アドラステア帝国について

以前のnoteのアカウントから締め出されて二進も三進もいかない。だいぶ前につくったアカウントだし、もしかしたらメアドが古いんかもしれん。
大体こういう記事書くときは一息に書き上げてます。

ベルグリーズ家

黒鷲生徒の名簿に年表が載ってます。六大貴族の子供たちは、自身が誕生したとき親が当主だったか否かがわかるんですよね。ベルナデッタの父とカスパルの父は、子が生まれた時点では当主ではなかった。

ベルグリーズ家のお家騒動は結構大きなものでした。カスパルの名簿にも載ってるし、関連した話を支援会話で知ることもある。ランドルフやフレーチェといった縁者も登場する。
そんなベルグリーズのお家騒動、事は1168年に起こります。

当時のベルグリーズ伯(カスパルの爺さん)が、後妻の連れ子に家督を継がせようとし、それを実子である伯爵令息(カスパルの親父)が阻止、そのまま当主の座を奪う。これが一連の流れです。

カスパルの爺さんと親父の話なので、それぞれ「爺」「親父」と呼んでやりましょう。
爺は若い後妻に入れ込んでいた。親父の母親である前妻はどうしたのか不明ですね。死別か離縁か。離縁ってあるのかな。大貴族だし離縁は体裁悪いな。死別かもしれない。
後妻には連れ子であるランドルフがいます。ランドルフの年齢がよくわからないのですが、爺と後妻の再婚のタイミングはカスパルが生まれる数年前か、あるいは生まれた後かもしれません。詳細は不明です。
ランドルフにはベルグリーズの血が流れていません。何より、家督騒動のあった1168年だと彼もまだ幼いでしょう。仮にカスパルと十歳差だとしても15歳そこら。本編始まった頃のリシテアの年齢と一緒なら幼いね。
幼いランドルフに当主をやらせるなら、誰が補佐する?爺が前当主として補佐する?何にせよ、これは『付け入られる隙』ですよ。
一方、カスパルの親父の方なんですが、彼は正真正銘ベルグリーズの血を引くもので、士官学校時代には素手で熊を倒したという武勇持ち。紅花ルートで同盟領の事後処理を任されているところも見るに、領地経営の心得だってある。当然、ずっと昔から次期当主としての教育を受けてきているはずです。カスパルの兄が次期当主に内定しているのと同じように。
どう考えても当主に相応しい実子である親父を差し置いてランドルフに跡を継がせようとしているの、いびつではないでしょうか。

ランドルフの妹フレーチェは瞳の色がカスパルと同じ空色なので、おそらくベルグリーズの血を引いております。フレーチェは前ベルグリーズ伯にとっては実の娘になるのです。
無双にて、フレーチェはカスパルの四つ下であるとの情報が出ます。それが事実であるとするならば、フレーチェはこの騒動の時に生まれたことになります。
次期当主に内定している息子に既にふたり子供がいるのに、若い娘と子作り。前ベルグリーズ伯はとっくに成人した息子より生まれて間もない娘に跡を継がせたいから、その繋ぎとしてランドルフに家督を預けようとしたんじゃないかな……なんて。
孫より若い娘を贔屓って、そりゃカスパルの兄貴も壊れるなぁ。

フリュムの乱

フリュムの乱は、ベルグリーズ家の騒動の一年前、1167年の出来事です。中央集権化を進めるイオニアス帝に反発したフリュム家が、帝国から離脱し諸侯同盟に参加しようとして、皇帝から手ひどく殴られてしまった事件です。
この際、フリュム家に協力した同盟領コーデリア家は帝国の介入を受け、リシテアも闇に蠢くもの達の実験台になってしまうのです。

帝国は直近の歴史だと皇帝が強権を握っていた時代と六大貴族が実験を握っていた時代に二分されます。フリュムの乱は皇帝が強権を握っていた時代の出来事で、闇に蠢くものは帝国軍と行動を共にできました。

帝国軍の総大将は軍務卿。軍務卿はベルグリーズ家の当主が担う。フリュムの乱発生時のベルグリーズ家当主……爺さんですね。
前ベルグリーズ伯は怪しげな闇の魔導士集団が軍内で好き勝手するのを許してたということです。

軍事力は権力の下にある、というのが秩序の在り方だと考えています。どれだけ偉い皇帝でも物理的に殺されたらお終いなので。純粋な力に反抗させない、また力の方も権力に逆らわないことで、暴力ではなく秩序によって国を治める証拠になります。弱肉強食の世にしないためにも、武力は権力の制御下にあるべきです。
闇に蠢いてるやつらがこうも自由に蠢けるのは、イオニアス帝が許しているからであり前ベルグリーズ伯が許しているからでもあります。多分。

七貴族の変

1171年、イオニアス帝の独裁状態に待ったをかける形で七貴族の変が起きます。エーギル公やアランデル公が主導し、ベストラ候が協力、となっていますが、皇帝により近い立場である三つの家が反皇帝の中心勢力なんですよね。

ベストラ侯爵家は代々フレスベルグ家の周りの政務を担い、フレスベルグを支えてきた家です。帝国の暗部を牛耳っているそうなので、かなり深い部分の情報も持っていそうです。
アランデル家は、イオニアス帝が溺愛するアンゼルマ妃の生まれた家で、いきなり大公に叙された元小貴族です。

アランデル公の当主はフォルクハルト。妹のアンゼルマが皇帝のお気に入りになり突然上級貴族に引き上げられましたが、そこそこ優秀な人物だったようです。六大貴族と上手くやっている。タレスに背乗りされる前の評価は良い。
一方で妹のアンゼルマは、皇帝に溺愛されていたものの正妃ではなく側室。しかも政争に敗れて帝国を追放されています。いや、イオニアスは何やってんだ。
フォルクハルトから見たイオニアス、妹を贔屓しておいて、それがきっかけで妹の立場が危うくなったときには助けなかった無能皇帝になっちゃう。
そしてフリュム家への乱暴すぎる対応。そこそこ優秀なフォルクハルトが「この皇帝ヤバイな」と感じ、恩をくれた相手を切り捨てる選択をしたのも納得です。

ベストラ家が主たるフレスベルグを裏切った理由は、ヒューベルトとハンネマンの支援会話で少し触れられる程度。フレスベルグへの忠義以上に優先するものがあった、と。
憶測でしかありませんが、ベストラ家は多くの情報を、それも裏の裏側の情報まで知ることができる家。当時のベストラ家当主であった男は何らかのとてつもない情報を入手し、あるいはとてつもない何者かに脅され、フレスベルグを裏切った。

帝国は、イオニアス帝⇒六大貴族⇒エーデルガルトと帝国のトップが短期間で入れ替わっています。気になったのが、イオニアス帝が集権化する前の皇帝と六大貴族の力関係、イオニアス帝の集権政策の始まりがいつなのか、という点です。
ぶっちゃけ前者は情報が無いので妄想しかできません。後者に関しては、アンゼルマがイオニアス帝の寵愛を受けていながら帝国を追い出されているのもあって「じゃあ、集権化はそれ以降かな?」とも考えられます。この推論を補強する根拠は何もありませんけども。

皇子皇女、血の実験

アランデル公は1174年まで教団に寄進をしており、それがフォルクハルト本人である証明となります。
エーデルガルトが王国へ身柄を移されていたのは1171年から1174年の間。叔父であるフォルクハルトはエーデルガルトを歌劇場へ連れて行ったり、姪のことをなかなか大切にしていたようです。

フォルクハルトがエーデルガルトを王国へ逃がしたのは、政争に巻き込まないため、フレスベルグと六大貴族の争いから遠ざけるため。
それをイオニアス帝は「無理やり連れていかれた」と言っており、エーデルガルトも同じような認識です。

そして皇帝の子供たちに血の実験が施されるのですが、闇に蠢くもの達による惨たらしい実験は、いつ始まったのでしょう。
エーデルガルト以外の子供たちは、七貴族の変からエーデルガルト帰国までの間、どこにいたのでしょう。

主人公とエーデルガルトの支援会話がヒントだと思います。エーデルガルト帰国後に、エーデルガルトと同じタイミングで兄弟姉妹も実験を受けたように捉えられます。同時期に地下に繋がれ「家族が壊れてゆく」様をエーデルガルトは見ていた。実際にメスを入れられたのはエーデルガルトが最後でしょう。
血の実験の始まりがエーデルガルトの帰国前か帰国後か、とても薄い根拠ですが、これはエーデルガルト帰国後の1174年に始まったと思います。先の支援会話と、アランデル公の成り代わりと。
否定材料が出てくればあっさり覆りそう。

エーデルガルト亡命中に実験が行われていなかったのなら、エーデルガルトやイオニアス帝が「王国へ連れ去られた」という認識なのも間違ってないのかもしれない。
もし実験が1171年から開始されていたとしたのなら、そこから遠ざけられ身の安全を守れたエーデルガルトが「無理やり連れていかれた」という認識にはならなかったでしょう。
血の実験がエーデルガルト帰国後に開始されたのなら、それまではエーデルガルトの兄弟姉妹は無事だったわけで、そこから引きはがされたエーデルガルトが「連れていかれた!」と理不尽に感じるのも仕方ない。

このエーデルガルトの亡命、エーデルガルトの立場の捉え方が面白いのです。
七貴族の変はフレスベルグと六大貴族の対立です。エーデルガルトの兄弟姉妹も当然フレスベルグ側の人間なので六大貴族とは対立する立場です。
フォルクハルトは、対立する立場であるはずの皇女エーデルガルトをフレスベルグから引きはがし、政争から遠ざけた。つまり、フォルクハルトはエーデルガルトを皇女扱いしなかった。彼にとってエーデルガルトは皇女ではなく妹の娘、大切な家族だった。
逆にイオニアス帝やエーデルガルトは『フレスベルグから引き離された』『皇女扱いされなかった』と感じ、それ故に彼らは「王国に無理やり連れていかれた」と主張するのかもしれません。

1174年にエーデルガルトは帝国へ連れ戻され血の実験を受けます。エーデルガルトやイオニアスは宰相が主導したと言いますが、フェルディナント外伝を見るにアランデル公がエーギル公の名を使い悪事を働いていましたし、宰相の企みというのも濡れ衣だった可能性があります。
フレスベルグでもなく六大貴族でもない闇に蠢く勢力が帝国の中枢を操っているのです。何てったって、フォルクハルトに成り代わったタレスはアガルタの民の首領ですから。

フォルクハルト成り代わりに関連して。

ファーガスでは、コルネリアという宮廷魔導士がアガルタの民に成り代わられていましたね。
コルネリアは亡命したアンゼルマからの口添えでファーガスに呼ばれ、当時ファーガスで猛威を振るっていた疫病を鎮めるために大規模な治水工事を提案し見事疫病を収めました。
しかし、その後アガルタの民に成り代わられ、エーデルガルトが宣戦し侵略を始めた際にはブレーダッド家を潰しファーガス公国を名乗り、苛政で民を苦しめています。

コルネリアもフォルクハルトも、アンゼルマと近しい人物です。
また、ファーガス王ランベールが謀殺され青獅子の生徒に暗い陰を落とした『ダスカーの悲劇』にもアンゼルマは関わっております。
アガルタの最高傑作と言われるエーデルガルトは、アンゼルマの唯一の子供です。

アンゼルマが闇と触れたのはいつ、何がきっかけだったのでしょうね。

親エーデルガルト派

七貴族の変では揃ってイオニアス帝を切り捨てた六大貴族ですが、エーデルガルトが戦争を起こす際には半数が親エーデルガルト派の立場を取っています。

数百年続いた平和を打ち破り、命も財もすり減らすような戦争を始めるエーデルガルトに従った理由を自分なりに考えてみます。

外務卿ゲルズ公爵家
外務卿は帝国内ではなく、帝国外に目を向けています。ペトラ姫の身元を引き受けておりますし、外交が主な仕事なため国内の勢力争いやゴタゴタは管轄外、といったところでしょうか。七貴族の変の際も諸侯とは一線引いた立場であったそうです。
ファーガスもレスターもアドラステアから見れば外国のような気もするけれど……フォドラは元来ひとつの国で文明文化もセイロス教主体、言語も通貨価値も同じとなれば外国感は薄れるのかもしれません。英国のようなものかな?

軍務卿ベルグリーズ伯爵家
先にも書きましたが、武力は権力の下で管理されるのが秩序の証明だと考えています。軍が君主に逆らうと、それはクーデターです。なので、よっぽどのことが無い限り武力は君主の制御下になければならない。軍務卿は皇帝に逆らうという選択肢がそもそも用意されてない。
じゃあ七貴族の変は何だってなるじゃないですか。イオニアス帝がよっぽどだったってことでしょ(適当)。
紅花ルート以外で帝国軍全員の罪を背負いひとりで処刑されたベルグリーズ伯は、責任の在処もその重さもよくよく理解しています。圧倒的な暴力を理性で抑えることの重要性も理解していることでしょう。
帝国軍は皇帝の下の軍。皇帝直属軍がどうのという話ではなく、国のシステムとして、ね。

内務卿ヘヴリング伯爵家
なんもわからん。
大修道院の書庫にある貴族名鑑を見ると、内務卿は政務、財務、法務を担当しているとのこと。担当しすぎでは?
国内の情勢を安定させるために、権力に従ったということでしょうか。あまりにカバーする領域が大きいので、自由に動ける程度の権力がないと国家運営のための各組織が瓦解してしまいそうです。なんとうか、国民の生活に直結するような内政の部分を一手に引き受けてるような、国家という装置を動かすための大きな大きな歯車が内務卿ってこと?
ちなみにヘヴリング領は帝都アンヴァルへ繋がる大きな街道が通っており(物流の要)、鉱業が盛んだそうです(資源)。実際に帝国を支配してんのは皇帝でも宰相でもなくこの家な気がしてきた。


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