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最近見たもの(水木しげる戦争短編集、絵巻物、ウルトラマン)

 本当は「プロフェッショナル仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」の感想を先頭にもってきていたんだけど長くなったんで独立させた。これでは拙者エヴァオタクみたい、拙者エヴァオタではござらんのでwwwコポォ

水木しげる 短編集『戦争と日本 壮絶!特攻』

 いわゆるコンビニ漫画と呼ばれるペーパーバックなんだけど、それなりにしっかりした装丁がされているもの。戦争にまつわる水木の短編が400ページ近く入っていてお得。特に貸本マンガは全集以外だとなかなか読めないものだと思う。ほとんど読んだことがない作品が多かった。

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 貸本マンガでは戦争描写がめちゃくちゃカッコいいことに驚いた。見せ方は戦時中のプロパガンダに影響されていると思えて、カッコいいコマがたくさんあった。特に海戦はうまい。飛行機もカッコよく書けてはいるんだけど、巴戦の描写はあんまりかな、という感じ。

 この人はちゃんと「戦争のカッコよさ」も描けるんだなと改めて舌をまいた。もちろんそれは戦後の戦記マンガブームの中の「仕事」ではあるのだろうけれど、そこに入っている筆致は嘘ではないと思う。その戦争のカッコよさと戦争の空虚さ、戦死の哀しさがぶつかりあっていてすごい。なまじ反戦を前面に出されるよりもこの方が戦争というものの真実のヤバさが感じられる気がする。

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これ特に構成主義的で戦中のプロパガンダっぽい。


 私は戦艦大和の三式弾(世界最大の艦砲でぶっぱなす対空散弾)が好きなんだけど、その活躍が描かれていてよかった。

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 しかし『戦争と日本』というタイトルは違わないかなぁと思う。日本という国家のようなものに対するマクロ的な観点を描こうと作品はこの本にはなかった。
 水木しげるは『悪魔くん』みたいに日本どころか、古今東西の人類をまるごと包括したニヒリズムを発揮できてしまえる作家だと思う。日本軍のことも、「ひとつの人間の愚行」みたいな極限まで高い視点と、「飯が食えない、ビンタされてつらい」みたいな極限まで低い視点の二つでとらえている感じがして、戦争通して日本とは?みたいなこまっしゃくれた問い方はしていないと思う。私なら短編集にタイトルつけるなら単に『戦争』がいいと思う。


日文研絵巻物データべース

 最近絵巻物について調べているのですが、日文研(国際日本文化研究センターの絵巻物データベースはすごく見やすい(PCが基本)。

 内容は江戸時代以降のものが多いのだが、ひとくせふたくせあるものが多くて見ているだけで面白い。特に妖怪ものはいいですね。ちょっとお気に入りを紹介すると、

 『化物尽絵巻』の髪切。

絵巻物データベース および他 27 ページ - 個人 - Microsoft​ Edge 2021_03_23 22_56_18

 『化物婚礼絵巻』でなんか必死に持ってる鯛。(なのか祝いの食事がそのまま動いているのか)

TSUBURAYA IMAGINATION および他 5 ページ - 個人 - Microsoft​ Edge 2021_03_24 2_05_18

『稲生家妖怪傳巻物』のやばい怪異。

ダウンロード (3)

 みんなもお気に入りの妖怪をさがしてみてね。


しかし特に地獄草紙絵巻はやばい。

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 「黄金にかがやくチンコの頭の仏さまとマンコの頭の天女がいて、撃ちだされた光線に亡者の女が手を合わせて感謝する」とか、今まで生きてきて見た下ネタでもだいぶトップクラスにヤバイ。自分ももっと柔軟な想像力を持たないといけないなと感じました。
 ほかにも面白い絵が大量にあるのですが、さすがにヤバすぎるので載せられないレベルなので、みんな自己責任で見てみてください。

マイナーものが多いらしく、検索しても詳細が出てこないものが多い。

 今度デカイ本屋と図書館に行って絵巻について詳しく知らないといかんなと思った。

 なんか水木しげるの妖怪漫画を読みたくなった。

ウルトラマン

 円谷のサブスクがはじまったのでやってみました。マジでウルトラシリーズしか見られない。550円でQとマンとセブンと帰マンを見られると思うと嬉しいが、これ長く続ける人って本当にごく少数なのではないかと思った。しかもミラーマンとかは年額21700円払わないとみられないらしい、アホか。

 まあぶーたれつつもウルトラマン見始めました。実写パートで怪獣と対峙するときの演出が子供だましっぽくてしょぼいと思う。巨大な生物が現れたというリアルさが感じられない。
 実相寺昭雄監督の回は、たしかにカメラアングルはすごいが、そういう間の抜けた感じはより強い。まあ教養として抑えていきたいですね。

 ウルトラマン見た目はマジでカッコいいですね。セブンにはないエロさがあると思う。

にょ