見出し画像

バスケットボールシューズの中敷の硬さが選手の安定感と足の圧力中心に与える影響

こんにちは。
今日はバスケットボールシューズの中敷の硬さが選手のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、興味深い研究を紹介したいと思います。


【注目ポイント】

  • 中敷の硬さがバスケットボール特有の動作での足の安定性に影響するかどうか

  • 選手たちの主観的な安定感と足の圧力中心(COP)との関連性

  • シューズの選択に関する選手の意識と、実際のパフォーマンスへの影                                   この研究では、20人の男性バスケットボール選手が、柔らかい中敷と硬い中敷を持つバスケットボールシューズを履いて45°カットとレイアップを実行しました。

足の圧力中心(COP)は、Pedarインソールシステムを使って測定されました。また、前足と後足の安定感を150mmの視覚的アナログスケールを使って評価しました。

【結果】

柔らかい中敷の方が硬い中敷に比べてレイアップ時のCOPの左右へのずれが大きかったです(柔らかい: 16.6 [4.7] mm、硬い: 15.8 [4.6] mm、P  = .03)。

しかし、45°カットでは両方の中敷でCOPの左右へのずれに違いは見られませんでした(柔らかい: 15.7 [5.9] mm、硬い: 15.8 [5.6] mm、P  = .60)。20人の選手のうち16人が柔らかい中敷を好むことが判明しましたが、両方のシューズで視覚的アナログスケールの評価に有意な差はありませんでした。

また、レイアップや45°カットにおいて、COPと主観的な安定感との間に有意な相関は見られませんでした。

【まとめ】

バスケットボールシューズの中敷の硬さは、45°カットやレイアップでの足の左右の安定性に一貫して影響を与えないことがわかりました。

また、選手たちの主観的な安定感だけでは、バスケットボール特有の動作を実行する際の足の左右のずれを正確に示すことはできないということが示されました。

つまり、シューズの選択において、選手たちの好みや主観的な安定感だけでなく、実際のパフォーマンスに与える影響を考慮することが重要であることが分かりました。

今回紹介した研究は、バスケットボール選手にとって最適なシューズ選びの指針を示す貴重な知見を提供しています。

中敷の硬さが選手のパフォーマンスに与える影響は個々に異なるため、選手自身が実際にシューズを試してみて、自分に合ったものを見つけることが大切です。

参考文献:

Hin Fong Leong, Wing-Kai Lam, Wei Xuan Ng, Pui Wah Kong. (2018). Center of pressure and perceived stability in basketball shoes with soft and hard midsoles. Journal of applied biomechanics 34 (4), 284-290.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?