日記(角川さくらタウン、原島ろぢゃミ、『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』)
東所沢に建立された角川の施設、さくらタウンに行きました。
※東所沢:西武のお膝元埼玉県所沢市からだいぶ東に離れたところにあるなんもない土地。なのに角川本社が巨大商業施設付きで引っ越してきた。
東所沢は高校のあった駅の隣ってこともありそれなりに利用したことがあるのですが、いかにも武蔵野線近郊という感じの駅周辺は相変わらずでした。なのに駅の中にくそデカいすしおの絵があったり、殺風景な道のマンホールがオタクアニメだったりして、なんとも不思議な違和感があった。そうして数分歩くと、巨大な構造物が現れる。
※写真撮り忘れたので公式HPから転載。実際には周りの住宅街や畑が目に付くのでより異様です。
近郊のコロナ禍の平日としてはそれなりに人が来ていて、大企業の資本力による開発の力を目の当たりにした感じだった。
美術館的なところには寄らず、マンガ・ラノベ図書館というところに行ったのだが期待外れだった。ラノベはたしかに多かったが、マンガは大してなかった。もっと角川のマンガってあるだろうにラノベやアニメのコミカライズばかり目についた。そもそもあまり広くないエリア二階分でせまい。これで600円は高い!
ただ驚いたことに所蔵されている本の多くが初版だった。おそらく出版したときに角川に置かれていたものを開館にあわせて解放したのではないか、やたら状態のいい初版本がたくさんあった。
桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』を読んだのだが、それもラノベ版の初版だった。さすがに日焼けはしていたが大変状態が良かったので貴重だったかもしれん。ほかにも富野由悠季の『ガイア・ギア』もあった(ずっと絶版になっている)。
きっと図書館として利用されるうちにどんどんボロボロになっていくんだろうな…と思った。
施設全体の感想
まだいろいろ未完成だったり、コロナで休止中の場所などがあった。美術館的なところには今回は行かなかったが、フロア的にそこまで大きくはなさそう。公営の美術館よりだいぶ割高だし、これは…うーん今後の発展に期待という感じか。
『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』の感想
『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』は素晴らしい作品だった。子供の無力さと、無力さに対して受動的なふるまいを行わざるを得ない子供たちの美しさが刺さった。
挿絵の少女趣味的な香りは、文章の生々しい閉塞感とは全然違っていて浮いていたが、それもまた一つの幻想を掻き立てる感じがした。どういうことかというと、「海野藻屑」という不幸さゆえに幻想に生きる少女についての物語が、不幸さゆえに現実的に生きる少女山田なぎさの視点で描かれている作品構造と響きあうような気がしたからだ。二人の抱えるまったく異なる生き方が根底では似ていることがわかっていき、その共感の先で死、成長というまったく異なる結末に至るのだが、山田なぎさ視点の文に対し、挿絵の幻想的な雰囲気は「海野藻屑」の世界観に近いような感じがした。だからこの挿絵のミスマッチさはすばらしく合っている気がした。
現在は一般小説として売られているようだが、ラノベ版で読めてよかったかなと思った。
あと賢い大人の視点が入らなかったのもすごいなと思った。主人公たちの無力さがいろいろな構造に根付くものであることは描きながら、「それを一段上で見守る大人」みたいな存在が出てこないのがすごいと思った。出てくる数少ない大人も大人なりに無力で、メタ視点を与えてくれない。作中には「神の視点」みたいになってしまった引きこもりの兄が登場して、主人公にいろいろ示唆を与えてくれるしいいやつなんだけど、全部ネットの受け売りで、あくまで子供であることがなんの感傷も含まずに示されるのとかすごかった。子供の視点だけで貫いているから読者もそのレベルに立たされる。東所沢の謎の商業施設にいる無職であることを忘れて、田舎で逃げ場を失った不幸な美少女の気分になってしまいました。
原島ろぢゃミを見るためだけに「ロヂャース」へ
君は原島ろぢゃミを知っているか?!
埼玉県を中心に出店しているスーパー、「ロヂャース」のマスコット的なキャラクターなのだが、
デカすぎるツインテール、90年代的な目、デカすぎる胸、高すぎる頭身と、ありえんくらい要素もりもりなキャラなことで一部で大人気なのだ。本来居乳は好きじゃないんだけど、デザインとして完成されすぎているので許せる!!
ほぼ埼玉県民でありながら微妙に出店場所が合わなかったので、今回わざわざロヂャモク(ろぢゃミ目的)で行ったのだ!
東所沢にあるのはロヂャース系列のマイカイマートという店なので、ろぢゃミはいないのでは…と思ったらちゃんといた!
ただ、食料品のみの店舗なのでそこまで大きくなく、でかい全身絵などはなかった。一緒に行ったガチ恋勢の友人は「絵がそれほど多くなくて(むしろ)良かった」と貢ぎそこなって破産を免れたオタクの様なことを言っていました。
あとロヂャースのプライベートブランドの商品もあったのですが
右手が左手になってた
ろぢゃミ描いた
めっちゃ描きこんだろぢゃミがレジ袋とおにぎり持ってるイメージだったんだけど途中で飽きちゃった……。
日記
伝説のアニメーターの大塚康生さんが死にましたね。ずっと活動してなかったけど、ついに亡くなったか…という感じが強い。
大塚さんと宮崎駿さんのこの写真がめっちゃ好き。厄介オタク感まんまんのハヤオと、大塚さんの職人感がくっきり出すぎ。ちなみに俺は宮崎駿と大塚康生の作画の違いを見分けられないにわかです。『コナン』のラナならわかるかな。
あと貞本義行を大塚康生が育てたってのは作画オタならだれでも知ってることだけど、貞本義行さんがちゃんと言及しているのははじめて見た。本当に弟子だったんだな…。
にょ