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[SUZUKI CERVO SR(HG21S)]について

スズキより、2006年に販売開始された軽自動車のセルボから、最上級グレートとして2007年に追加されたスポーツモデル。

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5代目として8年ぶりの2006年に車名復活したセルボは、当時のアルトをベースとした機構で、初代MRワゴンを踏襲したワンモーションの、固まり感のあるデザインとなっている。[SR]モデルは翌年に追加されたグレードで、主に直噴ターボEGや7速マニュアル付きCVT等を搭載し、ベースより走りの質感を改良している。外装には、専用となるフロント・リアのエアロバンパーに加え、グリルなどを採用し、ライトはプロジェクト式に変更されている。

EGは、直3DOHC 直噴(DI)インタークーラー付ターボエンジンのK6A型を搭載。最大トルクは、10.5kg-m(103N・m)/3500rpmの出力を発揮する。

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軽自動車として直噴EGを初採用している。直噴EGとは、通常のポート噴射(空気とガソリンを混ぜた混合気を、吸気管(インテーク)で生成して、シリンダーに噴射する)とは違い、シリンダーにガソリンの噴射器を設置し、シリンダー内で混合気を生成している。

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このことにより、ポート噴射での残留ガソリンがインテークに残ることを抑えることができ、精密な混合比を作り出している。また始動時の噴射燃料が少なくてすみ、排ガス浄化能力に優れる。さらに、ガソリンの噴射によりシリンダー内の温度が下がる為、圧縮比を上げることができた。

トランスミッションは、7速マニュアルモード付CVT(自動無段変速機)を搭載しており、このエンジンとCVTの組み合わせにより、レスポンスのよい走りと環境性能を実現している。

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この他にも、フロントサスペンションのストラットのロッド径を18mmから20mmに大型化し、前後サスペンションの減衰力を変更することで、ハンドリングが向上されている。

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内装にも変更が加えられ、シートは前後とも専用となり、フロントはサイドサポート部の張り出しを大きくし、リアは形状変更が行われている。インパネはピアノブラック調に塗装し、専用シルバードアアームレストとメッキインサイドドアハンドルを採用するなど、全体的にベースより高級感を高めてられている。

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フラッグシップとして追加されたこのSRは、当時のライバル車ソニカやR1に対抗するために開発された。実際に奔りはかなり良く、特に実用域(100km/h未満)における、MT操作時のレスポンスは軽自動車とは思えないぐらい良かった。ハンドリングは、このタイプとしてはクイックであり、幹線道路での追い越しや峠でのワインディングが楽しめた。ベースよりボディが改良されていない為か、このクルマのキャラクターとしては剛性感は不足気味であるが、街乗りで不足を感じることは少ないであろう。ラケッジもハイトワゴンタイプ程ではないが十分にあり、後席も一応は大人が座れるようになっているので、常に満員乗車する場合や大量の荷物を運ぶのでなければ、十分な積載空間が確保されている。

走り、特にレスポンスが良く、内装はノーマルより高級感があり、積載量もそれなりにあるこのクルマは、バランスが良く、普段使いとしては満足できる仕上がりとなっている。

現在でも街乗りでは十分楽しめるこのクルマは、中古市場では40万前後で購入できる。結構お買い得なクルマではないだろうか。

観ていただけているだけでも大変嬉しいです。 もし、いただけたら恐縮しながらもとっても感動します。 今後とも覗いていただけましたら有難いです。