kurodaさん撮影)

【換骨奪胎】

殻の四百五十トン車全部がおせち料理かよ。

パンの耳をひとつ断ち一行の詩に浸漬した。

人類以後不穏な熱帯に降る人工造雪機の雪。

【点化句法ぽく】
「殻の車全部がおせち料理かな」

「パンの耳断ち一行の詩に浸す」

「人類以後不穏な熱帯に降る雪」

【元句】
「四トン車全部がおせち料理かな」(『天使の涎』(北大路翼)より)

「パンの黴剥ぎ一行の詩を練りぬ」(『火の貌』(篠崎央子)より)

「人類以後コインロッカーに降る雪」(『光まみれの蜂』(神野紗希)より)

【参考図書】
「天使の涎」北大路翼(著)新井秀樹(イラスト)秋澤玲央(写真)

「火の貌」(未来図叢書)篠崎央子(著)

「句集 光まみれの蜂」神野紗希(著)

「差異の王国―美学講義」篠原資明(著)

「芭蕉、その後」楠元六男(著)

「江戸の俳壇革命 芭蕉から蕪村登場」(角川叢書)楠元六男(著)

「子規を「ギャ句゛」る 名句をひねると「ギャ句゛」になりました」(光文社新書)夏井いつき(著)

「折々のギャ句(グ)辞典」夏井いつき(著)

【参考資料】

・点化句法
「やみの夜は松原ばかり月夜かな」(作者不明)
「闇の夜は吉原ばかり月夜哉」(其角)
前句の「松」を「吉」に変えることで、其角はまるで趣の違うものを作り出しています。
前句で、松原は闇のように暗いのですが、後句で吉原は月のように明るいのです。
楠元六男さんの「芭蕉、その後」に依ると、其角は、芭蕉と共有していたこの句法を徹底させていったとのことです。
同じ楠元さんの「江戸の俳壇革命」に依れば、この句法は、水間沾徳へと受けつがれ、さらに広まっていったようです。

【参考記事】
其角の『句兄弟』


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