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日記(ピータードイグ展、『プリズンサークル』、秋葉原電子工作)

昨日と今日の日記

2020年9月16日の日記

国立近代美術館で行なわれている『ピーター・ドイグ展』に友人と行きました。
現代の油画家はほとんど知らないのですが、とても面白かった!

絵としての技や面白さは色々ありますが、私が感じた面白さは「組み合わせの妙」!
 映画に着想を得ることが多いというドイグの作品には、かなり映像的にかっちりした構図であるものが多かった。色使いも巧みで見やすい。

しかし、そこに何かしら特殊なレイヤーが足されている。盛り立てられた木の枝や貼り付けられたベニヤ、不自然な模様に不穏な黒ベタ。

そうしたものが足されることで全ての見え方が変わっていく。

 たとえばこの絵は(デジタルだとわかりづらいが)厚ぼったい白絵具がつけられていて、透き通った画面に対して異質な感覚が上層に来ていた。

 ふだんづかいの言葉では感じられない、言葉と言葉の間にある「なにか」を感じさせるのが詩の役割だとすれば、
ドイグの作品にはモチーフとモチーフの間にある微妙な関係性を感じさせる力があると思うのです。
じつは言葉と言葉の見えない微妙な関係性を感じさせるのは詩だけでなく、なぞなぞの特性でもある。
だからドイグが描き出す関係性にもなぞなぞのようなキャッチーなたのしみがある。
展示を見ていて「次はどんな面白い見せ方をしてくれるんだろ?」と面白い漫画をめくるときのような、ワクワクした気持ちになったのはかなり久しぶりだった。


そのあと駅前の毎日新聞社の地下でごはんを食べました。竹橋の近代美術館見たあとに食うところないなーといつも思ってたけど、毎日新聞社の1FとB1Fにめちゃくちゃ飲食店があった。イオンモールのフードコートより多いぞ!しかも廉価なそば屋から高級中華までよりどりみどり、まあ金が無いので我らの選択は絞られるのだが。

そのあと秋葉原に行って電子部品を見たりした。電子工作をはじめたいと思ってめのめのと渉猟したのですが、興味のない友人を連れまわすのもなんなのやめて、ゲーセンでニンジャトレーナーをやりました。

説明しよう!ニンジャトレーナーとはダーツゲームの要領で手裏剣を投げるバカゲーである。まぁまぁ面白いカナ。
東京では池袋と秋葉原にしか今は無いらしい。これから増えて……いくのだろうか……?

今日

さて今日はシネマチュプキタバタで上映中の「プリズンサークル」を別の友人と見に行きました。面白かったし辛かった。

 内容は島根にある日本にしては先進的な刑務所で行われる更生プログラムを追ったドキュメンタリー。重い犯罪の加害を行ってしまった人々には必ず被害の経験があるという前提のもと、いちど加害者に自身の被害の過去に向き合ってもらうことで自分の罪と向き合えるようになって、前を向いて生きられるようになっていく、というもの。

 監督にしてそのプログラムを日本で広めた当事者である坂上香監督の授業をある程度受けたことがあったため、概略はつかんでいた(それをもとに母親との対話を試みた記事はこちら)のですが、生の言葉はとても重く、自分の感情がぐいぐいと刺激された。過去を表現したアニメーションもよかった。
 私と同じく家族の問題を抱える友人と「(受刑者への)共感しかなかったね……」と語り合った。

 さて、そんな素晴らしかった「プリズンサークル」でしたがとても特殊な観劇体験となりました。行ってみるとなんと座席は予約のお客さんでいっぱいでした。これはダメかと思いきや、関係者用の個室を開けてもらって、窓越しの視聴とあいなりました。

個室は完全防音なので喋ったりしてもOKと言われ、オンタイムでコメント感想を言い合いながら劇場映画を見るというとても貴重な体験となりました。
 しかし窓が狭く(そもそも二人用に作ってない)友人と頭をぶつけあいながら窓を覗きこみながら映画を見るはめになった。面白かったです。

 そのあと上野でご飯食べてアメ横等に行ったんどすが、そこでpanpanyaさんの作品「グヤバノホリデー」に出てくるグヤバノジュースを作品とおなじ店で買いました。グアバではなくグヤバノです。漫画だと150円だったけど200円だった。

 

 こういうミーハーな体験も悪くないですね。グヤバノネクターは南国系の甘酸っぱいフルーツにカルピスを混ぜたような味わい。とはいえあくまで果汁25%なので元の果実がどんなんか、これはたしかに気になるな……と思った。
知名度の低さや不思議な見た目に反してさらっとしたふつうに美味しい飲み物だったが、友人が買ったココナツジュースが死ぬほど甘ったるかったのでグヤバノは当たりだったんだなと思った。

解散したあと秋葉原に参りました。昨日の雪辱を果たすためです。秋葉の電子パーツといえば秋月電子通商(だと私は思っているの)ですが、すでに営業終了ずみだったのでマルツパーツ館、千石電商などに行きました。

 マルツの店員さんに「電子工作はじめるにはどんなのがいいかなあ」みたいなクソ雑な質問したんだけど丁寧にいろいろ教えていただいた。しかしやはり作りたいもののビジョンが定まらないと結局はいかんともしがたい、ってことで今日はガチの電子工作用品を買うのはやめましたすみません。でも今回いろいろ見たことでどういうものが作れるかとかいろいろわかった。
 とはいえなんかちょっとした作れるおもちゃ的なのはほしいってことで千石電商で水中モーターを買いました。こんなんどこでも買えるしネットで買ったほうが絶対安いゾ。でもアキバの電気屋さんにお金を落とすのはいいことだとおもう。


という感じで楽しい二日でした。
最後に宣伝なんですけど、明日9/18の深夜に私の尊敬するにいやなおゆき監督の「乙姫二万年」という中編映画がゆうばり国際ファンタスティック映画祭オンライン版にて無料配信されます。

おそろしいほどの傑作なのでぜひ見てください!


にょ