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英語を教える人が知っておきたいリスニングの認知プロセス

人が言語をリスニングするときの認知プロセスは2つあるとされています。

ボトムアップ・プロセストップダウン・プロセスと言われるものです

 ボトムアップ・プロセスは聞こえてくる音声を認識できる音(単語等)に分けて聞き取る方法。聞こえてきた単語を持っている知識(文法構造等)に当てはめて意味を理解するプロセスです。

 「つまり部分部分を聞き取って全体を理解しようとするリスニング」

○ボトムアップ・プロセスを重視した指導例

・音素の聴き分け(LとRの発音の違いなど)
・弱化した母音を聴き取る
 (I can play the piano , but he can't. この場合の助動詞canは短く小さ
   く発音される。
・語句や文の意味を正しく聴き取る

一方トップダウン・プロセスとは初めのタイトルなり全文なりを聞いて、そのトピックについてもっている背景知識の枠組み(スキーマ schema)を思い起こし、先を予測しながら聴き、わからない単語の意味は前後関係から推測しながら理解するプロセスです。

 「ようするに話の概要を聞き取ろうとするリスニング」


○トップダウン・プロセスを重視した指導例

・話の全体像を聴き取る
・話の導入introductionを聴いて(見て)これから聴く話の内容を予測する
・聴き取った内容について、自分の考えなどを整理する


どちらか一方のプロセスのみに頼ったリスニングはうまく機能しません

ボトムアップ・プロセスにのみ頼ったリスニングは、単語や短い文しか聞き取れず、話の全体像が理解できない

トップダウン・プロセスにのみ頼ったリスニングは、話の重要なポイントを理解することや話者の主張を正確に捉えることが難しい


良いリスニングを習得するためには両方のプロセスを練習する必要です!

英語を教育する立場にある人は「児童生徒がどちらのプロセスを使ってリスニングをしているのか」「今行っている学習がどちらのプロセスを重視しているか」を認知することが大切です。


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