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一文字マヤさん応援用法被制作の記録

この度、私が制作したGEMS COMPANY(ジェムズカンパニー)メンバー、一文字マヤさんの法被をイベントに着用していきましたところ、ありがたいことにご好評いただき、どうやって作成したのか知りたいとご要望いただきましたので、自分のような「イラストや服飾デザインやPC・スマホのアプリのことなど全くわからん!」な人間がどんなことをして何を調べて今回のような法被の作成に至れたのか、という経緯をご紹介したいと思います。
やってみたいけどどうすれば・・・。と思っている方やご興味を持たれた方の一助になれれば幸いです。




法被制作会社を決めよう

法被と言っても多種多様に種類はございますが、今回は私のようにフルカラーのイラストを使用して法被を製作する、という条件にてお話を進めさせていただきます。

え?まずそこなの?とお思いになられる方も多いかと思います。
イラストの準備が先では?と。
自分も最初はそう考えており、どうやってイラストを用意しようか、ということから考え始めておりました。

しかし、イラストと言ってもどのようなイラストを用意すればいいのか。
もちろん内容のことではなく、サイズや解像度のことです。
更には、イラストや写真にはそれを作成・加工・処理するソフトがありますが、それぞれのソフトによって作成されたイラストは拡張子という規格が異なります。

それらを決定するためには、それを最終的に扱って頂く法被制作会社側がどういったものなら受け取っていただけるのかが分からなければなりません。

そのため、先ずは作成を依頼する制作会社様を探すのが最初になるかと思います。
自分もたくさん知らべました。その中で、最終的に私が依頼させていただいた制作会社様をご紹介いたします。

お勧め法被制作会社様


法被(はっぴ)半纏(はんてん)の法被jp (happi.jp)

こちらの制作会社様に決めた理由は、ほかの会社様はデザインをすべてこちらで完全なものを用意するか、もしくはデザイン料を支払って作成してもらうか、という形だったのに対し、法被.jp様はイラストが用意できれば、場合によっては電話での口頭でイメージをお話しするだけでも無料でデザイン案を作成いただけ、納得いくまで無料で修正させていただけるというところでした。
また、法被.jp様が指定されているイラスト規格はAI(illustratorというソフトの規格です)ファイルなのですが、今回私が作成をお願いした作家様はpsd(photoshopというソフトの規格)ファイルでのみ作成可能とのことでした。その規格の違いも自分では変換できなかったのですが、制作会社様へご相談したらご対応いただけた(無料で)ということも大きな点でした。

イラストを自身で作成でき、デザイン制作などにも明るい方であれば他の制作会社様も選択肢としてあると思いますが、上記ソフトなども一切持っておらず、当然知識経験もない私のようなものにとっては非常にありがたいサポートが満載で、実際製作をして頂く過程でも、とてもご丁寧に対応下さり非常に感謝しておりますので、こちらの会社様をお勧めさせていただきます。




イラストを準備しよう

次に、イラストを準備することになりますが、自分は絵心など全くないため自身でイラストを用意することはできません。
そのため、当然どなたかに描いていただく必要がございます。
前項で「制作会社ごとにファイル形式や解像度などに違いがある」と申し上げましたとおり、制作会社様側からの指定がある場合はそれに従うのが必須となりますが、特にガッチリとした指定がない場合、以下の条件にてイラストレーターの方に制作をお願いすれば大丈夫かと思います。

イラストレーター様に依頼する際の規格

・A4サイズ
・解像度は350dpi
・可能であればCMYKのカラーモードでの制作

上記の内容で作成されたイラストで印刷されたものがこちら

CMYKカラーモードで作成いただくと印刷時の色の印象のズレがありません

上記の規格における注意点

まず、A4サイズで製作いただく時の注意点です。
メリットとして、
・イラストレーター様側も扱いやすい(と思う)
・イラストレーター様の了承があれば、ほかのグッズなどにも転用しやすい

ということが挙げられます。
実際私も、このイラストを使用してイベント時にほかのファンの皆様へお渡しする名刺を作成いたしました。

ワレどこの組のモンじゃ~!

デメリットとしては一点。
2つ上の画像の通り、イラストが背面ピッタリにはならないことです。
A4サイズと法被背面の縦横比が違うためかと思います。
人によってはこの点は致命的なものとお考えになるかもしれません。
製作中のデザイン案にて今回のイラストを背面ピッタリに合わせたときの画像が下になります。

お分かりだろうか…。上下が少し…切れているとでも…言うのだろうか…。

今回のイラストにて大事にしたかったイメージが
「色とりどりの光きらめく夜景の上空を蝶の羽をつけて舞い遊ぶマヤたそ」
でしたので、それに完璧に答えて頂いたイラストレーター様の作品をぶった切りたくなかったので、余白が出てもいいのでイラスト全体が載るようにしてくださいと修正を依頼したものが下です。

蝶の色も直してもらっとるやないかい!

しかし、結果的にはこの余白も着用時には特に気になるようなものではないように感じます。肩のあたりやわき腹など、当然人間の体は丸みがありますので、上の画像で見るほどの余白感はないと思うのです。

人の体なんて丸いものさ。俺のは特に。



次に、350dpiでの制作の注意点は、数字が大幅に下回らなければ特に問題ないかと思います。調べている過程で、A1ポスターの解像度は200dpi程度あれば問題ないという情報もありました。
イラストレーターの方も、A4サイズの一枚絵をお描きになる場合は特に指定がなくとも普段からこの解像度で製作されることが多いのではないかと思います。
ですので、制作依頼の際に「A4サイズ350dpiでお願い致します」と言えばそれで良いかと思います。特に驚かれたり追加の手間賃が発生するようなことはないのではないかと思います。(あくまで予想です)
5枚上にある背面全体の写真をご覧いただいてもわかる通り、この解像度であればA4から引き延ばしてもイラストにジャギー(ドットの粗さで線がギザギザになること)は出ていないのがお分かりいただけるかと思います。

CMYKカラーモードでの作成依頼も、イラストレーター様がご対応いただけるのであれば、という形で提案してみるのが良いのかと思います。実際私はそのようなこと全く知りませんで、イラストレーター様から「その用途であれば印刷用のカラーモードであるCMYKで作成しますね」とご助力いただけたのでそのようになったという形です。
普段私たちが目にするPC上のイラストなどはR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)カラーモードで表示されているのかと思います。
印刷する際のインクカラーがC(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)というカラーとK(キープレート:全色の混合。この場合黒)で構成されているため、出来上がりの色味が画面上と少し違って見えることがあるのです。
イラストと出来上がりの品物の色イメージの差が出ないように出来るモードであると認識してください。


以上の点を注意しつつ、イラストを準備しましょう。
お知り合いやSNSでのつながりのある方にお願いされる方もいらっしゃると思います。
自分はそういった方がいらっしゃらなかったため、イラスト作成を依頼できるサービスを利用いたしました。様々なサイトがあるかと思いますし、不遜な言い方かもしれませんが描いていただきたい絵師の方を探す楽しみというのもあるかと思いますので、お勧めというよりは自分はここで探しましたという紹介のみさせて頂きます。実際に案件として依頼が進んでいく際のイラストレーター様とのやり取りをサポートしてくれる機能などが使用していてとても便利でした。

高スキル人材シェアリングサービス | Skillots (スキロッツ)



法被デザインを考えよう

前述の法被.jp様には、作成依頼のためのデザインひな形がHP上に置いてありますので、DLして使用することができます

デザインイメージの提出

トップページから「デザイン・書体」へ進み、
2.データで入稿する にある「ひな形のダウンロード」でEXCEL形式のひな形をダウンロードしましょう。
デザインイメージを作成したら、お問い合わせフォームまたはメールにて連絡を取り制作を依頼することになります。このメールにて制作する法被の生地と制作枚数も伝えておくといいと思います。生地は「トロマット」「スエード」「サテン」辺りがインクジェット印刷用となっておりました。
トロマット→スエード→サテンの順に高価になります(そこまでの価格差はありませんが)。自分はサテンで製作しました。一番光沢があり艶やかな色合いになるとのことでしたので。実際に写真を見てもわかるように、確かに光沢がきれいで気に入っております。

ひな形に法被の色や入れる文字のフォント指定、色、場所など自分の考える法被のイメージを入れていきましょう。
また、余白やひな形下部の「その他のご要望」に、表現しきれないイメージや要望などを書いておくといいと思います。
例えば自分は、上にある写真にてイラスト以外で黄色で印刷されている部分や文字など、すべて「金」に出来ないかと相談していました。出来ませんでしたがw(本物の金のような感じではなく、黄土色に近い感じになると言われました)
それ以外にも、実際の法被にデザインされた蝶の紋も、法被.jp様のほうで保有されている図柄を使用していただいています。自分ではかっこいい紋が見つからなかったので相談させて頂いた結果です。

ここでは自分のイメージを制作会社様に余すところなくお伝えしましょう。文章であったり、抽象的な表現でもいいので伝えておかないと、実際にデザイン案を作成するのは会社様ですので、イメージと違うものになってしまっては修正の手間が増えますので。

また、私の場合はイラストの制作と上記作業を並行して行っておりましたので、イラストレーター様からラフ画などの途中経過物を頂いておりました。そしてイラストレーター様には「photoshopにてこちらがイラストに手を加えたり、解像度調整など加工することができない」とつたえてあったため、途中経過はjpgファイルという比較的軽いサイズの画像ファイルにて頂いておりました。
そのため、このデザインイメージにサイズの軽い低解像度イラストラフを使用して実際にデザインイメージに貼り付けながら話を進めることができました。

上記のようなサイトなどでイラスト製作をお願いした場合、おそらくそういった途中経過のイラストを頂くと思われますので、それらを活用してイメージをより正確に制作会社様に伝えるとよいかと思います。実際に出来上がるA4サイズ350dpiのイラストはおよそ50MBほどになると思いますので、貼り付けてメールに添付などはできません。

上記の通り、サイズの問題でイラストの納品はギガファイル便を使用することになります。イラストをZIP圧縮する必要がありますので、ご注意ください。

実際に品物を見ての反省点

デザインを決める際、お伝えしておきたい自身の反省点が一つあります。
まずはデザイン決定稿をご覧ください。

左側の「前面」にご注目下さい

そして実際に羽織った際の見え方がこちら

おいおい文字おいおい

絵柄も文字も、両方見えない!!!!(泣)
通常の法被は前を合わせ、帯で縛って着用するのでもっと前身ごろも多く前面に出るのでしょうが、推しTを着たうえで羽織る形の着用をすると、前面の絵柄は見える範囲が極めて限定的になるなぁと学びました。

今回の制作にて、内容をほぼ変えずに修正をするとすれば、
・「一文字マヤ」の文字を向かって左側にして「一文字組」の襟文字とほぼ隣くらいに近づける。
・マヤたその絵柄は向かって右側にすれば、せめて顔の3分の2くらいは見えたかな。

もしくは、ネットで画像を検索しているとオタ法被は背中一点勝負で、前面はほぼ何もない、というのも多いように見受けられます。

まぁ、それよりも多分「サイズがでかすぎた」のが一番の反省点かもしれません。服のサイズと同じで「3L」にしたんですけど、きちんとひな形に記載されているcm数を体に当てて確かめるべきでした・・・。


制作会社からのデザイン案の受け取り及び修正のやり取り

デザインイメージを提出すると、会社様からそれを受けての実際のデザイン案が送られてきます。ここでしっかりとすり合わせをし、修正を掛けてもらって納得のいく法被を作りましょう。色味の相談や会社様の保有する模様や図案等法被を彩るワンポイントを付けたりなど遠慮せずにご担当の方に相談されると、自分では思いつかなかったようなアイデアが頂けるかもしれません。



デザイン決定稿と注文確認書の確認・入金

デザインのすり合わせが終わると、会社様からデザイン決定稿と注文確認書がメールで届きます。そちらの内容をよく確認し、納得されましたら確認書に記載されている銀行口座へ入金をします。お疲れ様です!あとは納品を待つばかり!!


納品

品物が届いて終了となります。いやっほ~~~~~~~う!!!

多少の反省点はあれど
製作してよかった!たのしかったです!!



要点まとめ

・制作会社をまず決めよう。法被.jpさんおススメ!
・イラストはA4サイズ350dpi。可能ならCMYKカラーモードで。
・法被.jpさんのHPでデザインひな形をDLして自分のイメージを作ろう
・制作依頼をしたらご担当の方とやり取りしてデザインを詰めていこう
・デザイン決定したら入金。納品されて終了!


この記事を読んで、もし法被を作成しようとお考えの方がいらっしゃいましたらtwitterなどでご連絡いただければ、私の時のイラストや法被の製作価格など記事に載せづらいことなどにもお答えできますので、ご興味がございましたらご相談ください。

ご製作をお考えの方や、ご興味のある方の背中を押すような記事になれましたら幸いです。


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