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【クラシック音楽の楽しみ方のいろいろ】珍曲・秘曲を集める

テレビや雑誌を見ていると、時に、ギョッとするような、変わったことを趣味にしている人を見かけることがあります。

音楽だけに絞ってみても、例えば、

ヴァイオリンを使って会話をするような音を出せる人

とか、

人参・きゅうり・なすなどの野菜を楽器にして演奏する人

陶器にはめ込んだスピーカー・ボックスで音楽を聴いている人

燃料用の木炭で木琴をつくった人、

四角や八角の風変りなヴァイオリン、チェロを作った人

毎々、色んなな人がいますが、クラシック曲についても、

「だれもが聴くような曲では、おもしろくない。ちょっと変った、隠れた作品ばかりを追いかけてやろう」

という人がいても、おかしくはありませんよね(^^♪

なぜなら、実際に、そういう曲が、いくらもあり、歴史だとか、ジャンルだとか、難しいことを言わずに、楽しめる、この行き方こそは、個性を売り物にするクラシック音楽には、ピッタリな気がします。

「珍曲・ 秘曲を集める」楽しみ方、

これもまた、お勧めしたい、ユニークな聴き方の一つです。

それじゃ、一体、どんな曲があるのか?

本書とか、参考になると思います。

「クラシック秘曲・珍曲・謎曲101選 ~あなたをクラシック通にする鑑賞法」野崎正俊(著)

本書を参考にしながら、ここでは、それらを、分かり易く、整理・補足して、全体的な眺めとして把握してみることにしてみますね(^^♪

まず「珍曲・秘曲」という形容ですが、これは、具体的にいうと曲の構造とか、成立事情、外見、内容、主人公、作曲者等に関して、ユニークな特徴をもつ曲のことです。

例えば、

ゲージの

「四分三三秒」

シューマンの

「謝肉祭」作品9

モーツァルトの

「音楽の冗談 ヘ長調 K.522 第1楽章」

「音楽の冗談 ヘ長調 K.522 第4楽章」

Mozart Dice Game jp サイコロ音楽 モーツアルト ゲーム

ガーシュインの

「ラプソディ・イン・ブルー」

「ラプソディ・イン・ブルー(ピアノと吹奏楽編)」

等は、「構造的に変っているもの」に分類できるだろうし、

シューベルトの

シューベルト「交響曲第8番「未完成」第1楽章」

シューベルト「交響曲第8番「未完成」第2楽章」

ショパンの

「別れの曲」

等は、「成立事情からくる珍曲」に属するかもしれません。

また、題名が変わっているサティのピアノ曲は、

「貧しき者の夢」

世紀ごとの時間と瞬間的な時間

いやな気どりやの三つの高雅なワルツ 1彼の容姿 2彼の眼鏡 3彼の脚

明らかに、

「外見的に風変わり」

だし、ベートーヴェンやマーラーの声楽入り交響曲は、

「内容的に変わっている」

代表と言えるのではないでしょうか。

既出の曲については、そんなふうに整理して、聴いていってもらうとして、さて、もう少し、この項に加えてみたい曲はないかと探してみると、卜声楽曲なのに歌詞は、「アー」という母音だけで歌われるラフマニノフの

「ヴォカリーズ」

とか、ラヴェルの

「ハバネラ形式のヴォカリーズ」

ドビュッシーの

「夜想曲」。

オーケストラによって、蒸気機関車の発進から最高速状態迄を、リアルに描く、オネゲルの

「交響的断章(運動)第1番 パシフィック231」。

歌詞が、ラテン語の語呂合わせになっていて、ドイツ語にすると「尻をなめろ」と聞こえるモーツァルトの

カノン「戦記を読むなんて俺にはとても (Difficile lectu mihi mars) 」K.559 ヘ長調

カノン「俺の尻をなめろ (Leck mich im Arsch)」 K.231 (382c) 変ロ長調

(何れも内容的に変っている)等。

また、ユニークなエピソードによって有名になった曲として、べートーヴェンの

ピアノ・ソナタ第14番「月光」第1楽章

ピアノ・ソナタ第14番「月光」第2楽章

ピアノ・ソナタ第14番「月光」第3楽章

や、ヘンデルの

「水上の音楽」第2組曲 HWV 349-II.アラ・ホーンパイプ

組曲「水上の音楽」エア

組曲「水上の音楽」 第3番 ト長調 HWV350 第2曲 リゴードン

タルティーニの

ヴァイオリン・ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」

J.S.バッハの

「ゴルトベルク変奏曲」アリア

「ゴルトベルク変奏曲」変奏25

「ゴルトベルク変奏曲」変奏1

「ゴルトベルク変奏曲」変奏12 「4度のカノン」

ビゼーの

歌劇「カルメン」恋は野の鳥(ハバネラ)(第1幕)

クライスラーの一連のヴァイオリン小品他。

「美しきロスマリン」

「愛の喜び」

「愛の悲しみ」

曲中に、風変りな主人公が登場するものとして、ショパンの

ワルツ第6番 変ニ長調 「子犬のワルツ」 Op.64-1

や、D・スカ ルラッティの

「猫のフーガ」

サンーサーンスの

組曲「動物の謝肉祭」序奏と獅子王の行進曲

組曲「動物の謝肉祭」大きな鳥籠

組曲「動物の謝肉祭」白鳥

組曲「動物の謝肉祭」フィナーレ

プロコフィエフの

「ピーターと狼」

ドビュッシーの

「夜想曲」

ストラヴィンスキーの

バレエ音楽「火の鳥」終曲

バレエ音楽「火の鳥」カスチェイ王の魔の踊り

バレエ音楽「火の鳥」王女達のロンド

シューベルトの

「魔王 Op. 1 D. 328」(J. スミスによるギター編)

ムソルグスキーの

交響詩「禿山の一夜」

ベルリオーズの

「幻想交響曲 Op.14」サバトの夜の夢(ワルプルギズの夜の夢)

「幻想交響曲 Op.14」舞踏会

「幻想交響曲 Op.14」断頭台への行進

「幻想交響曲 Op.14」夢想と情熱

ドリーブの

バレエ音楽「コッペリア」前奏曲(第1幕)

バレエ音楽「コッペリア」マズルカ(第1幕)

バレエ音楽「コッペリア」ワルツ(第1幕)

バレエ音楽「コッペリア」チャールダーシュ(第1幕)

バレエ音楽「コッペリア」自動人形の音

バレエ音楽「コッペリア」祈りの踊り(第3幕)

バレエ音楽「コッペリア」ギャロップ・フィナーレ(第3幕)

バレエ音楽「コッペリア」スワニルダのヴァリアシオン(第3幕)

バレエ音楽「コッペリア」スワニルダとフランツのグラン・パ・ド・ドゥよりアダージョ(平和の踊り)(第3幕)

等。

作曲者が、ユニークと言えば、ポーランドの首相になったパデレフスキーの

「メヌエット」。

稀少価値ともいえる女流作曲家バダジェフスカの

「乙女の祈り」

「乙女の祈り Op. 4」(ギター編)

や、パラダイスの

「シチリア舞曲」。

クラシックとポピュラーの両分野で活躍したガーシュインの作品。

自作に、他人の名をつけて6歳まで澄まして発表していたクライスラーのヴァイオリン小品。

殺人を犯した作曲家ジェズアルドの一連の

「マドリガル」。

たった一曲で、歴史に名を残しているベイボダの

「波涛を越えて」

他。

とまあ、書き出したら、キリがない程、面白曲はいくらでも出てきます(^^♪

【参考図書】
「クラシック秘曲・珍曲・謎曲101選 あなたをクラシック通にする鑑賞法」野崎正俊(著)


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