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なんとなくひとり焼肉に行った

 埼玉県立近代美術館で開催中の「美男におわす」展を見に行きました。感想は別の記事にしようと思いますがおもしろかった

 見終わってもまだ13時前くらいだったので北浦和駅から浦和駅まで歩いてみた。本屋をめぐったりしているうちに2時間近く経ったので、昼食をとることにした。

 ところで私はだいぶ痩せている方なのだが、この冬は体重を増量してみようと思っている(5㎏くらい太りたい)。なので、できるだけ高カロリーなモノを食べたい。

 しかし二郎系ラーメンとかはよくない。極度におなかが弱いので、そんなニンニクと脂肪のかたまりを食べると、結局夕飯が食べられなくなってむしろ痩せかねないという呪いをかかえているのだ。

 で、ふらふら歩いていると大衆的なたんとホルモンを中心にした焼肉屋があった。店外にはランチメニューが掲示されていて、ビビンバが550円で食べられるらしい。おおこれぞ求めていた答え!
 米と肉と野菜がまざったビビンバはおなかも痛めずらそうで量もありそう!ちょっと値ははるけど牛タンバーグ定食(900円くらい)とかも悪くないかも!ってんで入ってみる。経験上居酒屋メインの非チェーン店のランチメニューはまずはずれない印象。

「いらっしゃいませ!一名様ですね!」

と元気な若い女性店員さんが声をかけてくる。

「日曜はランチやっていなくて焼肉だけなんですけど大丈夫ですか!?」

なんということだ。いままでの綿密な計算はすべて破算になってしまった。私はすかさずこう応えた。

「はい!いけます!」

元気に質問されたら元気よく返す、当然の礼儀だね。

 席につくと、その店員さんが直火で焼くヤツに火をつけてくれる。おーまるで焼き肉屋にきたみたい。テンションあがるな~。………???

 ふと気づいたときにはもう遅かった。私はなんの気構えもなく「ひとり焼肉」を開戦してしまったのだった。そもそも働いていないからお金もあんまり持ってない、大丈夫か?
 メニューを開いてもハラミとかミノとかコリコリとかおっぱいとか得体のしれない暗号しか載ってない、終わった。私は複数人でさえ焼肉に行くことはまれなのでこんなのわからないよう。おっぱい。

 まあ何がどこの部位でどういう味のものかはちゃんとメニュー表に書いてあるので中身が全くわからないわけではない。たとえばおっぱいは文字通り豚の乳のことだそうだ。だが、さっぱりわからないことがある。量だ。

 一皿頼むとどのくらいの量が来るのかわからない。だいぶ前に焼肉屋に行ったときの記憶を引っ張り出すと、このくらいかな?という想像はできた。が、それを一人きりで食べるとどのくらい重いのかわからない。

 そして、量がわからないということは「どのくらい頼むべきか」がわからないということにつながる。もし少なすぎる皿を注文してしまって、あの元気だった店員さんに「…それだけで以上なんですね?」などと冷めた目で訊かれたらシマチョウで首を吊って死ぬしかない。

 いろいろ迷った末に「ガツ」と「タンホルモン」の二皿とごはんを選んだ。「ガツ」は豚の胃で、ホルモンのなかじゃ脂っぽくないほうらしい。「タンホルモン」は…なんなんだ?そもそもタンという部位は分類としてはホルモンに入るらしい。つまりタンはホルモンの一種だ。
 だから「タンホルモン」という名称は「ピカチュウポケモン」、「まめっちたまごっち」、「ガンダム試作三号機ステイメンガンダム試作三号機デンドロビウム」みたいなものである。つまりどういうことだ。

 あとで調べてわかったが、タンの根っこがわの脂身の多い部分のことをその店ではそう呼ぶらしい。脂身が多くて、ホルモンの代名詞であるコテッチャンとかに近い味だからタンホルモンと呼ぶのだろう。

 さて、二皿頼むとちょうど1000円になった。だいぶ安い気がするが、店名が「嬢嬢苑(じょうじょうえん)」と、やたら通俗的で大衆的で庶民性にあふれている点に賭けて、ふた皿にした。はじまってしまった物語にいま終わりを告げるため、頼み食うだけクルセイダー。

 で、注文。なんとごはんは無料だったので、調子に乗って290円するウーロン茶も頼んだ。ふだんなら「オヒヤデ…」と言って節制するのだが、もう堂々とひとり焼肉ランチする気になったのだろう。でもそういうメンタルが全国に行くには必要なんだ。

 さて、頼んで食べてみた結果としては、最高だった。

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 めちゃくちゃうまかった。それに量も多いくらいだった。少なくとも前に食べた焼き肉屋よりは間違いなく一皿ぶんが多かった。

 焼き方に四苦八苦したりもしたが、そういうレジャー要素もいいですねい。複数人の焼肉とちがって、他者が食べちゃったり焼きすぎたり野菜を焦がしたり、そういう不確定要素が無いので、「焼く⇔食べる」というプロセスをもくもくと続けられるから、ずっと味わっていられた感じがした。などと書いていると『孤独のグルメ』に影響されたしょうもないブロガー(実際にいるのかは知らん)みたいになっちゃうからそろそろやめておこう。
 勘で選んだタンホルモンとガツも良い組み合わせだった。うまいがちょっと脂っぽいタンホルモンとさっぱりしたガツを交互に食べることで、口がもたれなかった。胃もたれもほぼしなかった。

 いやーおいしかったのれす。後で調べたところ浦和では人気のある店らしい。私が行ったときはコロナ禍の昼時ってことであんまりお客さんいなかったけど、平時の夜はこうじゃないらしい。


浦和ブラブラした

浦和ははじめて降りたのですが、歩道がきれいに整理されていて歩きやすかった。

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埼玉ローカル書店の「須原屋」本店の漫画ラノベコーナー。平面の画像を組み立てて立体的に見せる謎ハンドメイド技術によって作られた独自ポップがたくさんあった。すごい。リゼロが特によくできたんだけど、リゼロのポップを撮るのは恥ずかしかった。



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同じく須原屋本店の地下一階。書籍売り場のすぐ横に噴水があった。
言わずもがな書籍というのは水に弱い。ちょっとでも噴水の水量をミスったり壊れたりしたら大変なことになる。なのにあえて噴水を(しかも排水しづらい地下に!)置くのはやべえと思って撮った。なにか合理的な意味があるのだろうか?

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かわいかった薬局の看板。十字架ちゃんが包帯を巻かれているという意匠なのだが、下側に本当に壊れた(経年劣化だろうか)のを治したような箇所があっていい。

にょ